たまたま1年前の写真を眺めていたら、去年の今頃は、こちらの映画のリバイバルで心が騒いでいた。「牯嶺街少年殺人事件」は映画館で3回観た。台北の牯嶺街にも行ってみて、地名表示や店の名前に牯嶺街の文字を見つけるたびに興奮して写真を撮った。リバイバル上映はロングランで、去年はずっとリレーのように東京のあちこちの映画館でかかっていた。長い間あの映画をおあずけにされていた映画好きにとって、夢かしらと思うような年だった。
Golden Penguin Award、きっと「牯嶺街少年殺人事件」を自分は選ぶんだろうな、と思っていたけれど、11月に観た1本の映画が気持ちを上書きしていった。「泳ぎすぎた夜」そのものの魅力もさることながら、生まれたての、フレッシュな映画であったことも印象に残った理由。いつだって、ほやほやの新しいものに心動かされていたい。最後の最後にそんな映画を迷いなく選ぶところが自分らしいな、と思った。
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