【本日更新】Cinema on the planet 009 山形国際ドキュメンタリー映画祭2017
ご無事でしょうか。東京都心、私は無事です。台風19号の被害に遭われたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。
映画にまつわる場所を巡るリレー連載Cinema on the planet、本日更新しました。第9回は主宰・辻本の山形旅行記。山形国際ドキュメンタリー映画祭は隔年開催でまさに今、2019年度を開催中ですが、前回(2017年)参加した時の記録です。
映画って縁もゆかりもない他者を間近で観察できてしまう不思議な時間だと思うのですが、はるばる山形まで出かけ、20時間近く映画を観たけれど、色濃く覚えているのは映画館の外での30分間の出来事で、それを記録しておきたいと思いました。あの時間こそが映画だったんじゃないか、という気がして。
しぶとい残暑を大雨が洗い流し、東京はいよいよ肌寒くなりました。こちらからどうぞ、お楽しみください。
Cinema memo : 1月
新年に浮かれてたのが、ほんのちょっと前だなんて信じられないぐらい1月、なかなか慌ただしい。
されども観ねば、の映画メモ追加。
年末、地元であったので行ってみた映画と短歌にまつわるトークが滅法面白く、その際に紹介された映画『ひかりの歌』。ウユーロスペースで、2/1まで。
最近、渋谷から歩いてユーロスペースに向かうことが苦手になったので、歩行距離は長くなるけれど、代々木公園で降り、渋谷の奥から向かうことにしている。同じ場所にたどり着くのに、道中の気分がまるで違う。
一昨年、山形国際ドキュメンタリー映画祭で、山形県酒田市にあったグリーンハウスという映画館にまつわる証言集『世界一と言われた映画館』を観て以来、酒田市に興味を持っており、酒田の名物バーにまつわる、こちらのドキュメンタリーも観たい。ポレポレ東中野にて。
庄内空港で降りると、街に向かうバスは2種類あり、ひとつは酒田行き、ひとつは鶴岡行き。去年は鶴岡行きに乗ったので、今年は酒田行きに乗りたい。
鶴岡 SUIDEN TERRASSE
秋の旅行、山形県鶴岡市。行こうと思った理由は、偶然目にした建築の写真。
自然の中にぽつんと建つSF映画のような建物って好みだけれど、
*例えば、映画『エクス・マキナ』の舞台となったノルウェーのホテルのような…
http://www.juvet.com/the-juvet-hotel/the-hotel
こんな場所は非日常だからこそ映画のロケ地になるわけで、憧れているだけで機会はないんだろうな、と思っていたところ、偶然目にしたその建築は、私の求めるイメージに近いのではないか、と。鶴岡市がどこにあるのか知らず、調べてみると庄内空港からほど近く、ANAのマイルも消化を迫られていることだし、と、ひとまず予約。
遠くに山が見える。田んぼの中をひたすら歩く。チェックインして部屋に入ると、
こんな景色。右のドームはスパ&ジム。左のドームはこれからオープンする予定の子供用施設らしい。建築家・坂茂さんによる設計。
http://www.shigerubanarchitects.com/works/2018_suiden/index.html
館内のところどころにあるアートは何だろう?と思っていたら、坂茂さんは災害支援活動(紙管を活用した避難所の仕切りの提供など)でも名を馳せる方で、こちらは熊本の震災で被害に遭った家屋の瓦や瓦礫を再利用したアートとのこと。
部屋に持ち込んで自由に読める壁一面の本棚もレストランもスパもあり、一歩も外に出ずに療養するのにぴったり、と思ったけれど、鶴岡の街はクタクタになるまで歩かずにいられないほど魅力的だったのでした。
朝焼けはブルーオレンジ。
SHONAI HOTEL SUIDEN TERASSEという施設。真冬に滞在すると雪にすっぽり覆われ、非日常感が増すかもしれない。そんな季節こそお篭りに向いているかな。
https://suiden-terrasse.yamagata-design.com/
映画館訪問を含む鶴岡街歩きは、映画にまつわる場所を巡るリレー連載「Cinema on the planet」でまとめようと思います。去年の秋、ドキュメンタリー映画祭で山形市に行ったことから山形との縁がひとりでに生まれた気がしてるので、そちらも記録しておくべきかしら。
鶴岡
今月中に消化する必要のある夏休みを取得することにして、週末+αで旅に出た。
療養を兼ねたかったので、外に一歩も出ずとものんびり楽しめそうな宿を選んだはずだったのに、街について調べるうちに魅力的な映画館があることがわかり、古い教会や博物館、食事も素晴らしそうなことを知り、街に出るとあちらもこちらも気になって、気がつけば毎日12kmほど歩き回っていた。温泉にも入り、すっかり元気。
庄内空港からほど近い山形県鶴岡市、お隣の酒田市とあわせた庄内エリアは『おくりびと』や『たそがれ清兵衛』、最近では『殿、利息でござる』など、ロケ地として頻繁に登場する映画の街だった。映画村もあるらしい。
旅行中、一度行けたらいいな、と考えていた「鶴岡まちなかキネマ」では2日連続で映画を観た。
宿(昨月オープンした建築方面で話題の宿/詳しくは追って)に泊まることだけが目的だったのに、1ヶ月前には何も知らなかった街のことをあっという間に気に入るなんて、旅の理想では?徐々に旅日記を書いていきます。
ポロシャツ
去年の秋、山形国際ドキュメンタリー映画祭に行った時、はるばる遠くまでドキュメンタリー映画祭に来ておきながらなんですが、きっとドキュメンタリーばかり連続して観るのは私の好みに合わないだろうからって、息抜き息抜きって、山形駅を超え、ソラリスという名の映画館で、レイトショーで「アウトレイジ最終章」を観たの最高だったな。あの日が公開初日だったはず。旅先で観るヤクザ映画の染みること。
大杉漣さんの映画、最後に観たの何かなぁ…と思い出して、あの山形の夜のアウトレイジだった。あの映画、あのメンツの中での敢えてのポロシャツ姿。何気ないけど印象的な衣装とはあのことだ。亡くなったなんて、まるでピンとこない。
と、書いて1時間ほど別の作業をしていたらメールが舞い込む。古い友人からで、大杉漣さんが亡くなったと聞いて驚き、ショックを分け合おうと思ってメールした、とのこと。私が大杉漣さんについて熱く語っていたのを印象的に覚えていたらしい。熱く語った記憶がさっぱりない…人に与える印象とは不思議なものですね。けれど、大好きな俳優さんでした。私にはやっぱり北野映画の印象が強いです。
秋だけど
山形、文翔館の壁紙。
文翔館は旧山形県庁だった煉瓦造りのクラシカルな建物。無料開放されている。
http://www.gakushubunka.jp/bunsyokan/
ここに行ってみたかったのには理由があって、大切に着ているmameのお洋服、2015年秋冬のブルーのジャガードのワンピースが、文翔館の壁紙にインスパイアされて作られたと読んだから。いわば洋服のロケ地巡り。文翔館、部屋ごとに壁紙のバリエーションが違い、あれかな?これかも?と現場写真をパチパチ撮ったので、デジカメのメモリが壁紙写真で埋まった。
http://www.mamekurogouchi.com/
着古したものを処分する一方で、買いに行く時間が取れなくて、フランス人は10着しか服を持たない的状況に陥っている。秋だけど。
最近では「ポルト」の女優さんのファッションが素敵だった。シンプルで、きちんと年相応で、痩せすぎておらず肉感的で、奇抜なものは何も身につけてなく、とても女らしかった。ほとんど男と女が1人ずつしか登場しない映画の、スクリーンにおける「女」の役割を1人で充足する佇まいで、装いがそれを十全に説明していた。
焼失・映画館
東京はグッと気温が下がり冬のよう。衣替えも済んでいなくて、秋の服装にクローゼットで目についたカシミヤのカーディガンをひっかけ家を出る。軽くて薄いのにぬるま湯に浸かるような暖かさで、山羊さん…ありがとう…。昨日、長い小説をひとつ読み終えたので、他に借りてあった文庫本を鞄に入れた。
山形で最後に観た映画は、山形県酒田市にかつてあり、焼失したグリーンハウスという映画館についての証言集。会場となった山形美術館のロビーでは、在りし日のグリーンハウスで配布されていた「GREEN YEARS」というリーフレットが宝物のように展示されていた。
映画を観て興味を持ち、「世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか」という本を読み始めた。
私が映画だけではなく、どこで観たか、映画館についてもなるべく記録するようにしているのは、そこに通うことが私の日常の一部で、けれど失われやすい場所だと知っているからです。
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