月曜シネサロン&トーク
東京国際フォーラムにて。月曜シネサロン&トークというイベント、以前から気になりつつ逃していたけれど、デザイナーあずささんが申し込んだ!と教えてくださったので今回は逃さなかった。
「月曜シネサロン&トーク」は国立映画アーカイブ(旧 東京国立近代美術館フィルムセンター)所蔵の貴重な文化記録映画を 講師の解説付きで上映する映画会です。2018年(平成30年)は東京府開設から150年の節目を記念し江戸から近現代に向かう都市や 人々の生活風景を通じて東京の魅力再発見につながる作品を全4回に渡って上映します。
今回は第3回。上映されたのは『オリンピックの街』(1964年/荻野茂二)、『日本橋』(1964年/荻野茂二)、『佃島』(1964年/浮田遊兒)の3本。1964年は東京オリンピックの年。北京がオリンピックでがらりと顔を変えたように、1964年を目がけて大工事が施され、江戸から遠く離れて、という景色に変貌しつつある東京の記録。
『オリンピックの街』はオリンピック開会式の1週間前に、開会式・閉会式のリハーサルを、高校生が各国選手役を代わりに演じて行った日が記録されている。そんな日があったことを今まで知らなかったけれど、考えてみればあれだけ大掛かりなイベント、当たり前にリハーサルするよね。ランナーによる聖火点灯もリハーサルしたため、本番の点灯は2度目だったとか。市川崑の記録映画で美しいシーンとして記録に残っている、風船飛ばしもリハーサルがなされていた。この映画は最初から最後まで同じトーンの和風の音楽が淡々と流れており、気がふれそうになり、映像に適切な音楽が選ばれることの重要性を逆説的に考えた。
『日本橋』はサイレント・モノクロ映像。日本橋に高速道路を建設する途中が映されていた。何かをぼたぼた水に落としながら進む工事のワイルドさに驚き。60年代前半のご婦人の服装、キュッとヒールを履いてハンドバッグを持って、クラシカルで素敵。
『佃島』はナレーションがつき、音楽も工夫されていて3本の中で最もストレスなく鑑賞。映像はそのままでも多くを語るけれど、あれは何?と生じた疑問を、ナレーションが適切にガイドしてくれることの安心感よ。
資料が最初に配られ、スクリーンに資料を投影してのトーク→上映→トーク→上映の形式でのイベントで、トークは都市形成史家の岡本哲志さん。資料もトークも独特の雰囲気があり(映像の作家性にはまったく興味がない様子で、あくまで都市の変遷にフォーカスした内容)、後から調べてみれば『ブラタモリ』に何度も登場されたらしい。資料は編集者が見れば校正したくてウズウズするトーンで纏められていたけれど、あえてあのまま、というのが味のようにも思われた。
2020年オリンピックのピンバッジをお土産にいただいて、500円。大充実!