Silencio
デヴィッド・リンチ特集で観た2本について所感。
・ロスト・ハイウェイ(1997)
理由は説明できないけれど、マイ・ベスト・リンチはこの映画かな。リンチって俳優に関しては明確な顔の好みがあって、圧が強くないというか、濃くないというか、余白が多めな顔が好きなのかな?と思うけれど、女優のルックスの好みは一貫性が感じられないような。けれど誰でもリンチが撮るとリンチ映画っぽい顔に見えてくる不思議。とにかくパトリシア・アークエットが最高にマブい。マブいっていつ頃流行った言葉か知らないけれど、マブいとしか言いたくない魅力を振りまいており、ルックスだけじゃなく台詞回しにもマブさ煌めく。頭のてっぺんから尻尾まで音楽が良く、サントラ欲しい。
・マルホランド・ドライブ(2001)
2つの顔を見せるナオミ・ワッツの巧みさ。前半の清純ナオミがもう、J.CREWのカタログに登場しそうなクリーンさで、後半のダークナオミと同一人物と思えない。聞き上手になりましょう、口角を上げましょう、相手の目を見て笑顔で、身だしなみを整えて、姿勢よく!など、モテ指南の王道をすべて実行したかのような清々しく好感度の高い清純ナオミ、外見や仕草に気をつけるって本当に大事なんだなぁ…と、リンチ映画を観てそんな感想?って感想を抱く。ビリー・ワイルダー「サンセット大通り」へのオマージュでもあるらしく、ハリウッドを舞台にサンセット大通りも登場するし、オーディションの場所はパラマウント・スタジオ、映画関係者の住むプールのある家もオマージュといえばオマージュなのかしら。一晩寝て起きてみると、印象的な「Silencio!(お静かに)」のフレーズが耳に残り、パリにあるリンチがプロデュースした、その名も「Silencio」というクラブに行ってみたいわ。
http://silencio-club.com/en/1/silencio
山形に行くなどしていたので、2本観たのみだったけれど、時間さえ許せば全部観たかった。リンチ映画、しっかりした暗闇が似合う。
東京では上映終了。この後、大阪に向かうもよう。
http://cinemakadokawa.jp/lynch50-eiga/index.html