すベての言葉は生々しい

 

今年は久しぶりに心が中華圏づいており、何か引き寄せているのか、北京の友人が東京に遊びに来るというメールが届いた。旦那さんと一緒に来て、富士山を見たり、箱根に行ったり、御殿場のアウトレットで買い物したいし、表参道や原宿にも行きたいと。すベてに同行するわけではないけれど、楽しみ。

 

メールの中に、宿はどこにとるのがいいのか、「我想找机场巴士(利木津)能直接到的酒店」と書いてあって、空港からのバスが直接着くホテルを探したい…という意味だけどこの(利木津)って初めて見るけれど、どういう意味だろ?ってしばらく考えて、ふと思い当たった。

 

リムジン!りーむーじん!そんな表記なのか!外来語の中国語表記ってほんと、日本人にとってはクイズみたい。答えがわかった時の膝を打つ感と、漢字ですべて表現する国の工夫が面白い。

 

原稿を書くために台北で観た映画のことを思い出していたけれど、私にとって中国語字幕で映画を観る時、こういった外来語や地名を、それが外来語や地名である、と瞬時に識別することが求められ、やや緊張する。英語のように地名や名前の頭文字が大文字になったり、前後にスペースが入るわけでもなく、同じサイズ感の漢字が切れ目なくずらずら並ぶ中から瞬時に識別する必要があるのだ。

 

台北で、ホン・サンス「夜のビーチで一人」を韓国語を聞きながら中国語字幕を読む方式で観た時、頻繁に登場する「首爾」が人名ではなく地名であると「首爾に行く」「首爾にいた時」と「首爾」の使われ方で把握したけれど、それがどうやら「ソウル」を指すらしいとおぼろげに理解したのはワンテンポあってからのこと。私にとっては「ソウル」とは「漢城」と表記する都市だったから。大陸と台湾では読み方が違うのかな?もしや?と思ったけれど、

 

どうやら2005年に正式に変更になったらしい!こんなことってあるのね!

「ソウル」の中国語表記、「漢城」から「首爾」へ
http://j.people.com.cn/2005/01/21/jp20050121_47008.html

 

こんな不変に思われる表記もやがて変わることがあるなんて、言葉ってなんて生ものなんでしょう。すベての言葉は生々しい。そして中国語字幕で中国語ではない国の映画を観ることは(できれば私がまるでわからない言語が望ましい)疲れるけどこの上ない頭の体操なので、機会があればまたトライしたい。「夜のビーチで一人」は会話がシンプルなので98%は理解したと思う。

 

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Mariko
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