麻雀放浪記

 

展示の予習(復習?)として久しぶりに『麻雀放浪記』(1984年)、麻雀のことは何一つ知らないけれど、画面から目を離せず一気に観た。モノクロ映画で、撮影が『泥の河』も撮った人(安藤庄平)と知って納得。鹿賀丈史の役は松田優作の予定だったのを、主役ではないから松田優作が断ったエピソードを読むと、俄然そのバージョンも観てみたかったな、と思う。

 

雀卓を囲む男たちに加えて女性が2人、オックスクラブのママが加賀まりこ、博打打ちに惚れて売られそうになる女を大竹しのぶが演じ、戦後復興の泥臭い時代、博打狂の男たちと絡んでもどちらも「かわいそうな女」とは微塵も描かれず、どこか凛としている。大竹しのぶの役なんて、登場するたび悲しげで湿っぽいメロディが流れてもおかしくないのに、和田誠監督のモダンなバランスで令和の時代にも観やすくて良い。

 

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Mariko
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