ブランクーシの鳥/近況
お久しぶりです。東京は真夏日。水分、塩分。
会期終了間際ということで、アーティゾン美術館のブランクーシ展に。こんなに大量のブランクーシを浴びるのは、ずいぶん前、初めて行ったパリでポンピドゥー・センターの前にあるブランクーシのアトリエに何はなとくも行くべし、と言われて行って以来。自分はいつか彫刻を観ることにハマるのではないか?と思っているけれど、ブランクーシ、いろんな角度から立体を眺めるシンプルな楽しみに満ちていて素晴らしかった。
鳥類のシリーズが特に好きだった。鳥的要素が削ぎ落とされているのに、どうしても鳥にしか見えない、影まで美しい鳥たち。自分の家に美術を飾るなら?お金に糸目はつけず考えてみよう!の空想が好きなのだけれど、ブランクーシの鳥はかなりリストの上位に入る。
間もなく終了ですが…おすすめです。7/7まで。
https://www.artizon.museum/exhibition_sp/brancusi/
【最近のこと】
長らく所属した会社を辞め、9月より新しい会社に転職することを決めました。さすがに人生の大一番だったので、日記を書かなかった理由はこれです。間もなく最終出社で、その後は怒涛の大型連休の予定。東京にいたり・いなかったりですが、普段よりスケジュールに余裕があるので、滅多にお会いできない方にもお会いしたいです。楽しみな夏休み!
マンホール
上野公園に歩いて向かっていると、東京藝大近くのマンホールが足元から主張してきたので、立ち止まってみると漫画『ブルーピリオド』柄だった。バリエーションあり。さらに他にもあった。
漫画を読む習慣がなく、最近だと『ブルージャイアント』など、映画化された時に筋書きを知ることばかりだけれど、『ブルーピリオド』は漫画好きな麒麟・川島さんが、自身のマネージャー(吉本興業の社員)に薦めたところ一気に『ブルーピリオド』にドハマリし、マネージャー業も続けながら週末に美術系予備校に通い、1年で東京藝大に合格した…!それまで絵を描いたことがなかったのに…!ってエピソードが強烈で覚えている。芸術ってそれぐらい勢いやエネルギーの持続が必要だよなぁと思った。
新名所
所用あり、東京の新名所?麻布台ヒルズへ。今のところ日本で一番高いビルがこちら。帰り際は夜で、上の階にいたので東京タワーの上のほうと同じ高さだった。東京に暮らして長いけれど、真横からの位置で東京タワーを観るのは初めて。
展望フロアがあったけれど、今週から一般公開が終わったらしい。観光客らしき人が足止めをくらっていた。
ロビーにあったオラファー・エリアソンのアート。《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》(2023)だそうです。
スマート
いま一番好きな声の人ことヤーレンズ出井さんは文章も上手く、連載を読んでいる。
今月のはじめ女性芸人コンビ・ハイツ友の会が突如解散して悲しいと書いたけれど、出井さんの連載最新回で解散について触れられていた。「顔ファン」とは芸人の顔のファンのことで、「芸じゃなく顔が好きなのかよ」と時に冷ややかに見られがち。ハイツ友の会の解散時、女性ファンに感謝すると同時に「本当に”お笑い“が好きな男性」に限定して感謝を残したことで、顔ファン問題が狭い界隈で話題になった。出井さんの見解、お笑いに詳しくなくても読んでほしい。
大風呂敷を広げて考える、これからのお笑い界
https://wluck-park.com/special/21085
「男女ってのはいつだってそんなに対称じゃないし、男の真裏が女じゃない。日本とブラジルじゃないんだから。」は出井さんの美声で再生され、「みんなで二度とあんなことを誰にも書かせないようにしような。」は私が当事者なら泣いただろう。風呂敷で始まり風呂敷に終わる落語のような様式美。なんてスマートな視点と文章なのだろう。米津さんのインタビューといい、令和の男性はいいなぁ!と思うけれど、いつの時代もスマートな人はいるとも思う。エルンスト・ルビッチなんて100年前の映画でも令和に通じるスマートさを持っていたのだから。私は出井さんに『虎に翼』の感想を聞いてみたい。
写真は東京国立近代美術館で観た、芹沢銈介が装丁した獅子文六『可否道』。
近所
近代美術館で観た高梨豊の写真。1975年の本郷。「パンダパン」「うさぎや」「キリンレモン」と動物づくし。近所の昔の写真。上野が近いので、なにかとパンダを推しがちなの、昔からみたい。
朝ドラ『虎に翼』、脚本家は吉田恵里香さんで、NHKドラマ『恋せぬふたり』が面白くて毎週観ていた。
https://www.nhk.jp/p/ts/VWNP71QQPV/
高橋一生・岸井ゆきの主演でアロマンティック・アセクシャルの男女を描く物語だった。近所の昔の写真を観ていて思い出したのが『恋せぬふたり』で高橋一生が住んでいる古民家は近所(谷中)で、たびたびドラマや映画に登場する。
この場所。昭和初期に宮大工がつくった家。
http://studio-prestige.co.jp/nedu.html
で、ある時この家が売りに出され…驚いたことに…値段が6億3400万円!!広さ、都心の土地の高さ、建物代もあるのだろうけれど、いい感じの古民家…6億!常々思う、東京は地面を持ってる人こそ王者であると。
まだレンタルスタジオとして運営されている?様子からみると、売買を諦めたのか、売れていないのか。
余韻
桜が散ったと思えば一気に夏みたい!窓を明けて書いてます。夜風そよそよ。今年は桜の名所には近づかず、移動しながら道端の桜をたくさん観たの本当に良かった。桜コレクション2024。神保町、小学館の前の桜。
湯島天満宮の麓にある、小さな公園の桜。願わくば来年は、桜のついでに甘味処で食べたりしたい。
チェックしていた美術展を見逃したけれど、何か会期が終わる頃って、次に始まる時期でもある(ポジティブ)。
4月末から始まる都美の「デ・キリコ展」は逃さず観たいです。
遠い昔のかっこよくてしなやかな先輩たち
「椿と仔山羊」、1916年の辻永(つじ ひさし)の絵。山羊かわいい山羊。100年以上前の山羊。
https://www.momat.go.jp/collection/o00017
朝ドラ『虎に翼』、第2週も素晴らしかった。私が法律に興味を持った理由と、学んでいて面白かった記憶がギュッと詰まった週だった。「女子が法律を学ぶ」ことの最初期に、こんな苦悩があったなんて知らなかった。ありがとう、遠い昔のかっこよくてしなやかな先輩たち。
小林薫演じる教授が素敵だな、と思いながら、裁判員制度が施行される時、恩師の一人である方が書かれていたことを思い出した。
最近、裁判員のために刑法を解説する本などが出版されています。
私も執筆を依頼されましたが、お断りしました。
裁判員に選ばれたからといって、法律を勉強する必要はありません。
必要なのは、この国の行方に自分も参加するのだという志と、
一市民として、自分で考え、自分自身で判断するということです。
ですから裁判員に選ばれましたら、どうか楽な気持ちで参加していただきたいのです。
これって「リーガルマインド」という言葉のもっとも平易な説明では?
それでは、よい週末を!
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