赤い河

仕事をさっと切り上げ、オペラシティへ。谷川俊太郎展。
言葉って、こんなふうに立体的に見せることができるのか。あの空間がこの週末で終わってしまうなんて寂しい。谷川さんが影響を受けたあれこれの中に、映画ではハワード・ホークス『赤い河』(1948年)が挙げられていた。
詳しい感想は明日。展示は日曜まで。おすすめです。
http://www.operacity.jp/ag/exh205/
谷川さんの家にあるらしいあれこれが並ぶ棚にいたペンギン。目ざとく発見。
怖い絵展

お休みをとっていたので、夕方まであれこれ片付け、twitterで混雑状況を確認しながら18時前到着目指して上野まで散歩。大混雑の「怖い絵展」を観てきた。週末には入場に3時間待ちという人気。
月曜の中途半端な時間帯(主婦には遅く、勤め人には早い)を狙ったので、待ち時間10分ほどで入場。中は混んでいたけれど、絵を観られないほどではなかった。
恐怖を感じさせる絵を切り口に、宗教や歴史、風俗など、知っていた方が鑑賞の手助けになるキャプションがすべての絵につき、興味をそそるようなわかりやすくキャッチーなコピーも要所要所についている。
とても親切な展示で、だから人気なのだろうし、混雑した館内でキャプションをじっと読む人が大勢いるから、人の動きはゆっくりで滞留しがち。願わくば、ガラガラに空いた妖しい古城のような場所でのんびり観たいものだと思ったけれど、それなりに堪能。メインビジュアルになっている「レディ・ジェーン・グレイ
私が特に好きだったのは、最初の部屋にあった「ディアナとエンデュミオン」。女神ディアナが美しい羊飼いエンデュミオンに恋をし、死なせずに美しさを保つために永遠の眠りにつかせ、眠る羊飼いのもとを毎晩訪ね、抱きしめる、という絵。
美しい羊飼いと聞くと反射的にエリック・ロメール遺作「我が至上の愛 アストレとセラドン」を思い出すのだけれど、この映画、オノレ・デュルフェの小説「アストレ」を原作とし、パリの御婦人たちの間で大流行した物語というエピソードを公開時にあれこれ読んだ際のインプットで知ったので、そこから妄想が広がり、美しい羊飼い=退屈と富を持て余した優雅なマダムたちの崇拝と妄想の対象(性的妄想含む)という変なイメージがこびりついてしまい(史実はよく知りません)、美しい羊飼いというワードを見るだけで、往年のアイドルの姿を見たような、あなたですか、噂の男は!という気分になってしまうのは困ったものですね。
「ディアナとエンデュミオン」、怖いというより、ロマンティックな1枚だった。それから「死と乙女」をモチーフにした、骸骨と裸体の女が抱き合っているシンプルな素描のような作品があり、素敵だった。下の余白部分に髑髏の試し書きが残っているのを見逃さなかった。現実はつらいよコーナー(意訳)にあった若い美しい女が都会にやってきて→娼婦に→投獄→感化院→出所→梅毒→死という一連の物語の挿絵として使われた細かい描きこみのシリーズ、溝口の「西鶴一代女」みたいな生き抜くための選択肢が少ない時代の女の悲劇である。
混んでいて頭が朦朧としていたけれど、振り返ってみると恐怖や辛い現実というより、今日はロマンティックさを探したい気分だったのかもしれない。

帰り道、上野公園の秋。銀杏の絨毯に何故か自由の女神の胸像があり、ここもまた異界であった。上野公園、夜はちゃんとそれなりに暗いのが気に入っている。
怖い絵展、12/17まで。混雑状況は公式twitterでリサーチ推奨です。
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