夫婦善哉
いこさん連載第5回は「夫婦善哉」。先日、家のスクリーンで観てみた。ものすごく久しぶりで、最後に観たのは学生の頃、京都文化博物館のフィルムシアターだったと思う。その頃は、フィルムシアターでかかる映画をしらみ潰しに観て、こと古典!名作!と呼ばれる映画は、観ねばならぬと思っていたんですな。真面目な頃もあったもんです(遠い目)。
当時観て、現在に至るまで何度も観ている映画はたくさんあるのに、「夫婦善哉」にふたたび手が伸びづらかった理由は、再見してみてよくわかった。船場を舞台にした物語は好きだし、読んでないけれど織田作の原作も良いのだろうな、淡島千景は運動神経が良さそうな動きで好きな女優さん(小津「麦秋」で初めて観てから好きだった。あの動きの機敏さは、宝塚出身というのもあるのかしらん)、いこさんのように森繁♡ではないけれど、私の好きな淡島千景があんなに好きっていう男はんやったら、そらええ男なんでっしゃろ、と後光効果で森繁も素敵に見えてきちゃう。主役2人の台詞まわしも動きも自然で流れるようなんである。
けれど!演出のモタつきがすべての良さを半減させておる…極上の素材が弛れたリズムの上でただ踊らされるだけ…を2時間目撃し、監督は誰だったら正解だったんだろうか、と妄想が止まらない。モダーンな人が良かったな。それでもやっぱり主役2人は可愛くて、キュンとくる場面がところどころできらめきを放ってはいた。
森山未來&尾野真千子主演だった、NHKドラマ版「夫婦善哉」、録画が残ってるはずだから、あちらを観てみようかしら。森山未來、関西弁で動きの綺麗な男。ぴったりでは?
https://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/detail.html?i=meotozenzai
英訳をお願いする用にメモを作るべく、オダサク(原作者:織田作之助)の画像検索をしたのだけれど、
オダサク、めっちゃ可愛いですね。酒場から心が遠のいた私でも、こんな人と大阪の大衆酒場で隣り合わせたい欲がむくむく湧いた。
いこさん連載第5回、ぜひお楽しみください。