方言
日比谷、地下からシャンテに向かう通路のスター手形の端っこに、ドラえもんの手形を確認するのが好き。手が丸くて可愛いし、ドラえもんは名実ともに映画スターだから。隣はトム・クルーズ。
Cinema Radio 28で話した京都らしい映画こと『きょうのできごと a day on the planet』(行定勲監督/2004年)は配信がなく、予告編をYouTubeで観てみたら関西弁の発音が微妙な俳優が多かったことを思い出した。その土地出身ではない人が方言を習得するのは難しい。
今朝、『ボクらの時代』が令和ロマン&ヤーレンズの組み合わせで楽しく観たら、ヤーレンズが方言の話をしていた。大阪で結成されたコンビながら最初から標準語で漫才をすることに決めたけれど、標準語であってもテンポの速さ・ボケ数の多さに「ナニワを感じる」と芸人仲間に言われること。標準語を選択したのは、声質が関西弁に合わないことが理由とのこと。
もうひとつ、出井さん(横浜出身で神戸に引越した後天的関西弁話者)が、漫才は方言でするほうが絶対に良いと思っていて、標準語は誰もに通じるよう、テレビなどで情報を伝えるために後から作った言語で、江戸弁とも標準語はまた違う。標準語は情報は伝わりやすいけれど、感情はなかなか伝えづらいから、と話していた、両方の言葉を行き来した経験のある話芸を職業とする人の視点!と、新鮮でとても面白かった。
https://tver.jp/episodes/epz9e74bxt
見逃し配信あるので是非。出井さんは現在、私の「好きな声」ナンバーワンの人である。いい声の人のいい声を聞き続けると耳が照れるのか、徐々に気恥ずかしくなってしまうけれど、出井さんはいい声ながらさっぱりしており、圧がない。ちょっと引いた感じのいい声。このバランスの声にはめったに出会えない。ずっと聴いていたい。
Cinema Radio 28/第2回更新しました ゲスト:中本陽子さん(ピアニスト)
音声配信 Cinema Radio 28、本日更新しました。
第2回は中学時代からの同級生で現在フランス・パリ在住のピアニストの友人がゲストに来てくれました。前回から会話のトーンが変わって驚かれるかもしれませんが、途中から関西弁になります。古くからの友人同士の映画にまつわるおしゃべり、どうぞお楽しみください。
■Cinema Radio 28とは?
WebマガジンCinema Studio 28 Tokyo主宰・辻本マリコが毎回ゲストを招き、「映画にまつわる28の質問」からゲストに数問選んでいただき、映画にまつわる人生の記憶や思い出、好みや妄想についてお話しを聞いていきます。
■第2回ゲスト
中本陽子さん(ピアニスト)
https://www.instagram.com/yoko_nakapf/
ありがとう、京都みなみ会館/パリ在住ピアニストたまちゃん/パリ同時多発テロの夜とその後/うちらなんであんな映画観たん?/黒澤映画とコーカサス地方の音楽/映画史上初の映画音楽を演奏/真夜中のNHKドラマ/シーモア先生、人生の教え/遠くへの旅、内面の旅
以下、右下の▶︎をクリックで聴けます。
京都みなみ会館はこちら
https://kyoto-minamikaikan.jp/
■聴きかた
◎このサイトから聴く
最新の放送回から順にアーカイブしています。▶︎をクリックで聴けます。
https://cinemastudio28.tokyo/cinemaradio28
◎stand.fmで聴く
<Webから>
stand.fm/Cinema Radio 28チャンネルより放送回の▶︎をクリックで聴けます。
https://stand.fm/channels/627530b7fd1be6fc4649d435
<アプリから>
アプリストア(AppStore / Google Play)よりアプリを無料ダウンロード、Cinema Radio 28を検索してください。
海外からもアプリ利用・聴取可能です。
■Music
オープニング・エンディングの音楽はジャズベーシスト・川本悠自さん演奏のMoon Riverです。Youtubeで是非どうぞ(Youtubeはこちら)
Weekly28/祇園会館/1月
あっという間に1月も終わるので、滑り込みで記録を書いてます。
2023年、劇場初めは映画館ではなく、お笑いの寄席で。東京に戻る前に寄ったよしもと祇園花月。八坂神社の斜め向かいあたりにある古い建物・祇園会館の中にあり、学生時代、ここが名画座だった頃によく通っていた。2本立てで出入り自由の緩い運営だった。
時は流れて、ものすごく久しぶりに祇園会館の中に入ったのだけれど、これがもう….何ひとつ昔と変わっておらず、変わらなさに薄ら怖さすら感じた。不思議な柄の緞帳も客席のシートも、今どき和式のトイレすら、何も変わっていない。
時空が歪むとはこのこと。去年の秋、東京国際映画祭で久しぶりに上映されたツァイ・ミンリャンの『楽日』を観たのだけれど、あの映画の中の映画館に迷いこんだようだった。祇園会館は座席数も多い、巨大なホールであることも『楽日』そのものなんである。
『楽日』
https://2022.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3504WFC14
翠子さんのこの回を読んで、また観たいと思っていた
https://cinemastudio28.tokyo/kumonouede_001
お正月らしく人気の芸人ばかり出てくる寄席で、笑いながらもずっとぞわぞわした。そういえば有楽町の有楽座も、映画館だったのが現在はよしもと有楽町シアターとしてお笑いの劇場になった。よしもと祇園花月も、よしもと有楽町シアターも、内装を何ひとつ触らず(=お金をかけず)陣地拡大するかのように劇場を増やしていくのは、さすが吉本興業の抜け目なさだけれど、どちらの劇場も出演する芸人さんたちが「客席の笑いが舞台に聞こえづらい」「会場が重い」と、やりづらさを口にするのをよく聞く。
これって劇場の構造がそもそも映画用(祇園会館は祇園踊りの会場でもあるので、踊りの発表用でもある)…つまり客席の反応次第で演目・出し物が可変する可能性が低い/ない見世物向きの劇場であって、映画のような複製芸術にはぴったりだけれど、お笑いのような客席とのやりとりによって漫才のネタが変化したり調整したりするような見世物には向いてない、ということなのかな。
在りし日(映画館時代)の祇園会館についてはこちら。映画上映は2012年3月で終了。
http://www.cinema-st.com/classic/c014.html
<最近のこと>
実に3年ぶりに帰省。初詣は春日大社。敷地は広いけれど境内は広くなく、コロナ禍の入場規制でなかなかの時間待った。
鹿たちも元気で何よりです!心なしか子鹿ちゃんがたくさんいたように思うけれど、観光客が減ってのんびり過ごした結果、たくさん子鹿が生まれた、などかしら。
2020
新年あけましておめでとうございます。
ついにオリンピック・イヤー到来。否応なしにカウントダウン・ムード高まる東京から今年もマイペースに28を更新できればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
2020年最初のお買い物は、かぎや政秋の益寿糖。いこさん連載『彼方からの(甘い)便り』の『猫が行方不明』の回で登場したお菓子で、 当時いこさんにお送りいただいて食べてみて、味も食感も気に入ったけれど百万遍まで買いに行くのはハードル高い…と考えていたところ、京都駅の土産物ゾーンで慎ましく静かに売られているのを発見。場所をちゃんと把握してないけれど、ハーベス京銘館だったかな。
https://www.gnavi.co.jp/kinmei/shop.html
一度食べて気に入ったならば、時折無性に益…益寿糖をくれ…(よれよれと手を伸ばしながら)って禁断症状が出る系のお菓子です。
いこさん連載『猫が行方不明』の回はこちら。懐かしい!
https://cinemastudio28.tokyo/happyhourfromkyoto_004
新年最初の日記がこんなライトめで良いのかな?と思いつつ、ま、いっか!と更新。今年は書く私は軽く書けて、読む方々はサクッと読めるよう、文字数上限決めて短く日記を書くつもり。新年の誓い。
新刊
移動の新幹線で、西川美和監督の新刊が出たことを知り、京都に着いたら買おう、と決めていた。四条通りのジュンク堂で購入。ジュンク堂のゾーニング、私が学生の頃から、まるで変わっていないように思う。東京にも京都にも個性的な書店はあるけれど、棚から店主の嗜好や自意識が漂うのを察知すると疲れを感じるようになったので、最近は何でも無節操に揃っている大型書店をふらふら歩くほうが断然好き。
新刊『遠きにありて』はスポーツ雑誌Numberでの西川監督の連載をまとめたもの。断片的に読む機会はあったけれど、毎号手にする雑誌ではなかったので、書籍になると嬉しい。
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163909486
帰りの新幹線で開き、カープ優勝の年に書かれた「どうして広島東洋カープは、こんなにも人生そっくりなんだろう」を読むと、うっかりさめざめと泣いてしまって、満席の車両で隣に座っていた、私の知らない言語で話す家族に少し驚いた表情をされたよよよ。少しずつコツコツ読むつもり。
西川美和監督については、映画より文筆家としてのほうが好き。
search/サーチ
冬の不忍池、枯れた蓮。足を踏み入れてはいけない場所に来てしまった感を味わえる、あちらとこちらの境目のようなところ。
映画初めに出町座で観た『search/サーチ』、全編PC画面上で物語が進行し、facebookやinstagram、youtubeなどSNSが主役のように登場する映画ということで、楽しみにしていた。パソコン通信を題材にした1996年の映画『(ハル)』が、現在観るとノスタルジーに溢れているように、こういう題材の映画は公開時にビシッと観ておくのが正解だと思う。映画館でそれなりに大勢の人と一緒に観たけれど、しばらくして配信される頃、PC画面で観るのも臨場感ありそう。
母親が亡くなり、父ひとり娘ひとりになったアメリカに暮らす韓国系の家族。娘と連絡がとれなくなり、父親は血眼で娘を探し始める。家族共用で使っていたPCを娘のアカウントでログインし、鍵のかかったSNSアカウントにも次々にログインすると、知らなかった娘の一面が明るみになり…という物語。
題材は現代のものだけれど、謎めいた手がかりをもとに娘の行方を追う展開はクラシカルなミステリー、というバランスが見事で最後まで一気に引き込まれた。監督は元Google勤務、マイケル・ナイト・シャラマンに影響を受けたインド系の20代というプロフィールも面白い。次にどんな映画を撮るのかな。
十分に気を配って生きていても、他者から自分に寄せられる好意も悪意もコントロールできない、という事実の再確認を含め映画は存分に楽しんだけれど、この物語の場合は父親がITリテラシーの高い人物であることが事前に描かれていたので、娘のSNSパスワードを鮮やかに解読していく場面も違和感なく受け入れられたけれど、あの手法を使えば誰かに私のパスワードもあっけなく解読されるだろうことを目の当たりにして薄ら恐ろしい。
それから、あっけなく自分がいなくなってしまった後、金融機関への手続きなどは家族が担ってくれるのだろうけれど、私の不在を私を知る人々にどうやって誰が伝えるのだろう、私の周りにおいては私しか話さない言語でのみ繋がっている長い友人もいるのに、と不意に考えてしまった。先回りして身の周りを整えるべし、と気を引き締められた点においては案外、年初に観るのに相応しい1本だったのかもしれない。
映画初め
1月3日。映画初めは京都・出町座。
前身の立誠シネマ閉館は残念だったけれど、出町柳界隈に映画館ができるの、便利でありがたいと思う人は多いのでは。高校時代、毎日出町柳で乗り換えていたので、あの頃にあったなら放課後に通い詰めていたと思う。
元町映画館(神戸)に行った時も商店街の中にあるのがいいな、と思ったけれど、出町座も出町商店街の中にあって、生活感漂うのが良い。豆餅で有名な「ふたば」からも徒歩2分。
中は広くはないけれど映画館は地下と2階、1階はカフェと本屋。映画本が充実していた。勝新の対談集、買おうとしてやめたけれど、未読本を読み終えたら読もう。
映画初めは、見逃していた『search/サーチ』を観た。
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