ジレンマ
この間、映画にさほど興味ないだろう人とたわいのない話をしていて(仕事含め私の一日の8割はそんな会話で構成されており、私の映画好きを知らない人が大半)、何かの拍子に口を滑らせ「ああ、9月9日!『ダンケルク』と『散歩する侵略者』の公開日が同じだなんて!どうすればいいの…?1日で2本観るとか…?酸欠起こしそう!」と興奮気味に喋ってしまい、相手をポカーンとさせた。俺の知ってる単語がひとつもない!とか、思ったかしら。知らんけど。
これほどさように楽しみにしておる「散歩する侵略者」の日本最速上映が今日だったようで、LINE LIVEで舞台挨拶の様子を観た。チケットは秒で売り切れたらしい。黒沢清映画の舞台挨拶って、いつも映画の世界観とは裏腹に和やかで和気藹々としている。撮影が楽しくて楽しくてと役者さんが振り返るコメントもよく目にするけれど、そんなムードの中、出来上がるのがあんな映画なのだから、映画って本当によくできた嘘なのね…という気分にもなる。
こちらのインタビュー、同じ物語を演劇と映画、それぞれの手法で演出することについて。読み応えあった。舞台版は10年前だけれどすでに観ているので、文庫化された原作は映画を観た後に読む予定。
https://www.cinra.net/interview/201708-sanposurushinryakusha
不安定な女を見守るシリーズ
愛用中の万年筆、Pilot Kakunoに透明軸が出た!Kakunoは子供用の初めての万年筆という位置付けの商品でもあるので、万年筆にはペン先の向きってものがあるよ、と教えるため表側に顔が書いてある。左がグレー軸(にっこり)、右が透明軸(てへぺろ)。こういうの考える会議、楽しそう、参加したい。
春に観た「ジャッキー」をもう一度観たくて、早稲田松竹でかかるって把握しているけれど、併映の「スノーデン」に興味が湧かない。実在の人物シリーズか。他にもっと「ジャッキー」と魅力的なもう1本の組み合わせないかしら?って探してみるけれど、今のところ見つからない。代わりにギンレイホールで「台北ストーリー」と「タレンタイム」の2本立てという豪華な番組を発見。9月。
「ジャッキー」、この上なくシンプルで潔いタイトルだけれど、そのシンプルさと、ナタリー・ポートマンのいかにもなジャッキー・ルックが、ああ、あのジャッキーね?知ってるわ。いまさら観る必要ない。って観客を遠ざけているのか、私の周りでもあまり観た人がいないけれど、あの時期シャンテで公開されていた「お嬢さん」「ムーンライト」と並べても、私は「ジャッキー」が特に好きだった。
ある映画を説明するのに、別の映画の名前を引っ張り出してくることは、なるべくしたくないけれど、観ている間のハラハラした不安定な気持ちは、カサヴェテス「オープニング・ナイト」に通じるものがあった…と言ったら、え?そうなの?スルーしてた、それなら観てみたい!と反応した人がいたので、ここにメモしておく。それからアニエス・ヴァルダ「5時から9時までのクレオ」のニュアンスもあったし、吉田喜重「告白的女優論」も、ちらっと思い出した。どれも観客が不安定な女をハラハラ見守ることを強いられることで共通しており、「ジャッキー」はその系譜上の最新作で、とても美しい映画です。
↑ この公式サイトも、スマホ最適で作ったものを、PCで見ると間延びしてただ引き延ばされるだけの粗いつくり、宣伝にもお金かかってないね…。
memo : 映画祭
メールのやり取りで一昨年の秋、小津安二郎記念・蓼科高原映画祭に行ったことを思い出し、急速に高まる旅気分。
長時間労働は悪!の風潮盛り上がる昨今、仕事きっちりしていればじゃんじゃん休みなさい、え?夏休みで台湾行ってきたばかりですけど?、それはそれこれはこれ、有給もとりなさいモードになってきておる。良いこと!映画の秋、行ったことのない映画祭に行きたいナー!
小津安二郎記念・蓼科高原映画祭は、松竹がしっかり協賛して回を重ねている、運営もしっかりした映画祭だった。ゆかりのゲストを招いて小津映画の上映を行うほか、新しい日本映画もかかり、映画館のない(おそらく)蓼科界隈で、地元の人にとってはスクリーンで映画を観られる貴重な機会でもあるのかな。
ボランティアと思われる方がたくさん運営に参加していて、市民ホールや映画館の前がちょっとしたお祭りっぽく盛り上がっており、コーヒー、ポップコーン、名産の寒天のお菓子、田楽、おでん…等、じゃんじゃん軽食が、いかがですか?どうぞ!と無料でいただけるのが暖かくて最高。寒天のお菓子が美味しくて、帰りに茅野駅でかんてんぱぱ製品、買って帰ったもの。そして数メートル先で、おでんを食べるゲストの司葉子さんを眺めながら上映を待つのんびりしたムードも魅力的だった。
現在の関心は、山形国際ドキュメンタリー映画祭に行けるかな?ということ。サイトをチェックしていたら、フィルムライブラリーで過去の応募作品が観られたりもするらしく、素晴らしい。
http://www.yidff.jp/library/library.html
それから、映画祭サイトのリンクページ、国内外の映画祭が開催時期別にまとめてあって、助かる!と思ったのでメモ。(私が今年行った台北電影節は載ってないけれど…)
http://www.yidff.jp/links/links.html
シネマトート研究
シネマトート研究。イメージフォーラムで開催中のアニエス・ヴァルダ&ジャック・ドゥミ特集、3回券を買ったら特典でついてきたトート。ドゥミってグッズが作りやすい人だけれど、アニエス・ヴァルダグッズは初めて観た。そして夫婦トート。
へなへなした薄めの生地だけれど、マチがしっかりあって肩かけもできて使いやすい。一昨年の東京国際映画祭の黒いしっかりしたトートを愛用しているけれど、生地の違いはあれど、サイズは似てるのではないかしら。このサイズが使いやすいんだな。
3回券なので3本観ようと思っており、どれも過去に観ているけれど、今回再見するならば、
http://www.zaziefilms.com/demy-varda/
「幸福」は必ず。「天使の入江」は案外、観る機会が少ないので観たい。オープニングの素早い移動ショットが好き。あと1本が悩みどころ。しばらく観ていないから、クレオかなぁ。
10月に恵比寿でドゥミ&ルグラン特集があるそうで、「ベルサイユのばら」が目玉だと思う。フィルムセンターで一度観たきりだけれど、なかなかの珍品(ドゥミ後期は珍品揃い)、フランスで公開されなかったんじゃなかったかしら。ベルばらながら、港町、怒れる群衆…とドゥミ要素満載で見ごたえあった。珍品だったけれど。
https://www.cinematoday.jp/news/N0093281
ヴェネツィア
お気に入りになった台北の珈琲が美味しい喫茶店。最終日にモーニングを食べに行ったら、ハムエッグのハム、幽霊の頭についてる白い布の形状で登場した。美味しかったけれど久しぶりにトーストを食べたら、小麦耐性の弱さゆえ、後で軽くお腹を壊した。
今週しけしけしていたけれど、木曜に回復の兆し、今日は本調子!と思ったら平日が終わった。
ヴェネツィア、「アウトレイジ 最終章」がクロージングなんて羨ましいし(早く観たい!)、しばらくメイキング往復書簡を読んでいた日仏監督2人による映画も出品されるらしく、俄然ヴェネツィアのニュースが楽しみに。
http://cinefil.tokyo/_ct/17104328
ダミアン・マニヴェル&五十嵐耕平。どちらの映画も観たけれど、五十嵐耕平監督「息を殺して」がとりわけ好きだった。この好き、は期間限定の好きかもしれない、という種類の好きだったかもしれない。楽しみに読んでいた往復書簡は、しばらく停止し、また再開されるみたい。
https://medium.com/@ManiveltoIgarashi
「息を殺して」を観たのは一昨年だったと思う。最近、邦画が面白いと誰かに言ったら、その人はDVDで何本か観た後にピンとこなかったようなことを言っていたけれど、考えてみれば私のお気に入りの邦画、ほとんどDVD化されていない。
youtube theater
先日食べた、四谷三丁目フルーツパーラーフクナガの桃パフェ。生クリーム比率が少なく、桃シャーベットが絶品で、私のような甘いものたくさん無理だけれど、果物は好きというタイプにぴったりの味だった。長らく食べたいと切望していたので、願いが叶って嬉しい。
広くはない店内に着席した人々が見事に全員、桃パフェをオーダーしていて、桃パフェ以外に食糧が存在しない惑星に不時着したみたい。
いこさんが感想を書かれていた市川崑初期作品(こちら)、観たいな!と思ったけれど、そんな都合よく観られるものでもありませんね…と調べてみたら、youtubeで有料で映画を丸ごと見られるラインナップの中に「あの手この手」はあった(こちら/300円)。「人間模様」も観たいぞ!と調べたら、近所の図書館にDVDがあったので予約した。近々どちらも無事に観られそう。便利な世の中ですこと!
3分でわかる
心身ともに夏バテ気味。しけしけである。暑さに参ってるのではなく、上半期の蓄積疲労に襲われ、食事後、気絶したように眠ってしまう。今日はさっさと寝よう。
クリストファー・ノーラン「ダンケルク」の情報が続々と流れてきて嬉しい。北米で公開され絶賛だとか。映画、観る前の情報摂取は控えているけれど、クリストファー・ノーランは予習のせいで映画がつまらなくなった!なんて感じさせないほど遥か予測のつかない映画体験がもたらされる信頼もあって、「インターステラー」も映画館に向かうメトロの中で、相対性理論やワームホールについての理解を軽く深めたりした。
「ダンケルク」は史実に基づく物語ということで、そのあたりの歴史を軽く調べておこうと思っている。公式をチェックしていたら林先生による3分でわかる!という動画が上がっていたので、ありがたや…と思いながら、さっそく観てみた。
http://wwws.warnerbros.co.jp/dunkirk/
それが仕事とはいえ、よくしゃべる人ですね…ポカーン…と眺め、わかりやすいけれど、もうちょっと知識を深めておきたい気もするね。9月の公開まで軽めリサーチは続く。おやすみなさい…。
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