洪瑞珍
早稲田松竹、ジャズ特集3本(2本立て+レイトショー)早速観てきた。最高!映画館で観るべきすぎた。
そして早稲田松竹サイトのスタッフコラムで紹介されていた台湾から上陸したサンドウィッチ店「洪瑞珍」でテイクアウト。映画館で滅多に食事しないけれど、なにしろ3本観るから長丁場だ、と思って。
https://www.instagram.com/hungruichen.japan/
洪瑞珍は1947年に台湾で創業したサンドウィッチ屋。台湾で30店舗以上、香港韓国にもお店がある。台湾ではもっとクラシックな包装で興味あったけれど、これまで食べたことがなかった。日本での初出店が高田馬場、早稲田松竹向かい!
私が行った時は、サンドウィッチの種類は6〜7種類。珍しいものではタロイモペースト味など。いちばんスタンダードっぽい「満漢(man han)」をレイトショー前に食べた。パンがふわふわ。ハム、チーズ、マヨネーズ、薄焼き卵で、日本でもお馴染みの具ながら、ちょっと日本にない甘い味付けが台湾っぽい。そうそう台湾の食事って全体的に甘いよね(私の舌には)って、ぶわっと台湾の記憶が蘇りました。サンドウィッチ、中国語で三明治と書いてsanmingzhi(サンミンジー)と読むのだけれど、音を似せることから考え初めて、ちょうどよい漢字をあてたんろうなって字面もいい。
早稲田松竹に行くたびに、いろんな味を制覇していきたい。
冬の最終日
3月から春と区切っているので、2月末日は冬の最終日。写真のアーカイブから冬らしい写真を。2019年冬、寒い時期に寒いところに行きたくて映画『きみの鳥はうたえる』のロケ地・函館へ。これは函館から札幌に向かう特急に乗るところ。
車窓から冷え冷えとした冬の海がずっと見えて、暖かい車内から見られて幸せだな、と思っていたら、
停車したのが「森」という駅。どこが森やねんってツッコミを入れた瞬間。
映画に登場した居酒屋「杉の子」は残念ながら数日の休業中で、
代わりに見つけた「滋養軒」という老舗ラーメン屋で食べた塩ラーメン、人生で一番美味しいラーメンだったかもしれない。
『きみの鳥はうたえる』、函館の短い夏の物語だから、また行くなら次は夏。
甘露
無理矢理に取得した冬休み。早稲田松竹で2本立てを観て、映画館から徒歩圏内にある中国茶カフェ「甘露」でパフェ。
タイムラインにうさぎパフェの写真が流れてきてから、ずっと行きたかった。四季でメニューが変わり、うさぎパフェは駆け込み冬メニュー。うさぎはぷるぷる杏仁パンナコッタ。白木耳、よもぎムース、胡桃、白玉などで構成されて身体に良さそう。雲南省の紅茶も美味。
早稲田松竹、北野武『首』と大島渚『御法度』の組み合わせ、素晴らしかった。特に『御法度』を35mmフィルム上映で観られて撮影・音楽・衣装・美術・16歳の松田龍平どれも最高で映画は!総合芸術!という気持ちで胸いっぱい。
上映は3/1(金)まで。『御法度』上映、かなり貴重だと思う。是非に。
http://wasedashochiku.co.jp/archives/schedule/38920
オトメ
連休初日は、中国料理オトメで餃子、蟹チャーハン、肉の天ぷら、生ビールと栄養バランスに配慮ゼロのメニューで昼飲み。根津の老舗街中華。
中華っぽさ皆無の純喫茶のような内装で、いつも清潔な店内。コロナ禍前から会っていない友人と久しぶりにおおいに喋って楽しかった。
友人は『キングダム』シリーズが好きで職場で同好会を結成しているらしく、いつかCinema Radio 28『キングダム』スペシャル回として同好会の皆さんとお喋りし、そのまま中華料理を食べに行きたいです。『キングダム』1作目は私の平成最後の映画だったけれど、続編を未履修なので、観て準備しておかねば。
蕎麦
関西出身の私にとって、東京の美味しい食べ物は蕎麦。自主的な外食イコール蕎麦屋に行くことで、日々の食事は自分で作ったほうが薄味が安定的に食べられて良い。
映画祭目的で地方に行くと、山形(山形国際ドキュメンタリー映画祭)や長野(小津安二郎記念・蓼科高原映画祭)、蕎麦処が多く必ず食べるけれど、遠くに行かずとも歩いて行ける根津「よし房 凛」が一番好みの蕎麦で、来客時やお礼をしたい時に予約してお連れします。昼間は平時から行列、大晦日には数時間待ちの行列の大繁盛店。
昨夜は冬限定の牡蠣汁せいろを食べた。前回ここに来たのはCinema Radio 28収録でゲストのトッシュ・バーマンさん、瑪瑙ルンナさんと。昨日もCinema Radio 28のゲストと一緒に。久しぶりにラジオ収録しました。近々更新しますので、お楽しみに!
よし房 凛(よしぼう りん)
プリンアラモード
間もなく休館する山の上ホテルで、プリンアラモード。
白鳥のシュークリームが優雅で、いつかと願っていた。
座席争奪戦は苛烈を極め、9時に行列に並び10時半に整理券を獲得、15時着席。
休息のための喫茶にこんな労力をかけるなんて、ロジックエラーを感じる。
Weekly28/はなればなれに/水無月
時間が経ち、2023年も半分が終了。
5月、横浜ジャック&ベティでエルンスト・ルビッチの話をした後、帰宅即入眠、明け方に目が覚めたのでtwitterを開くと追悼ジャン=リュック・ゴダール映画祭のトークゲストで以前、東京国際映画祭プログラミングディレクターをされていた矢田部吉彦さんの登壇を知り、チケットを予約した。
矢田部さんが「ゴダールについて語るという神をも恐れぬ行為」「ここ数日パニック」とtwitterで書かれており、数多の映画のQ&A司会やトークゲストとして登壇経験のある方でもゴダールは超緊張案件なのだな、と興味を持ったから。ルビッチ『生活の設計』を再見したばかりで男2・女1の三角関係の物語・ゴダール版を久しぶりに味わえるのも楽しみだった。
『はなればなれに』、B級映画っぽさがありゴダールの中でも好きなほうだったけれど、ある程度は価値観がアップデートされた令和の自分が観ると、パリの若者の無軌道な青春が輝いていようと、踊るアンナ・カリーナが無敵だろうと、ゴダール演出でとりわけ引っかかる女性の扱いの酷さにげんなりした。女性の身体に触れる何気ない動作が必要以上に暴力的でドキッとする。乱暴にモノを扱うみたい。次第に女性の心が離れていくと対話による歩み寄りを試みるでもなく、哲学書や思想本に答えを求めるように避難する男性ばかり出てくるように思う。
上映後のトーク、なんと矢田部さんお一人で登壇され滔々とゴダールについて語る!という回で、どれだけトークに慣れていようとこの形式・しかもゴダールは確かに超緊張案件だと思った。これまで聞いた上映後トークで同じ形式はずいぶん前、自作上映後に一人登壇し訥々と語る吉田喜重監督以来。ゴダールについて一人語りだなんて、人生において何があっても回避したいこと上位に入る。
矢田部さんのお話はゴダール自身の死について、ゴダールが生涯描いたテーマは「死」と「愛の不確実性」だったこと、アンナ・カリーナとの関係。ゴダールの人を人とも思わないような気まぐれさに振り回されたアンナ・カリーナが疲弊していき結婚生活は早くから破綻していたことなど。
『はなればなれに』に男に名前を聞かれたオディール(アンナ・カリーナ)が「モノ(Monod)よ。オディール・モノ(Odile Monod)」と答えると、男が「安売りスーパー(モノプリ:Monoprix)みたいだな」と冷たく返す場面があり、ちょっと嫌な感じ…何の意味?と考えていたら、ゴダールの実の母親の名前がオディール・モノだったと矢田部さん解説により知り、ゴダールの女性嫌悪の根深さに少しゾッとした。
古い映画を観る時、当時の歴史や文化を前提に描かれたことを念頭に置き、現在の価値観で好悪をジャッジしてはいけないと思うものの、映画は私にとってどこまでも娯楽だから、余暇の時間とお金を使って墨を飲むような気分になりたくない…と、せめぎあいの気持ち。
『はなればなれに』もしんどくなってしまった私の、記憶の中でのゴダール初期ベストは『アルファヴィル』で、再見する機会があってもしんどくならないことを願う。
<最近のこと>
夏越しの大祓も3年ぶりに神事が復活。茅の輪、無事くぐれたから無病息災が約束された。
水無月も無事食べ、ますます無病息災が約束された。東京で水無月を買える和菓子屋は少ないけれど、近所のつる瀬には売っていてありがたい。
6月30日、20年近く会っていなかった友人から連絡がきて再会。私がいろんな場所から書いていた日記を、友人もいろんな場所から楽しみに追いかけてくれていたようで嬉しかった。とりとめもないことでも書いて、公開して、続けておくものだなぁとしみじみ。
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