帰路

近江屋洋菓子店本郷店、閉店の前日(木曜)、営業時間終了10分前に滑りこみ、最後にあの建物の中に入ることができた。たくさんのお客さんと、ガラガラのショーケース。持ち帰るできるものは苺のショートケーキだけで、それを購入することにし、振り返ると冷凍ケースにアイスがいくつか入っていたので、アイスなら日持ちもするからいくつか買った。ケーキは食べ、アイスは冷凍庫に保管。

帰路、いつものように東大キャンパスを抜ける。夜はさらに重厚で、先日観たルビッチ「メリイ・ウィドウ」のセットなのかロケなのか天井高10メートルはありそうな場所で撮られておりうっとりしたけれど、東大でもルビッチ、撮れそう。デコラティブな柱の陰からモーリス・シュヴァリエが歌いながら出てきそう…。
ルビッチ第1週のメモを書けていないまま、明日から第2週が始まる…!何故か逃し続けている「花嫁人形」をようやく観られそう。ちょっと怖いもの見たさの気分あり。
http://www.cinemavera.com/schedule.php
beautiful lyrics

桜が咲き始めたことと、4月のルビッチ・タッチⅡの心の準備で浮き足立つ。今夜は帰り道、ブラウスに薄手のコートで大丈夫だった。
近所のとっておきの桜の下で花見をせんと友達を待っていたら、友達より先に猫と目が合った去年の図。私と目が合ったというより、トレイの上にちゃっかり乗ったペンギン(グレーの後ろ姿)と見つめ合っていたのかもしれない。なんなの…グレーと白のあいつ…って猫も訝しげに思ったよね、きっと。
ルビッチ、未見の映画の制覇はもちろんのこと、何度も観てセリフも覚えん勢いの映画もやっぱり観たい。「生活の設計」や「極楽特急」が東京のスクリーンにかかる夜、それを無視して他のことをするなんて愚の骨頂だわ…(拳を固めながら)。
音楽に疎い私ながら、耳に残ってしょうがない曲はいくつかあり、「極楽特急」のオープニングの歌、大好きでよく鼻歌として歌っておる。歌詞もルビッチの世界そのものでとっても美しい。
*こちらより転載
TROUBLE IN PARADISE
From the film “Trouble In Paradise” (1932)
Music: W. Franke Harding
Lyrics: Leo Robin
Singer: Unknown
Most any place can seem to be a paradise
While you embrace just the one that you adore
There needn’t be an apple tree with magic powers
You need no garden filled with flowers
To taste the thrill of sweet, greed hours
Gentle perfume and cushions that are silk and soft
Two in the gloom, that is silent but for sighs
That’s paradise, while arms entwine and lips are kissing
But if there’s something missing,
that signifies Trouble in paradise.
Gilda

文章を書くのに、ジルダ(「生活の設計」のヒロイン)について少し考えたのだけれど、高嶺の花オーラを撒き散らすディートリッヒやケイ・フランシスと違って、ミリアム・ホプキンスはルビッチ映画の親しみやすさ担当として機能していて素晴らしいな。ルビッチ以外の映画で、どんな存在感なのか確かめてみたい、と思っているけれど、なかなか機会がない。
安息日

ここのところ時差のある場所とのやりとり多く、朝なのか夜なのかわからない生活になっており、明日は朝から移動するから早起き、と少し緊張していたら、出発前の1時間、パリにいる人々とskype打ち合わせをすることになり、さらに早起きに…。6:30スタートだから、これを書いたら眠る努力。この際、ぐぐっと超朝型になろうかな、と考えたりして。
うまく軌道に乗せられたら、例えば日曜を無宗教だけど安息日にして、インプットもアウトプットもせず、ひたすら何もしない日にしようかな?お店も開いてないパリの日曜みたいに、強制的にのんびりさせられる感じの。と言ったら、近年パリも一部の商業エリアで日曜営業が法律で許可されたとかで、開いてるお店が増え、以前のようなのんびり感が失われつつあると教えてもらい、切ない気分に…。
何年か前に本郷の教会で観た「日曜日の人々」はドイツのサイレント映画で、素人を俳優として起用し、市井の人々のなんでもない1日のスケッチで、ピアノの生演奏も相まって素敵な映画の記憶として残っており、いつかまた観られたらいいな、と思っている1本。脚本にはビリー・ワイルダーが参加していた。ロメールのようなタッチも感じた。1930年、ナチスが台頭する直前の、ベルリンの平和な日曜日の人々。私の憧れの日曜日が映されていた。
Noël Coward

ルビッチ「生活の設計」について調べるため、「ルビッチ・タッチ」を読むと、「期待されるにじゅうぶんな企画でありながら、どこかでつまずきを見せた作品」「今回はいつもの妙技の再現はならなかった」「俳優たちもそれぞれに魅力はありながらも、ラント夫妻とカワードのトリオとくらべれば、見劣りするのは是非もなかった」とあり、ノエル・カワードの戯曲の映画化で、舞台の方は大好評を博していた、と書かれているのだけれど、あの映画の出来をもって、舞台版の魅力には及ばないなんて、舞台の方はさぞかし面白みの最上級に位置していたのだろうか。
名前はしょっちゅう耳にしながら、ノエル・カワードについて詳しく知らない、と思ったので、簡単に調べてみると、wikipediaだけでもはや面白い。
「人生はうわべだけのパーティー」と考える彼は、真剣に人を愛したり、真剣に国を愛したり、真剣に人生に悩んだりすることを極端に嫌った。シリアスな人生劇より、洗練された喜劇を好んだ。
第二次世界大戦が始まると、「戦争は憎しみの舞台。芝居という魅力の舞台に立つ者には最も不向きなものだ」とカワードは発言し、戦争支持の風潮に背を向けた。そのため、非国民のレッテルを張られ批判された。その時、チャーチルは「あんなやつ、戦場に行っても役に立たない。一人ぐらい恋だ愛だと歌っているヤツがいてもいい」と旧友を弁護した。
ルビッチ・タッチとも相性の良さそうな人だこと。私好みの思想の人である(深刻なのキライ)。チャーチルの弁護もいい。20年代のファションにも影響を与えたそうで、いくつか画像を見てみても洗練されており、若い頃も年を重ねてからもフォトジェニック。俄然、カワードと同時代にタイムスリップし、30年代の観客として「生活の設計」を観てみたい妄想に駆られる。30年代の舞台を観ることはできなくても、30年代の映画は観るチャンスがあるのは、複製芸術の素晴らしいところだけれど。
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