知らない、ふたり

 

ちょっとした買い物をしようと東大構内を抜け、本郷三丁目まで歩いたけれど、その店は定休日だった。何でも調べられるご時世、閉まったドアの前で呆然とするのは、新鮮な感慨があった(悔し紛れ)。

 

借りていたDVDを返すべく、今泉力哉監督「知らない、ふたり」を観る。何年か前、UPLINKの見逃した映画特集で「サッドティー」を観て以来、名前を覚えた。日本のホン・サンスと呼ばれているとかいないとか、というのも頷ける作風。「知らない、ふたり」は東京国際映画祭の日本映画部門で上映されたけれど、チケットが謎の瞬殺っぷりで買えなかった。

 

http://shiranai.jp/

 

観るうちにチケット瞬殺の理由がなんとなく解り、韓国のアイドルグループ?のメンバーが主役含め何人か出ているらしい。主要キャストの半分以上は韓国語を話し、物語に独特のLost in translationをもたらしている。ツルツルに整った顔や髪型は役柄から生活感を奪い、日本の若手俳優(さほど有名ではない)が演じていたら、「サッドティー」のような面白みがあったかもしれないな、とエンドロールで流れる、そのアイドルグループが歌ってるらしいポップスを聴きながら考えた。

 

のんびりしたリズムで進行する物語ながら、アパートの外階段で、主人公に訪れる呪いが解かれる瞬間にはハッとした。ひとり、登場人物の名前が「サンス」なのは、ホン・サンスにちなんでいるのだろうか。

 

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Mariko
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