Design for living
いかに動画配信サービスが充実しようと、配信されない映画は山ほどあるもので、定期的に観たくなるルビッチやオリヴェイラ、ジョニー・トーなどはポスト投函式レンタルサービスでDVDを借りる。仕事が慌ただしくよれよれになって帰宅した日、『極楽特急』とあわせて『生活の設計』も借りていたことを思い出し、再生するの図。
ルビッチ映画って、シネマヴェーラで特集上映されるとずいぶん前から予定して万難を排して駆けつけ、DVDで借りて観る時もルビッチ様!!!と、好きなあまりこちらも冷静ではない、テンションの上がった状態で観ることが多いけれど、この日はなにしろ疲れで頭が働かず、全身からっぽの状態で浴びるルビッチは、普段以上に染みた。
ふたりの男とひとりの女。女の名前はジルダ。ジルダ、ふたりの男のどちらも選べず、私たちはセックス抜き、これは紳士協定よ!と自ら提案するものの、あっさりそれを覆し、だって私、紳士じゃないもの〜と、いい女ふうによろめいてみせる。さじ加減ひとつで、だらしない非常識な女となるところ、どうにもこうにもキュートでコケティッシュ、ジルダだもんしょうがない、にまにま目が追いかけてしまう可愛い女が奇跡のバランスで成立している。
ルビッチの魔法とミリアム・ホプキンスの魅力の賜物で、自由で新しい女は、自由で新しい男の目から生まれるんやなぁ…と気持ちよくなったところで、エンディングまで体力が続かず、寝落ちした。