大テレビドラマ博覧会
先週行った、早稲田大学演劇博物館。初めてだったので常設も企画展も隅々まで観た。建築が素晴らしい!展示室はこぢんまりしており、気負いなく観られる。そして入場無料。
正面脇の、こんなドアから館内へ。すでにドラマの登場人物になったみたい。そう、私は女優…(違う)。そんな気分に陥るのにも裏付けがあり、サイトにこんな説明が。
「演劇博物館は坪内逍遙の発案で、エリザベス朝時代、16世紀イギリスの劇場「フォーチュン座」を模して今井兼次らにより設計されました。正面舞台にある張り出しは舞台になっており、入り口はその左右にあり、図書閲覧室は楽屋、舞台を囲むようにある両翼は桟敷席になり、建物前の広場は一般席となります。このように演劇博物館の建物自体が、ひとつの劇場資料となっています。」
そして正面上部にある文字、何だろう?と思っていたら、「舞台正面にはTotus Mundus Agit Histrionem“全世界は劇場なり”というラテン語が掲げられています。」とのこと。さりげなく小粋。
始まったばかりの企画展「大テレビドラマ博覧会」を堪能。2階の広くはないスペースをフル活用し、空間全体がインスタレーションのよう。たくさんのテレビを使った展示は、ちょっとナム・ジュン・パイクやクリス・マルケルのアートを彷彿とさせる。テレビドラマ最初期から最近の「カルテット」までフォロー、ドラマがかかっていた時期のテレビと合わせて展示してあり、昔の、家具と一体化したような重厚なテレビから、最近の超薄型テレビまで、テレビはどんどん薄くなり、ドラマで描かれるテーマも徐々に変化していく。ああ…やたら奥行きのあるブラウン管テレビデオで観てたなぁ…「ロンバケ」…と、眺めながら時空が歪む…。
初期の表紙の手書きフォントが脚本が並ぶのが目に楽しい。そして和田勉の製作ノートには見入った。映画も歴史の浅い芸術・娯楽だけれど、テレビドラマはさらに若く、我こそテレビドラマの地平を切り開かん!と、沸るフロンティア・スピリットが伝わる文章。ブレッソンの演出にも触れられていた。
企画展は8/6まで。
http://www.waseda.jp/enpaku/ex/4995/