セトウツミ

 

初夏のような天気の週末。少し銀座に出かけたぐらいで、映画館には行かず、部屋の片付けやあちこちへ連絡など。何しろ来週末からルビッチ・タッチⅡが始まるので!体力温存しつつ家も片付けておかないと!ずいぶん長い間、借りたままになっていた「セトウツミ」、ようやく観た。

 

放課後、川べりでだらだら喋る高校生男子・セトとウツミ。2人が喋ってるのをこちらも負けじとだらだらと眺めるだけの映画。原作は漫画らしいけれど、どんな漫画なのだろう。

 

http://www.setoutsumi.com

 

青春映画って恋だったり部活だったり、煌く汗が眩しい、キュン♡ってものが多いけれど、誰にでも平等にキュン♡があるわけでもなく、間延びした時間がだらだら続く、こっちのほうが多数派なのでは。関西が舞台なので、2人がずっと関西弁でだらだら喋っていて最高。

 

実家(奈良)に帰った時の、私と甥っ子の会話そのもの…!キャラクター的には、クールで知的なウツミ=甥っ子、ちょかちょかしてるセト=私という役割分担。セトのオカン(お母さん)がまた典型的な関西のオカンで、「カレーの初日」ってなんて天才的表現なんだろうか、これから積極的に使ってこ!という気分にさせられたし、今日が初日ってことは、あさってはカレーうどんや…って、カレーうどん食べるためにカレーを作るふしのある関西人の生態をなんと正確に描写したセリフであろうか…(感嘆)。パーマを「あてる」とか(かける、じゃなくて)、初登場シーンでヒョウ柄の服を着ていたり。

 

さりげなく家族のほろ苦さもちゃんと描かれており、ただ喋ってるのを撮るだけで映画が成立するなんて役者の演技力とか監督の演出など、総合力の高さゆえ。観ているだけで関西に帰りたくなる映画としては「大阪物語」(市川準監督)と双璧を成すのでは。ちょかちょか喋る私を、うんざりいなしつつ唇の端がニヤけてる甥っ子に会いたくなった。あっという間に終わってしまう短さだけれど、永遠に観ていられる。

 

【about】

Mariko
Owner of Cinema Studio 28 Tokyo
・old blog
・memorandom

【archives】

【recent 28 posts】