共生できない
『女王陛下のお気に入り』、楽しんだけれど、ヨルゴス・ランティモス映画だとやっぱり『ロブスター』が一番好きだな、と考えていたら、Netflixにあったので久々に観るの図。
家庭を持ち、子孫を残すことが義務付けられた近未来。妻に捨てられてしまった男デイヴィッドは街のルールに従い、はずれにあるホテルへと送られる。そこでは45日以内に自分の配偶者となる人を見つけなければならず、見つけられなかった場合は動物に姿を変えられてしまうという運命が待っていた。
こんな荒唐無稽で絶望的な設定を、丁寧に解説する冒頭部分が好き。コリン・ファレル演じる主人公は姿を変えるとしたら、ロブスターを希望するけれど、私はペンギンだな…鏡に自分の姿を写して、今日も可愛い♡ってうっとりしたいと思っていたら、ピシャッと「オオカミとペンギンはダメ」と拒否され、その理由が、
共生できないから、と。マイペースな振る舞いだからだろうか。同じ理由でラクダとカバもダメらしい。こんな設定なのに、最後まで観ると、愛って…と考えさせられてしまう監督の力業よ。
http://www.finefilms.co.jp/lobster/