スマート
いま一番好きな声の人ことヤーレンズ出井さんは文章も上手く、連載を読んでいる。
今月のはじめ女性芸人コンビ・ハイツ友の会が突如解散して悲しいと書いたけれど、出井さんの連載最新回で解散について触れられていた。「顔ファン」とは芸人の顔のファンのことで、「芸じゃなく顔が好きなのかよ」と時に冷ややかに見られがち。ハイツ友の会の解散時、女性ファンに感謝すると同時に「本当に”お笑い“が好きな男性」に限定して感謝を残したことで、顔ファン問題が狭い界隈で話題になった。出井さんの見解、お笑いに詳しくなくても読んでほしい。
大風呂敷を広げて考える、これからのお笑い界
https://wluck-park.com/special/21085
「男女ってのはいつだってそんなに対称じゃないし、男の真裏が女じゃない。日本とブラジルじゃないんだから。」は出井さんの美声で再生され、「みんなで二度とあんなことを誰にも書かせないようにしような。」は私が当事者なら泣いただろう。風呂敷で始まり風呂敷に終わる落語のような様式美。なんてスマートな視点と文章なのだろう。米津さんのインタビューといい、令和の男性はいいなぁ!と思うけれど、いつの時代もスマートな人はいるとも思う。エルンスト・ルビッチなんて100年前の映画でも令和に通じるスマートさを持っていたのだから。私は出井さんに『虎に翼』の感想を聞いてみたい。
写真は東京国立近代美術館で観た、芹沢銈介が装丁した獅子文六『可否道』。