アイ・フィール・プリティ!
ューマントラストシネマ有楽町で。ここでかかる映画、見逃すと新宿界隈まで追いかけるか、名画座にかかるのを待つかになってしまうので、気になる映画は上映回数の多いうちにさっさと観ておきたい。今年の抱負。
『アイ・フィール・プリティ!人生最高のハプニング』
邦題とピンクが目に眩しいポスターだけで敬遠する人も多そうな映画だけれど、これがなかなか面白い。ふくよかな体型の女性が、その体型がゆえに自分に自信が持てずにいたけれど、強く頭を打ったことがきっかけで魔法がかかった状態になり、自分を絶世の美女と思い込む…という筋書き。
冴えないけれど実は美しい原石が誰かとの出会いにより磨かれて花開くとか、別の女優をキャスティングして同じ役がまったく違う見た目になるとか、同じ女優でもファットスーツや特殊メイクで見た目操作→素の状態に戻して印象を変えるなどの手法で、生まれ変わったキラキラの私!を演出する映画はたくさんあれど、『アイ・フィール・プリティ!』は見た目はまったく変化せず、頭を打った衝撃で彼女の内なる自己肯定スイッチが盛大に押され、昨日までと1mmも変わらない容姿の自分がにわかに煌めきはじめる、というユニークさ。あなたはあなたのままですでに素敵である、他人にならなくても、のメッセージを伝える映画は多々あれど、これほどわかりやすく視覚化した映画ってあっただろうか。意外な役どころのミシェル・ウィリアムズもあわせて楽しめる。
タイトルもシンプルにして秀逸。名画座にかかった折には『オーシャンズ8』の併映にすると、女性は肩で風切る気分で映画館を出られること間違いなし。