湯呑み
酷い暑さで、日中は外に出ると死に近づいてしまうから、街を歩くには夜が最適。鈍った身体を整えるべく根津と湯島の間あたりを歩いていたら、目に入ったもの。小津映画に登場する湯呑み。
近くに和食器フェア的な催しの張り紙もあったから、和食器屋なのかもしれない。何しろ夜だから店が閉まっており、謎は謎のまま。夜の街歩きは情報量が少なくて謎解きのよう。
この湯呑みは「東哉」という店のもので、京都が本店で、銀座にも店がある。小津安二郎は銀座の店の常連で、撮影の後、この店で人と待ち合わせて飲みに出かけたりしていたそう。
といった小津と「東哉」にまつわるエピソードは、10年以上前、愛読していた原田治さんのブログのポストで知った。
http://d.hatena.ne.jp/osamuharada/20061123
「東哉」はこちら
会えば小津の話をよくする友人とそのパートナーが、もし結婚するならお祝いにこの湯呑みを贈ろうと決めているけれど、結婚しないので「東哉」でまだ買い物をしたことはなく、眺めるだけ。
謎の店?の周りをぐるっと回ってみたら、小津の写真も貼ってあった。特に説明もなく。酷暑の夜の謎は深まる。