ブランクーシの鳥/近況
お久しぶりです。東京は真夏日。水分、塩分。
会期終了間際ということで、アーティゾン美術館のブランクーシ展に。こんなに大量のブランクーシを浴びるのは、ずいぶん前、初めて行ったパリでポンピドゥー・センターの前にあるブランクーシのアトリエに何はなとくも行くべし、と言われて行って以来。自分はいつか彫刻を観ることにハマるのではないか?と思っているけれど、ブランクーシ、いろんな角度から立体を眺めるシンプルな楽しみに満ちていて素晴らしかった。
鳥類のシリーズが特に好きだった。鳥的要素が削ぎ落とされているのに、どうしても鳥にしか見えない、影まで美しい鳥たち。自分の家に美術を飾るなら?お金に糸目はつけず考えてみよう!の空想が好きなのだけれど、ブランクーシの鳥はかなりリストの上位に入る。
間もなく終了ですが…おすすめです。7/7まで。
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/brancusi/
【最近のこと】
長らく所属した会社を辞め、9月より新しい会社に転職することを決めました。さすがに人生の大一番だったので、日記を書かなかった理由はこれです。間もなく最終出社で、その後は怒涛の大型連休の予定。東京にいたり・いなかったりですが、普段よりスケジュールに余裕があるので、滅多にお会いできない方にもお会いしたいです。楽しみな夏休み!
回復?
体調、ほぼ回復。
GW最終日から喉痛・微熱があり、風邪かな?と市販の風邪薬を服用。薬が切れると熱が上がるので、内科を受診。コロナ、インフルエンザどちらも陰性で、風邪と診断され解熱剤を処方される。数日経過、回復せず咳はひどくなったので再び受診すると、あれよあれよとCTでスキャンされ(町医者ながらCTもある設備充実のかかりつけ医なのです)、肺に炎症がありますね、肺炎です、と診断された。
肺炎といってもおそらく軽度で抗生物質と咳や痰対策の薬が処方され数日で症状改善し、現在に至る。あと少し喉の奥に痰があるのと時々咳が出るだけになった。疲れないように配慮して日常生活は普通に送ればいいとのことで、ゆっくり仕事する以外、何もしないことを心がけていた。あと2週間抗生物質など薬を飲み続け、最後にCT検査で回復を改めて確認するとのこと。熱は最高で一瞬だけ38.3度、だいたい37.5度〜36.8度を行ったりきたり。疲れが蓄積して低気圧の日に、それぐらいの微熱が出ることもあるし、なかなか紛らわしい。
久々に「何もしない」ことを頑張ったので、ずいぶん頭が冴えている。でも、ここで一気に元の生活に戻すと負荷がかかりそうなので気をつけていく。肺炎、流行しているようで院長先生曰く「ちょうど、ひとり前の患者さんも同じ症状だったんですよ」とのこと。皆さま、お気をつけください。
映画館にはGW終盤に『無名』を観て以来行っておらず、5/24から公開の『関心領域』から、そろりそろりと復帰しようと思ってます。
https://happinet-phantom.com/thezoneofinterest/
写真は処方箋薬局の近くにあり療養中に何度か行った名物パン屋・リバティ。レトロなパン、可愛いだけじゃなくて美味しいんです。火曜は10%オフ!お昼前の時間ならパンの種類も豊富で選び放題だったので興奮。お会計の時に思わず「この時間ならこんなにたくさんあるんですね!」ってレジの方に話しかけてしまった。「今のところはね〜まだあるよね〜」とのことでした。
しばらく日記は休み休み書きます。
無名
ヒューマントラスト有楽町で。トニ―・レオン主演『無名』を観た。
1941年、上海。日本の傀儡である汪兆銘政権のもとで、フーは諜報機関に所属している。彼は、部下のイエと共に汪兆銘政権に忠誠を誓い、敵対する中国共産党勢力と熾烈なスパイ戦を繰り広げる。
あらすじだけ読むと『ラスト、コーション』(2007年/アン・リー監督)を連想し、当時の上海が舞台なら美術や衣裳も楽しみと思っていたけれど、何人か女性は登場するものの基本は男たちの物語で、クリストファー・ノーラン的に時系列を自在に入れ替える編集、1930〜40年代の共産党・国民党・日本軍の歴史理解、言語は普通話・上海語・北京語・日本語が混じり、ひとりの人物がどの軍に属しているか把握したかと思えば寝返り、日本人だけではなく中国人も日本語を話し…と、人物の印象も関係性も刻々と変わる、そのスリリングな変化を楽しむ映画で、予習とは言わずとも「汪兆銘政権」の歴史はwikipediaで読んでおくほうが良いかもしれない。
一度観ただけの私は完全に物語を掴んだとは思えず(最近そんな映画が多いですね…)、けれど最後の数分まで辿り着くと『無名』の魅力をきちんと浴びた気持ちになった。理解は脇に置いてトニ―・レオンともう一人、主役級の若い俳優ワン・イーボー(王一博)の存在感が時間の経過とともにスクリーンの中央を支配して離さない。新しいスターの誕生を目の当たりにした!彼こそ新星!と画面のどこにいても目を奪われてしまう。久しぶりに観たな、映画の中であんなにキラキラした人を。キラキラした役でもないのに…。
ワン・イーボーはアイドルグループのメンバーとしてデビューし歌、ダンス、ラップもできるらしい。『無名』の最後には彼自身が歌う物憂げなメロディーの主題歌『無名』が流れ、歌も上手い。私にとって眉目秀麗というわけではないけれど、スター誕生の清々しい気持ちを感じさせてくれてありがとう、の気持ちでトニ―・レオンの映画を観たというのにトニ―・レオンの印象が薄いまま映画館を出た。時間が経った後に、もう一度観たい。
マンホール
上野公園に歩いて向かっていると、東京藝大近くのマンホールが足元から主張してきたので、立ち止まってみると漫画『ブルーピリオド』柄だった。バリエーションあり。さらに他にもあった。
漫画を読む習慣がなく、最近だと『ブルージャイアント』など、映画化された時に筋書きを知ることばかりだけれど、『ブルーピリオド』は漫画好きな麒麟・川島さんが、自身のマネージャー(吉本興業の社員)に薦めたところ一気に『ブルーピリオド』にドハマリし、マネージャー業も続けながら週末に美術系予備校に通い、1年で東京藝大に合格した…!それまで絵を描いたことがなかったのに…!ってエピソードが強烈で覚えている。芸術ってそれぐらい勢いやエネルギーの持続が必要だよなぁと思った。
Cinema memo : 6月
GW最終日から喉痛と微熱があり、最近身近でインフルエンザに罹った人と似た症状だから戦々恐々として内科で検査してもらったら、インフルエンザでもコロナでもなく、風邪だった。医師曰く「最近どれも症状が似てるんですよね…」とのこと。確実にどちらかだろうと思っていたので拍子抜けして「え!では…普通に生活していいってことですか…?」と聞いたら、「はい!」とのことで、マスクをして普通に生活している。ロキソニン60mgをもらい、微熱はほぼ平熱に落ち着き、時々派手な咳が出る感じ。喉はやくなんとかしたい。
ちょっと先の映画の公開情報って、記憶も流れていってしまうから私はここにCinema memoとして書き留めて時々見返してるのだけれど、diaryを読んでいる人にも参考になっていると知って嬉しい。
おっ!と思ったのは6/8(土)〜6/14(金) 下高井戸シネマで、日替り上映『夜明けのすべて』公開記念 三宅唱監督特集。ラインナップ大充実!滅多に上映されず配信もない作品多し。私の推しの『THE COCKPIT』も観てほしい。下高井戸、東京東側の住人としては、かなり東京を横断する移動になるので行けるかどうか微妙だけれど…
http://www.shimotakaidocinema.com/schedule/schedule.html
『やくたたず』 ※同時上映
『NAGAHAMA』/『八月八日』※
『Playback』
『THE COCKPIT』
『密使と番人』
『ケイコ 目を澄ませて』
『ワイルドツアー』
『きみの鳥はうたえる』
三宅唱監督、何かのインタビューで北京含む中国の数カ所で特集上映されたと話されていて、あんな娯楽の限られた埃っぽい北京で(埃っぽいは関係ないが)?三宅唱作品が上映されるなんて…と感慨に耽ったけれど、監督いわく「ニッチな趣味を持つ人がいくら人口比率からは少数派だとしても、中国は人口が桁違いに多いので、けっこうな母集団になる」的な(意訳)ことを言っており、なるほど!と腑に落ちた。あんな埃っぽい北京で不意に三宅唱作品を知ってしまうと、カラカラに乾いた心身に(乾燥してるから)潤いが染み渡る気持ちになるだろうなぁ。
新緑
GW後半は夏みたい。新緑がもっさもさしてる。近所の大学こと東京大学本郷キャンパスを、我が広い庭のような気持ちで活用して暮らしているのだけれど、桜が散り躑躅が枯れはじめ、ものすごい緑。『悪は存在しない』みたい〜と撮った1枚。
室内にいるのがもったいない気候なので、家ですることを外に持ち出すことにして、本郷キャンパスのテーブルと椅子が置いてあるテラス席で日記を書いているのだけれど、隣のテーブルが2組の中国人家庭で、おそらく両親とその子供が2セット。観光客ではなく暮らしている雰囲気で、会話は標準語に近い中国語が95%、5%は簡単な日本語の単語が混じる。話題も「先生が〜」と学校生活のことで学友なのかも。隣から聴こえてくるのでヒアリングがてら聴いてしまってすみません。
で、最近読んだニュースを思い出した。中国からわざわざここ文京区の小学校入学のため移住してくる家族が増えており、文京区の中でも名門小学校と名高い公立の学区を指定して不動産を探している、と。隣のテーブルの家族、おそらくこういう方々ではないか。ニュースで見た人々が隣に!私も「異国に暮らす外国人」の経験があってネガティブな気持ちは特になく、世相は刻々と変わっていくので、教育現場も変化が求められているんだろうな、と思った。
本郷キャンパス、1年を通じて5月が一番美しいので、混んでおらず静かで緑あふれる場所を求めている方におすすめです。
「学力高い」都内の中国人、文京区の小学校に“爆入学” 中国SNSで“3S1K”が話題に
https://news.yahoo.co.jp/articles/56f52f0cc05712f4a8cad500ca7ae203194c1838
御徒町で降りて吉池
5月3日、横浜シネマジャック&ベティへ。サイレント映画ピアニスト柳下美恵さんの「ピアノ&シネマ2024」のEプログラムを観た。個別の映画の感想は別に書くので、Cinema Studio 28 Tokyoアシスタントペンギン(AP)のリポートをinstagramに載せたのでまずは参照されたし。
https://www.instagram.com/p/C6h9_f-vzqU/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==
快晴でこの上なくちょうど良い気温の横浜をぶらぶらし、JR関内駅から乗ったのが多少時間はかかるものの直通で上野に停まる電車で、「わぁ!御徒町で降りて吉池に寄って帰ろうかな!」って最高帰り道プランを披露したら、隣にいた見知らぬご婦人が、ふふっと声に出してお笑いになった。?とご婦人のほうを見ると「私もまったく同じことを考えてました」とおっしゃったので、あまりの偶然にわぁ!と和やな車内の空気感の醸成に寄与することに。
その電車は途中、線路に人が入りそのままお散歩したことによる停車(どういうこと?)や、ぼんやり御徒町を通り過ぎてしまい慌てて上野で降りるなど不意の事案が発生したものの、吉池には寄った。
吉池は御徒町駅すぐにある新潟系のスーパーマーケット。水族館か市場か?と見紛う新鮮な魚介、越後の地酒などがずらりと並ぶ。どの売場も圧巻で、地下1階エレベーター降りてすぐの海鮮お惣菜が並ぶ棚と地下2階のワンカップ酒が並ぶ棚が特に好き。少量ずつ買えるし、選ぶのも楽しい。
昨日は魚沼の「雪男」という地酒を買った。雪男がスキーしてるカップデザイン可愛い!
東京はどこも外国人観光客でごった返しているけれど、吉池はまだ平和な雰囲気。観光地化した築地より安くローカル感もあって楽しいはず、でも混んでほしくないので大きな声では言いたくない。
https://www.yoshiike-group.co.jp/
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