映画の中の好きな部屋

 

暑さのせいか、この夏の休日の日中は外出せず、部屋を片付けている。国内外で引越しが多かったので、なるべく最小限の物だけ持つことにしているせいか、「壁一面の本棚」とか「香水瓶の並ぶ鏡台」とか、素敵だとは思うけれど、見ているだけでじゅうぶんで、それは私の生活ではないな、と思う。

 

広い空間に家具がポツポツ余白をもって配置されていて、床面がかなり見えている部屋が好きで、今、私が住んでいる部屋もそんな感じ。映画の中の好きな部屋について考えてみて、真っ先に思いつくのは、カサヴェテス『オープニング・ナイト』で、ジーナ・ローランズが暮らす部屋。この部屋の間取りを知りたい。

 

広いリビングルーム、傍に小部屋がいくつかある。小部屋をベッドルームにするかと思えばそうではなく、リビングの隅にマットレスだけのベッドがある。リビングルームはがらーんとしているけれど、小部屋はちょっと乱雑で、そのアンバランスさが、ジーナ・ローランズ演じる女優の情緒不安定をそのまま表現しているみたい。

 

インテリアが好みというわけではないけれど、『フェイシズ』のあの階段のある家(カサヴェテスの自宅)など、カサヴェテスの映画は、ちょっとの期間だけ住んでみたい、興味深い室内が登場することが多い。

 

 

 

 

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Mariko
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