長尺映画

 

先週の有楽町。張震の登場を待つ映画館。

 

ここ1週間、観た映画がことごとく長い。「牯嶺街少年殺人事件」236分。「アブラハム渓谷」188分。そして昨日はフラデリック・ワイズマン「臨死」358分!本数は多くないけれど、映画館にいた時間は長い。

 

集中力に乏しいので90分程度の映画が好きなはずなのに、気がつけば長い映画に耐性ができていた。「SHOAH」4部構成570分、朝に映画館に入って外に出たら夜というあの日を境に何か壁が壊された感がある。

 

体感としては、3時間半あたりに壁があり、3時間半まではスクリーンの中で展開する物語と他人事のような距離感があるけれど、3時間半を超えると自分の感覚と妙に混じり合い、もはや他人事とは思えない。「アブラハム渓谷」のエマは他人として観たけれど、「牯嶺街少年殺人事件」の登場人物たちには自分の欠片がいくつも埋め込まれ境目が曖昧。

 

「臨死」は友達や家族、近所の人々が病院に運ばれたその後を観ているようだった。昨日、角のスーパーのレジでお会計してくれたあの人が?まあ!早く良くなりますように…と祈りに似た気持ちで358分を過ごした。

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Mariko
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