東京フィルメックス/Ash Is Purest White

 

東京フィルメックスで観た映画について。ジャ・ジャンクー最新作『アッシュ・イズ・ピュアレスト・ホワイト』。ポスターを写真に撮ったつもりが、撮り忘れていたので、チケット購入時に役立ちそうな有楽町朝日ホールの座席図を。私のベスト座席はG22です(メモ)。

 

ヤクザな稼業で金を稼いでいるビンと、その愛人チャオ。裏社会に生きる男女の18年間にわたる関係を山西省、長江流域、さらに新疆にまで至る壮大なスケールで描いた作品。これまでのジャ・ジャンクー作品の集大成とも言える傑作。

 

https://filmex.jp/2018/program/specialscreenings

 

ジャ・ジャンクー自身の出身である山西や、『長江哀歌』の舞台になった三峡ダムなど、過去作に登場した土地を巡礼し未知なる土地(新疆)に向かってゆく、集大成のような映画。ヒロインはもちろん公私ともにパートナーであるチャオ・タオ、急成長する中国、戸惑いながらも逞しく生き抜く人々、歌謡曲、ジャ・ジャンクー映画を成立させている要素が親切に盛り込まれている。

 

だからということか、どの場面にも展開にも既視感があり、開始20分でジャ・ジャンクー映画にすっかり飽きている自分を発見した。監督の名前を闇雲に信頼して、惰性で映画を選ぶのもよろしくない。フィルモグラフィーを改めて眺めてみれば、時系列に追いかける中で鑑賞後の興奮がピークに達したのは『長江哀歌』で、その次の『四川のうた』では巧みさがやや鼻につきはじめていたように思う。

 

中国という国とノスタルジアは私にとっても不可分だけれど、あっという間に驚異の近代化を遂げてしまった現在の中国を撮った映画で気持ちよく呆気にとられたい。去年のフィルメックスで観た『とんぼの眼』のような。もっと見知らぬ監督の映画を観てみよう、と心に誓ったのであった…。

 

https://filmex.jp/2017/program/competition/fc06

 

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Mariko
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