DEPARDON TOKYO 1964-2016

 

銀座、シャネル4階ネクサスホールで、レイモン・ドゥパルドン写真展。フランスから初めてアジアにやってきた、若き気鋭の写真家が撮ったオリンピックに湧く1964年の東京。その後何度も来日を重ね、2016年の写真はカラー。オリンピックのエンブレムのような円をモチーフにした会場、撮った年代によって3種類の色で壁が塗られている。

 

http://chanelnexushall.jp/program/2017/depardon/

 

映画で時折、海外の監督が東京で撮った映像が混じると、普段目にしている街の風貌が途端にエキゾチックな未来都市の匂いを漂わせるのが、不思議で面白いな、と思う。「ヤンヤン 夏の想い出」で、丸の内のビルの夜の窓の灯りが並ぶシーンを目にするたびに、涙が出そうになるのはどういう心の作用なんだろう。それからオリンピック自体には興味がないけれど、オリンピックを撮った映画って面白いものがあって、市川崑はもちろん、クリス・マルケルが撮ったヘルシンキ・オリンピックについての映画も楽しんだ(エルメスで観た。こちら)。記録するために派遣されたはずが、作家の色気がどんどん出てしまって脇道に外れてしまう映像たち。

 

レイモン・ドゥパルドンの撮った東京、オリンピックも、そんな豊かさがあって好みだった。初めての街に来て、生まれたばかりの目で世界を捉え直しているような。

 

 

これは64年のものではないけれど、バスの運転席の後ろから覗いた東京。「東京物語」にこういうショットあったなぁ。

 

 

こちらは64年。人もさることながら、街が、当たり前だけれど60年代の映画で観るままの街が写っていて興奮。都電もあるし、ビルはまださほど高くなく、東京の空が広い。街ゆく人々の和服比率の高さ。

 

64年を観た後に、2016年を観ると、2020年のオリンピックもこうやって記録されたなら、2070年頃に開催される写真展では、現在最新のガジェットや車も、人々の服装やメイクも、わぁ!古い映画で観たまんま!って、2070年の観客は思うのだろうな。

 

 

レイモン・ドゥパルドン、現在ドキュメンタリー(こちら)も上映されている。

 

 

ネクサスホールで開催される写真展、好みのものが多く、シャネルマークデザインのエレベーターのボタンを押すのも楽しい。

 

 

エレベーターに同乗するマドモワゼル。

 

写真展は、10/1(日)まで。間に合った。

 

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