フィクション

 

高田の街を歩いていて、ん?と思って立ち止まると、うま口の酒 スキー?スキーという名のお酒があるのかな、と後で調べてみると解読できなかった下の記号みたいなのは「正宗」で、「スキー正宗」というお酒があるらしい。高田、スキー発祥の地なのだとか。

 

http://www.musashino-shuzo.com/pages/products/ski.html

 

しかし飲酒習慣がすっかりなくなった私は新潟で一滴もアルコールを摂取することなく、週末の遠出が原因でというわけでもなさそうだけれど、免疫力が低下し口内炎がいくつもできて体力が落ちている。帰宅しすぐベッドに入り、寝転びながらあちこちメールを送り、これを書いたら読書して眠る予定。

 

「原節子の真実」、夢中で読んでおり、あまりに滑らかな筆致に忘れそうになるけれど、ノンフィクション作家が書いたとはいえ、膨大な量の文献にあたったとはいえ、他人が書いている以上、これはフィクションなのだな、と思う。これまで目にした、小津との仲をほのめかし伝説化するような気持ち悪さはないけれど、「原節子の真実」に書かれていることが、真実か否かを答え合わせできるのは、原節子本人だけであって、やっぱり永遠に謎なのだ。

 

と、ふと我にかえるたびに言い聞かせながらも、原節子のストイックな自立心の強さを見抜いていそうな、黒澤明が好ましく見えてくる。戦前戦後で時局に合わせてガラリと作風を変えたという何人かの監督には、器用な立ち回りだなと感心しながらも、鼻白む気持ちが芽生えてくる。けれど、これはフィクションなのだ、と言い聞かせつつ。

 

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Mariko
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