浅草
近々、浅草に行く予定なので、本棚に積んであった「浅草キッド」(ビートたけし著/新潮文庫)を移動中読んでいる。あの口調で脳内再生しながら読むせいか、するする読めて時間を忘れて没頭してしまうので、あっという間に降りる駅に着いてしまって、しぶしぶ鞄にしまう。
浅草フランス座のエレベーターボーイから始まる下積み時代。たけしさんが書くと、浅草の街が生き物みたい。街の鼓動が行間から聴こえてくる。
フランス座、現在は正式名称「浅草フランス座演芸場東洋館」。2年ほど前、東洋館であった映画のイベントに行った時の写真を発掘。浅草六区、映画館発祥の地なのに、もう映画館はひとつも残っていない。館内に、ビートたけしと、座付き作家だった井上ひさしの写真。
http://www.asakusatoyokan.com/information/
エレベーターボーイの仕事は、館内清掃も含まれるらしく、階段を箒で掃いて、モップがけもしてたって書いてあり、帰りに降りた、あの階段か!と思いながら読んだ。階段の踊り場には、たけしさんの絵(の、たぶんレプリカ)が飾ってあってギャラリーみたいになっていた。
この「頭上注意」の位置!
絵は、なかなか雑に扱われていて、ちょっと破れてたり。絵の前に容赦なく看板なのか道具なのかが置かれているのも、味わい深くて良かった。飾ってる意味ねぇじゃねぇかバカヤロ!って声が聞こえてきそう。今読んでいるのは、たけしさんと師匠のやりとりで、師匠の口調がたけしさんそっくり。芸を盗みながら口調も盗んだんじゃないかって、そっくり加減で、たけし口調で脳内音読するうちに、あっという間に読み終わりそう。