上映会
清澄白河での東北記録映画三部作の上映会は、instagramで、#濱口竜介のタグをつけて投稿した古い写真に、見知らぬ方から、いいね!のハートマークをいただいて知った。辿っていくと主催されたtsugubooksのアカウントで、最新のポストが上映会の案内だった。もともと観たくて逃していたこともあったけれど、上映会も映画も次から次へと溢れてくるので、これは!と思うものは、手帳をすぐ見て、空いていたらその場で予約連絡をすることにしている。
tsugubooksのサイトを見ながら、本の活動をされている方が、どうして映画を上映するのだろう、と不思議に思っていたら、当日、上映前にその解説があった。
主催の女性は平日は保険の仕事に就く会社員で、被災された方(東北ではない)に保険金を支払うか否かの基準を協議する機会が過去にあったらしい。その経験をもって濱口監督の著書『カメラの前で演じること』にふと出会い、東北記録映画三部作に興味を持ったけれど、待っていてもなかなか上映されないので、自分で上映してみることにしたのだとか。休憩時間に少しお話すると、書籍『カメラの前で演じること』は映画『ハッピーアワー』について書かれた分量がメインだけれど、『ハッピーアワー』は未見とのこと。本の活動をする人らしく本がきっかけで、ご自身の経験と結びつく東北記録映画作をかける、映画好きからすれば意外な動機に思えるけれど、ご本人にはすごくすんなりした動機なのだろうな、ということが面白かった。28の連載「moonbow journey」を読んで、毎回思うけれど、上映会の数だけ、その映画をかけようと思った動機があって、その動機は外から想像するほど単純ではない。その人ならではの小さなエピソードや物語の集積なのだと思う。
東北記録映画三部作、残り2本の上映会は4月21日だそうです。最初の2本を観ていなくても、存分に楽しめる内容のはず。tsugubooksのサイトでチェックを!
この映画を3月に観られて良かったです、とtsugubooksさんにお伝えしました。