こんなところにもスポーツが
昨日発見した、エルメスのサイトの、過去の上映プログラムとアレクサンドル・ティケニスのテキスト。
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-studio/archives/
観たものも観られなかったものも、つらつらなぞってみると、最初にプログラミングの妙に唸ったのはスポーツ映画特集の、「こんなところにもスポーツが」の月だと思い出した。ジャック・タチのドキュメンタリー目当てに行ったら、そちらも良かったけれど、1本目にかかった「美しい身体 -女性とスポーツ」の物珍しさに夢中に。
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-studio/archives/524693/
家電の発達により、家事で身体を動かすことが減り、鈍った女性たちの身体を再び動かし、美しいボディラインを取り戻すためにスポーツを推奨する、フランス政府が依頼して?作られた映像。家電を使って家事をするマダムが、おもむろに家の中で体操を始めるシーンが冒頭にあったように思う。やがて体操は集団化し、マスゲームのような様相に変化していくのが目に面白く、また政府が絡んでいる事実も興味深すぎる。こんな映像、もっと観たいわ。そしてスポーツというエルメスの年間キーワードから、この映像を選んで組み合わせるセンス!
プログラム・ディレクターの方の文章を好きなのは、彼らがたくさん映画を観る人であるにもかかわらず、観れば観るほどまだ観ぬ膨大な映画の存在を知って打ちのめされ、それでも海の底から光る貝殻を拾ってその美しさを見せてくれるような、諦念と情熱と謙虚さの混じり合いが行間から漂うからかもしれません。
写真は北京で撮ったオリンピックスタジアム。鳥の巣と呼ばれている建造物。こんなところでもスポーツが。