突破口みたいなもの
三宅唱監督新作『夜明けのすべて』が素晴らしく、Webで読める監督のインタビューを読み漁っている。
あるインタビューのここが良かった。
「題材の重さに対して、作品のトーンは非常に楽しげというか、軽やかですよね」の問いかけへの監督の答え。
「苦しみは現実で十分というか、わざわざお金を払って時間を使ってまで、『こんな苦しみが世間にはあります』で終わるものは、いち観客としてはあんまり見たくない。その先の、突破口みたいなものを見たいと思っています」
昨今の映画が各種社会問題への監督からの大喜利回答みたいで、自分も観たからにはあらゆる方面に配慮し誰も傷つけないよう感想を述べねばという気持ちになるが、そもそも私は各種社会問題に溢れた現実への対応を日々遂行しており、疲弊してようやく辿り着いた休日には何か前向きに、晴れやかな気持ちになれるものを観たい、この気持ちの言語化が難しい…の最適解が監督の言葉だと思った。
https://yoakenosubete-movie.asmik-ace.co.jp/