Cinema memo :ホン・サンス
お久しぶりです。暑い。
5月に患った肺炎、1ヶ月経過したら再びCTを撮り他の病気の可能性がないか見たいとのことで昨日診察に行き、先生に「完治したと言って良いでしょう!」と言っていただきました。やったー!CT技師の方が『アンメット』の三瓶先生ふうアンニュイな雰囲気の人で、あ、三瓶先生!と思ってしまう。
バタバタしていて様々な映画を見逃しているけれど、今月末からのホン・サンスの新作が楽しみ。
『WALK UP』、6/28から。
https://mimosafilms.com/hongsangsoo/
あと、墨田区菊川の映画館Strangerで同時にあるホン・サンス特集、ずっと観たかった『映画館の恋』がかかる…!これまで東京の映画館で上映されたことあるのかな?私の知る限りはなかったはず。貴重!菊川に行くルートを何度か検索するけれど、東京東側の住人としても、それなりに移動時間がかかり、これまで躊躇していた。今回はスケジュールが合いますように。
https://stranger.jp/movie/3562/
ファンダム
この下の日記で映画『無名』出演のワン・イーボー(王一博)について書いたら、熱烈なワン・イーボーファンの皆さんにたくさん読んでいただき、普段スターが出る映画をあまり観ないし、監督も俳優も既にこの世にいない古い映画をよく観ることもあって、私にとって珍しく面白い現象として一連を眺めていた。
そして興味深いことに、日記を読んだワン・イーボーファンの方が私の書いた日本語を英語に翻訳し、英語圏のファンの皆さんにも拡散したっぽいこと。何が起こってるの…!
???? | #HiddenBlade_Review from Cinema Studio 28 Tokyo
The strong presence of Tony Leung and another young leading actor, #WangYibo, dominate the center of the screen as time passes. I witnessed the birth of a new star! He is a rising star! No matter where you are on the screen,… https://t.co/mu3CpxwPZB
— wang yibo archive (@wyiboarchive) May 13, 2024
一応、元の文章を書いた本人として、英語でどう訳されたのかチェックしてみた。
<英語>
The strong presence of Tony Leung and another young leading actor, #WangYibo, dominate the center of the screen as time passes. I witnessed the birth of a new star! He is a rising star! No matter where you are on the screen, your eyes will be captivated. It’s been a while since I saw someone so sparkling in a movie even though it’s not a glittering role.
Wang Yibo debuted as a member of an idol group and is said to be able to sing, dance, and rap. At the end of the movie, the theme song, a melancholy melody sung by himself, is played, and he sings it well. I watched a movie with a feeling of gratitude for making me feel the refreshing feeling of the birth of a star. I want to watch it again after some time has passed.
<日本語>
トニ―・レオンともう一人、主役級の若い俳優ワン・イーボー(王一博)の存在感が時間の経過とともにスクリーンの中央を支配して離さない。新しいスターの誕生を目の当たりにした!彼こそ新星!と画面のどこにいても目を奪われてしまう。久しぶりに観たな、映画の中であんなにキラキラした人を。キラキラした役でもないのに…。
ワン・イーボーはアイドルグループのメンバーとしてデビューし歌、ダンス、ラップもできるらしい。『無名』の最後には彼自身が歌う物憂げなメロディーの主題歌『無名』が流れ、歌も上手い。私にとって眉目秀麗というわけではないけれど、スター誕生の清々しい気持ちを感じさせてくれてありがとう、の気持ちでトニ―・レオンの映画を観たというのにトニ―・レオンの印象が薄いまま映画館を出た。時間が経った後に、もう一度観たい。
まず『無名』についての日記は前段いろいろ書いているけれど、おそらく『無名』はとっくに鑑賞済のワン・イーボーファンの中での情報共有だから、ワン・イーボーについて書いている部分だけ訳されている。
「私にとって眉目秀麗というわけではないけれど」という表現が訳されておらず、私はこれを「映画の中での存在感は素晴らしかったが、私はワン・イーボーの見た目のファンではない(=好みとは違う)」という意味を含んで書いたけれど、ワン・イーボーファンの中でそれは共有不要と判断したのか、単に訳し方がわからずカットしたのか、どちらか。
この箇所を除くと、Google翻訳にほぼ忠実な英文なので、いったん自動翻訳→意味の通じない箇所をカットして載せたのだと思う。
自分の「推し」の日本の観客への受容まで熱をもって追いかけるなんて、ファンダムというのは凄い。なるほど強い経済圏を形成するはずである。日本にも熱心なファンがいるようだし中華圏の人口は桁違いだから、中華スターの威力というものを軽い気持ちで書いた日記で思い知ることとなった。
無名
ヒューマントラスト有楽町で。トニ―・レオン主演『無名』を観た。
1941年、上海。日本の傀儡である汪兆銘政権のもとで、フーは諜報機関に所属している。彼は、部下のイエと共に汪兆銘政権に忠誠を誓い、敵対する中国共産党勢力と熾烈なスパイ戦を繰り広げる。
あらすじだけ読むと『ラスト、コーション』(2007年/アン・リー監督)を連想し、当時の上海が舞台なら美術や衣裳も楽しみと思っていたけれど、何人か女性は登場するものの基本は男たちの物語で、クリストファー・ノーラン的に時系列を自在に入れ替える編集、1930〜40年代の共産党・国民党・日本軍の歴史理解、言語は普通話・上海語・北京語・日本語が混じり、ひとりの人物がどの軍に属しているか把握したかと思えば寝返り、日本人だけではなく中国人も日本語を話し…と、人物の印象も関係性も刻々と変わる、そのスリリングな変化を楽しむ映画で、予習とは言わずとも「汪兆銘政権」の歴史はwikipediaで読んでおくほうが良いかもしれない。
一度観ただけの私は完全に物語を掴んだとは思えず(最近そんな映画が多いですね…)、けれど最後の数分まで辿り着くと『無名』の魅力をきちんと浴びた気持ちになった。理解は脇に置いてトニ―・レオンともう一人、主役級の若い俳優ワン・イーボー(王一博)の存在感が時間の経過とともにスクリーンの中央を支配して離さない。新しいスターの誕生を目の当たりにした!彼こそ新星!と画面のどこにいても目を奪われてしまう。久しぶりに観たな、映画の中であんなにキラキラした人を。キラキラした役でもないのに…。
ワン・イーボーはアイドルグループのメンバーとしてデビューし歌、ダンス、ラップもできるらしい。『無名』の最後には彼自身が歌う物憂げなメロディーの主題歌『無名』が流れ、歌も上手い。私にとって眉目秀麗というわけではないけれど、スター誕生の清々しい気持ちを感じさせてくれてありがとう、の気持ちでトニ―・レオンの映画を観たというのにトニ―・レオンの印象が薄いまま映画館を出た。時間が経った後に、もう一度観たい。
エッグタルト
ポルトガル菓子のこと書いたら、予約でもなかなか買えないらしいエッグタルトを俄然食べたくなった。写真はマカオで一番有名な店でテイクアウトし、ホテルの部屋で食べる直前。エッグタルトからしか摂取できない歓びは確かにある。
ポルトガル→マカオ→中華圏で思い出した。トニ―・レオン主演『無名』、間もなく公開。1940年代上海が舞台とのことで、美術や衣裳も楽しみ。5/3から。
初日初回
濱口竜介監督『悪は存在しない』、Bunkamura Le Cinema渋谷宮下で初日初回で観てきた。上映後に監督も登壇したトークつき。ロビーの隙間収納みたいな目立たない一角に飾られたベネチア映画祭銀獅子賞。
この映画について、すぐ感想が出てくる人がいるのだろうか?一度ラストまで見届けし者として、記憶を抱えた状態であと2回は観たい。過去作『不気味なものの肌に触れる』(2013年)が好きで、最後に来たるべき続編『FLOOD』を待たれよ!と続きが示唆されて終わる1本なのだけれど、『悪は存在しない』は続編ではないものの、似た不穏さがあって嬉しかった。
5月に新文芸坐で『初期の濱口竜介』という直球な特集上映があり、この5本がかかる。
PASSION(2008/115分)出演:河井青葉、岡本竜汰、占部房子
永遠に君を愛す(2009/58分)出演:河井青葉、杉山彦々、岡部尚
THE DEPTHS(2010/121分)出演:キム・ミンジュン、石田法嗣、パク・ソヒ
親密さ(2012/255分/途中休憩あり)出演:平野鈴、佐藤亮、田山幹雄
不気味なものの肌に触れる(2013/54分)出演:染谷将太、石田法嗣、渋川清彦
https://www.shin-bungeiza.com/schedule#d2024-05-08-1
『悪は存在しない』を観るにあたって観るべき過去作がラインナップされている。『PASSION』や『THE DEPTHS』の要素も新作に繋がってる。過去作を観るためには映画館に行く必要がある、というのも良い。
古参ファンみたいな書き方をしてしまったけれど、何もインプットせずに観ても『悪は存在しない』は面白い。東京と地方のタイムラグなく、ほぼ同時にミニシアターで公開されるのも、この映画に合っている。
今日のトークの様子はこちら
https://eiga.com/news/20240426/21/
GW
一足早めにGWに突入。東京近辺にいます。濱口竜介監督『悪は存在しない』、さっそく予約。
濱口監督の商業デビュー作『寝ても覚めても』(2018年)、エキストラ募集をしていたので連絡し、都内某所の撮影現場で演出風景を間近で見られたの良い想い出です。「3月11日、震災の日の帰宅難民」の群衆として参加したけれど、映っていなかった。丸一日かかったのに映画になるとほんの一瞬で、映画を撮ることの果てしなさを思い知った。写真は私自身の3月11日を思い出しながら着るものを準備して、要るかな?と一応持っていった手袋。と、配っていただいた水。
若葉
立て込んでいて映画館が遠い時期だけど、朝ドラに大河、ドラマが面白くてありがたい。今クール、民放で唯一観ているのが『アンメット』で、映画館以外の場所で、若葉竜也が観られるなんて贅沢だな!お金払わなくていいの?の気持ち。
ayaさんゲスト回のラジオで、「東京生まれ東京育ちが選ぶ東京らしい映画は?」の質問へのayaさんの回答が今泉力哉監督『愛がなんだ』で、その理由もとても納得できるものだった。その流れで話したことを、自分が喋りすぎてると思って編集でカットしたけれど今泉監督作常連俳優の若葉竜也が、特に20代後半〜30代前半ごろの私の周囲にいた「東京の男性」そのものという会話で、ほんとうに佇まいの自然さにいつも驚く。特に『街の上で』の若葉竜也が、私の記憶から出てきたのかな?と思うほどだった。
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