得体の知れない
逃げ恥、カルテットと火曜22時にテレビの前に座る習慣がついたので、流れで「あなそれ」を観はじめ、最初は辛かったけれど、最後まで観てしまった。
最初に存分に観る者を苛立たせることも計算のうちだなんて、なかなか緻密な構成。仲里依紗ちゃんも良かったけれど、何より東出くん目当てで最後まで火曜を楽しみにできた。
俳優の印象って一度染み付いてしまうと離れないもので、香川照之を見かけると、顔芸はいつかな?って心が待機してしまう。俳優にとって不幸なことでもあると思う。その点、東出くんは得体が知れない。男前だけど絶妙に気持ち悪さもブレンドされ、快活とも知的とも断定できない。モデル出身なのにファッショナブルすぎないし、むしろ手足の長さが異様さを際立たせている。
去年観た「クリーピー」はそんな存在感がうまく活かされていて、1年経った今では、イメージを裏切らないキャラクターを演じていた香川照之や西島秀俊よりも、摑みどころのなさが薄気味悪い東出くん目当てでもう一度観たくなる。
この対談も映画を観たら是非どうぞ。黒沢清監督とは俳優の好みが近くてキャスティングがいつも楽しみ。監督は小柄な方だけれど、男性同士で並んでこんなに身長差があるのすら不気味…。
https://entertainmentstation.jp/33543
私の懸念は「あなそれ」以降、あんな役ばかりオファーされる俳優になってしまわないか、ということ。いつまでも得体の知れない東出くんでいてほしい。