骨とドローン
霊園の桜から連想した『ツィゴイネルワイゼン』は骨好き垂涎の映画で、骨に執着する原田芳雄に共感しきり、観るたびに同士気分高まる。人間の、肉体に対する欲望はざっくり、筋肉好き/脂肪好き/骨好きに分類できるのでは?と思っている。骨好きの私は、恰幅が良くて素敵とか、筋肉が素敵とか思ったことがない。
最近読んだ、『ドレス』(藤野香織著/河出書房新社)冒頭の一篇『テキサス、オクラホマ』はタイトルから想像もつかない展開の物語で、賢いドローンが羽を休めるためのドーム形の施設が舞台。ドームの中は砂漠になっていて、本物ではなく人工の骨格標本がたくさんあり、骨の隙間に鳥が枝にとまるようにドローンがやってきて労働の疲れを癒す施設らしい。脳内で映像化しながら読み(小説を読むとき、私はだいたい脳内で映像化しながら読む。途中で実在の俳優をキャスティングすることもある)、結末の残酷さも含めうっとりしながら読み終えた。映画化希望。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309026244/
著者インタビュー、めちゃくちゃ面白かった。
http://bunshun.jp/articles/-/5359