モデル
ちょっとだけ落ち着いた隙間に、観た映画の記録。記録が溜まっている。
フレデリック・ワイズマン特集(もはや懐かしい)3本観たうち3本めは1980年「モデル」。ヴェーラのサイトより。
「ニューヨーク市でも最高のモデル事務所であるゾリ・マネージメント社を舞台に、CMやファッション・ショー、雑誌、広告写真、デザイナーズ・ブランドなどの仕事をする男女のモデルたちを追っている。彼らを取り巻くカメラマンやエージェント、撮影スタッフやデザイナーなどの姿を通してファッション・ビジネス界のありさまが描かれている。」
登場するモデル事務所のスタッフや、モデルたちが80年の流行だったのか、ラルフローレン的、J.CREW的、GAP的というか、ケーブルニットにデニム等、これぞアメリカン・カジュアルな装いで、2017年の現在観ると時代を感じる…アイテムはどれもベーシックだけれど、シルエットやメイク、髪型に時代を感じる装いであることばかり気になる。対して、相対的にファッションに無頓着そうな一部のフォトグラファーや時折映る市井の人々のマイペースな、流行とかよくわからないけれど、とりあえずあまり考えずに着心地いい服を着ているわ!など、のんびりした言葉が聞こえてきそうな装いの方が、2017年の現在観ると、不思議と時代を感じさせない普遍性を帯びていた。
カメラは流行最先端を生み出す現場をメインに撮り、時折、淡々としたニューヨークの街の俯瞰ショットが交互に映る。流行を生み出す現場は華やかに見えるけれど、生み出された華やかさに憧れ、消費し、あっという間に忘れ去っていくのは、あの俯瞰ショットに含まれる普通で、移り気で、身勝手な人々なのだなと思いながら眺めた。
ウォーホールが不意に登場。珍しくワイズマン自身も映っているらしいけれど見つけられなかった。若き日の草刈正雄も映ってるという噂だけれど、こちらも見つけられず。目の瞬発力が鈍い…。