暑さ

 

東京、久しぶりに、無防備に外に出ると命の危険に晒される暑さが続いている。

 

ここ数年、最も暑かった瞬間は、3年前の夏、北京の午後だった。朝から映画館で映画を観て、観終わってお昼を食べ、前門(天安門広場の南)にいたので、あろうことか天安門広場を横断しようと無防備な決断をしてしまった。北京で一番好きな場所だから。その日の北京が40度で、太陽が高い位置にある午後2時、遮るものが何もない、歩いても歩いても毛沢東の肖像画は近くならないほど広い場所にいることを、歩き始めてから気がついた。体感温度は40度後半だったと思う。ここ数年、最も死に近づいた瞬間だった。

 

グリルの上で焼かれる野菜の気分ってこんなんかしら、と思ったあの日に比べれば、現在の東京はまだマシと思えるのだから、何事も相対化なのかもしれない。

 

この日に観たのは、陳凱歌(チェン・カイコー)の『道士下山』だった。日本で公開されてもきっと観ないけれど、中国の映画館で観るとやたら面白く感じる、という部類の映画だった。ワイヤーアクションばりばりのカンフー映画。

 

中国最大の超大作が大コケし、3日で公開停止したニュース(こちら)を読んで、あ、ちょっと観たいなぁ、中国の無闇に金ピカでギラギラしたシネコンで、と思いました。

 

 

 

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Mariko
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