【本日更新】Cinema on the planet 008 なら国際映画祭
本日更新しました。
映画にまつわる場所を巡るリレー連載「Cinema on the planet」第8回は奈良出身の私が案内する「なら国際映画祭」。2年に1度開催される映画祭、この秋に第5回が開催されますが、前回(2016年)参加した時の記録です。
奈良で撮影された映画を観るといつも、あんなに何もない場所でも映画って生まれるんだなぁ…と考えます。そしてその後、いやいや、あんなに特徴のある場所なんて滅多にない、映画にぴったりじゃないか、と真逆のことを考えます。やっぱり好き、やっぱり嫌いが地層のように降り積もったふるさとへの「適度な距離感」なんて永遠に掴めないのかもしれません。
たくさんの鹿、たくさんの映画の隙間に子供の頃から通ったお好み焼き屋も登場します。読み終わって、なんだか奈良っていいところなんだな、と思っていただけるなら、やっぱり少し誇らしい気持ちになるのだと思います。奈良人として。
ひと夏の
アップダウンの激しい気候のせいか、久々に電池切れを起こし、帰宅するとベッドに直行→読書しようと思うけれど→そのまま入眠の数日。小学生のような生活時間で、気力回復まであと少しながら、睡眠のせいで肌艶はやたら良い、という状態にある。食欲もある。
ホン・サンス『それから』、不倫相手の女優は初めて観るのかな?と思っていたけれど、『ひと夏のファンタジア』の主演女優だった。女優の変身力ということか、言われてみればそうですね、という感じ。
http://hitonatsunofantasia.com/
公開時にユーロスペースに観に行った『ひと夏のファンタジア』は、なら国際映画祭に関連して河瀬直美監督プロデュースで撮られた映画で、奈良県五條市で撮られている。
五條市に行ったことは数回しかないけれど、奈良出身の私としては、映画に撮られた街並みや山間の風景がthis is 奈良と呼びたい、あまりに奈良らしいもので、おそらく奈良以外の日本の観客や海外の観客には、いかにも日本の原風景!と映画的に映るのでしょうが、私は「…あんなに何もない場所でも、映画って撮れるんだなぁ…」という感慨が生まれた。私にとって、ご当地映画的な1本。
『ひと夏のファンタジア』、現在GYAOで無料で観られるようです。チャン・ゴンジェ監督は、ホン・サンスの系譜と呼ばれている人らしい。
https://gyao.yahoo.co.jp/p/00620/v07518/
鹿と眠り
眠そうな鹿。お正月、奈良公園。
ブダペスト郊外の食肉処理場で代理職員として働く若い女性マーリアは、コミュニケーションが苦手で職場になじめずにいた。片手が不自由な上司の中年男性エンドレはマーリアのことを何かと気にかけていたが、うまく噛み合わない。そんな不器用な2人が、偶然にも同じ夢を見たことから急接近していく。
オスカー外国語映画賞にもノミネートされていたハンガリー映画「心と体と」、あらすじを読んでいたら、どうにも私好みで俄然楽しみに。この、同じ夢というのが「鹿の夢」らしくって、ビジュアルを眺めていると、鹿のモチーフが使われている。
http://www.senlis.co.jp/kokoroto-karadato/
以上、これから観る映画メモ。
明日は冬休みを1日消化。運転免許更新の手続きをさっと済ませられれば、キェシロフスキを観に行くつもり。クシシュトフ・キェシロフスキ。早口言葉のような名前。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2018/kieslowski2018.html
あ、この間、この上映についてお話したのだけれど、私ずっとキシェロフスキって言っていたし、名前を長らくずっと勘違いして覚えていた。謹んで訂正いたします、あの時のあなた。キェシロフスキ、キェシロフスキ、キェシロフスキ。
アンナチュラル
お土産に初めて買ってみた鹿サブレ。便乗商法っぽいけれど、奈良の老舗の和菓子屋さんの商品、というのが良いと思う。サブレも鹿のフォルム。
みそせんべいが有名な横田福栄堂。奈良駅でも買える。
http://www.yokotafukueido.com/shop/
野木亜紀子さん脚本ということで楽しみにしていた「アンナチュラル」、期待を軽々超えるドラマで久々に興奮。二転三転するストーリーはもちろん、60分の短時間にギュッと情報を詰め込むべく、大胆な省略が随所にあってうっとり。MERSの疑い→一気にお通夜の場面に飛んだ時、なんと視聴者を信頼した省略!ルビッチか!って心で拍手。最近のテレビドラマ、登場人物の名前や肩書きをテロップで見せる説明過剰さにうんざりしていたけれど、解剖室入口のスタッフボードにマグネットで名前を貼っていく演出で名前と役割を無言で説明したのも小憎い。よくできた海外ドラマのようだし、よくできた映画のようでもあった。
毎週金曜が楽しみ。
http://www.tbs.co.jp/unnatural2018/
奈良
初詣は興福寺。
元旦、国宝館がリニューアルしたとのこと。以前の薄暗い集会所のような場所に国宝が無造作に配置されていた国宝館、あれはあれで味があって好きだった。上野に遠征しようものなら行列数時間待ち、のアイドル・阿修羅像も独占し放題のガラガラで(明らかに人間より仏像のほうが数が多い)、暇を持て余したと思われるスタッフの方がつつっと寄っていらして丁寧に解説してくださって、どんな質問にも答えてくださった過去の思い出。新しい国宝館や、つるっとシャレていた。
興福寺の五重塔を見るたびに、小津の「宗方姉妹」が撮られたのはここだったっけ?と確認するけれど、違う違う、薬師寺だった、と毎度同じことを繰り返す。
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/020movie/M000000033/
久しぶりに鹿にも遭遇。
あれ…なんだか様子がおかしい…?と近づいてみたら、
みんな寝てる!15時頃だったから、昼寝かな。
1月3日の奈良は、奈良にもこんなに人間がいたんだね、という混みようだった。
謹賀新年
新年あけましておめでとうございます。
元旦の早朝、東京の光。早朝の新幹線は空いていて、眠っている人が多いのか、静かで、お酒の匂いがしないのが好き。
読書気分にならなかったので、amazon musicにあったヨハン・ヨハンソンによる「メッセージ」のサントラで音楽初め。各曲のタイトルを日本語で眺めたのが初めてだったけれど、この言葉の羅列、痺れるね。こんなタイトルの連載書いてみたい。
新年のお祝いの食事。年末生まれの私のため、おせちの後にホールケーキが登場するカオス。関西人の食卓は賑やかで、久しぶりに息苦しくなるほど笑う、を体験。懐かしいな。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
酉年
初詣。私のリクエストにより、唐招提寺へ。鄙びた冬枯れの庭が好き。東大寺や春日大社に比べて、人が少ないのも良い。
小津の「宗方姉妹」は、唐招提寺だったかしら。と、調べてみたら、隣の薬師寺だった。
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/020movie
校倉造の宝蔵あたりにカラスが何羽か。母が「ヒッチコックの鳥は、カラスだったわねぇ…あの映画は本当に不気味…」と言ったので、さすが我が母、考えることが同じだなと思いながら門の外に出ると、何やら騒々しく、目を瞠る光景が…
枯れ木にとまる鳥鳥鳥、響き渡るピヨピヨ、空も一気に重く不穏な色。さっきヒッチコックなんて思い出したから、引き寄せたのだわ…大量の雀を!しかしカラスは数羽でもちょっと恐ろしいけど、雀の大群は可愛いだけだった。何をそんなに鳴いてるんだろうねぇ…今年は僕らの年だよアピールなんじゃない?など、ひそひそ話して通り過ぎた。予想以上に記憶に残りそうな初詣。
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