鶴岡

今月中に消化する必要のある夏休みを取得することにして、週末+αで旅に出た。
療養を兼ねたかったので、外に一歩も出ずとものんびり楽しめそうな宿を選んだはずだったのに、街について調べるうちに魅力的な映画館があることがわかり、古い教会や博物館、食事も素晴らしそうなことを知り、街に出るとあちらもこちらも気になって、気がつけば毎日12kmほど歩き回っていた。温泉にも入り、すっかり元気。
庄内空港からほど近い山形県鶴岡市、お隣の酒田市とあわせた庄内エリアは『おくりびと』や『たそがれ清兵衛』、最近では『殿、利息でござる』など、ロケ地として頻繁に登場する映画の街だった。映画村もあるらしい。

旅行中、一度行けたらいいな、と考えていた「鶴岡まちなかキネマ」では2日連続で映画を観た。
宿(昨月オープンした建築方面で話題の宿/詳しくは追って)に泊まることだけが目的だったのに、1ヶ月前には何も知らなかった街のことをあっという間に気に入るなんて、旅の理想では?徐々に旅日記を書いていきます。
ナヒード

2016年なら国際映画祭コンペティションでグランプリを獲った『ナヒード』について何も書いていなかったので、薄れゆく記憶の底から断片をさらってメモ。
イラン映画、どれを観ても粒ぞろいに面白く、文化のギャップも日本暮らしの私には目新しく、アスガル・ファルハーディーを筆頭に複雑に絡まった伏線がパズルのピースを埋めるように回収されてゆく見事な脚本、イラン映画というだけで鑑賞後の満足度はある程度は保証されている…という安心感。
けれど、何年か追いかけるうちに、やがてその質の高さに食傷気味になってきた。結婚前、自由恋愛は許されても、肉体関係を持つことは許されていない女性たち。詳しくないけれど、私が映画の中で出会った女性たちはすべからくそうだった。婚約中に他の男性と歩くだけで禁忌に触れるおそれがあり、気に病んだ女性が自殺する結末に至った時は、何がいけなかったのか理解できず、ひとしきり調べてみたこともあった。
イラン映画を観た後にモヤモヤした後味が残り始めたのは、そんな女性たちの選択肢の多くはない生き方が、物語を駆動させるための道具として便利に使われているように思えたからかもしれない。箱の中の美しい小鳥を緻密に観察はしても解放はしてくれない映画たち。
『ナヒード』が印象に残っているのは、あちこちにぶつかって傷をつくる女性の姿を、揺れる気持ちを揺れるままに描写し、巧く物語に回収しなかったからかもしれない。男だ女だという主語で語るものではないかもしれないけれど、女性監督が撮ったイラン映画を観たのは初めてだったはずで、私にはずいぶん新鮮だった。
『ナヒード』
http://nara-iff.jp/2016/films/internationalcompetition/niff4952.html
9月に開催される第5回なら国際映画祭で、『ナヒード』のアイダ・パナハンデ監督が奈良で撮った映画が上映されるようです。天理市で撮影。
http://nara-iff.jp/narative/narative-2018.html
【本日更新】Cinema on the planet 008 なら国際映画祭

本日更新しました。
映画にまつわる場所を巡るリレー連載「Cinema on the planet」第8回は奈良出身の私が案内する「なら国際映画祭」。2年に1度開催される映画祭、この秋に第5回が開催されますが、前回(2016年)参加した時の記録です。
奈良で撮影された映画を観るといつも、あんなに何もない場所でも映画って生まれるんだなぁ…と考えます。そしてその後、いやいや、あんなに特徴のある場所なんて滅多にない、映画にぴったりじゃないか、と真逆のことを考えます。やっぱり好き、やっぱり嫌いが地層のように降り積もったふるさとへの「適度な距離感」なんて永遠に掴めないのかもしれません。
たくさんの鹿、たくさんの映画の隙間に子供の頃から通ったお好み焼き屋も登場します。読み終わって、なんだか奈良っていいところなんだな、と思っていただけるなら、やっぱり少し誇らしい気持ちになるのだと思います。奈良人として。
ラストエンペラー

北京、香山公園から見下ろした紫禁城。あまりに暑いので現実逃避気味に秋のこと、洋服、靴、コスメなどなどをチェックしてみる中、ADDICTIONの秋冬テーマが「ラストエンペラー」と知った。
こちら!
https://www.fashion-press.net/news/40890
『ラストエンペラー』に溢れる色、紫禁城の壁、衣装、装飾品…から抽出した色をなかなか忠実に再現しているけれど、肌馴染み、コンサバオフィスメイク、愛され顔…などのキーワードからかけ離れた振り切りっぷりが潔いですね。似合う気はしないけれど、所有して飾りたくなる感じ。案外、塗ってみると似合ったりするのかなぁ。
映画『ラストエンペラー』、贅沢に紫禁城でロケして当時の宮廷生活の再現度も高かろうに、誰もが英語を話す点はおおいに違和感があった。なんとなく、もったいない映画だな、中国語を話してくれれば良かったのに、という感想。言語は映画の最初から最後までの問題なので、最初から最後まで落ち着かなかった。
香山は紫禁城の北にある、風水に配慮して人工的に作られた低めの山。頂上まで登ると、紫禁城を一望できる。夕陽を眺めたくて登ったけれど、曇りではなく、空気汚染問題で霞んでほとんど見えなかった。以下の写真の右端にうっすらと映るオレンジの円が私が見た夕陽である。情緒も何もないね…。

南へ

GW、台北の原稿を書いて更新し、部屋の片付けに明け暮れていたら、旅の欲が高まった。熱が冷めないので、行きたい場所のこといろいろ調べはじめた。マイルの有効期限も迫っていることだし。
部屋の片付けと旅の欲が何の関係があるのかというと、ひたすら持ち物を処分しており、やっぱり自分は物質にはたいして興味がないから、お金は何かを買う、形あるものを手に入れるためではなく、旅のような記憶に残るけれど形には残らないものに使うほうが性格に合っている、と改めて思い知ったから。映画を好きなのも、道具の要る趣味ではないし、形に残らないからという理由もあると思う。
次は台南かな、と思っている。時間がとれるならフランスやポルトガル行きを妄想していたけれど、しばらく仕事が立て込んでいて長い休みは秋までは無理そうだから近場で。李安(アン・リー)も通ったという映画館に行ってみたいことと、去年観たドキュメンタリー『日曜日の散歩者』が素晴らしかったから。
【本日更新】Cinema on the planet 007 Taipei Cinema Trip 後篇 台北電影散歩

本日更新しました。
映画にまつわる場所をめぐるリレー連載「Cinema on the planet」第7回は、私の台北旅行記。後篇は台北電影散歩。
旅の目的「台北電影節(映画祭)のメイン会場・中山堂で映画を観る」を早々に果たした後は、思いつきで街をうろうろ。映画祭のこと以外は何も調べてこなかったのが逆に功を奏したのか、興味関心にどこまでも忠実な行動の記録になりました。振り返ってみて、すべからく旅はこうでありたいな、と。写真豊富ですので、多くはスライド式で掲載しています。どの写真も、ぜひご覧になってくださいね。
夜市に台湾料理、ガイドブックに載りそうな観光名所も何ひとつ出てこない、ある映画好きの台北散歩、お楽しみいただければ幸いです。
http://www.cinemastudio28.tokyo
前篇「台北電影節(台北映画祭)」はこちら
http://cinemastudio28.tokyo/cinemaontheplanet_007_part1
台湾、人気の観光地なので頻繁に行く方も多いかと思います。登場する場所は28mapにマークしていますので、お役に立てば嬉しいです。
Cinema Studio 28 Tokyo Map (google my map)
法善寺

屋久島には伊丹空港から往復したので、東京に戻る途中、大阪にも京都にも一瞬だけ立ち寄り。大阪、いつぶりだろうか。難波界隈で食事したので、ついでにぶらぶらと法善寺へ。

いこさん連載第5回で取り上げた映画『夫婦善哉』でおなじみのお店。満腹だったので入らなかったけれど、過去に入って食べたことあったかなぁ。覚えてないなぁ。

貼られていたポスターは、森重主演の映画版ではなく、森山未來主演のNHKドラマ版のもの。

1人前が2つのお椀に分かれているから、1人でふたつ食べてもいいし、2人で分けて食べてもいい。

こちらの説明看板には、織田作のことも映画のことも書かれていました。
公式を調べてみて知ったことに、夫婦善哉のお店、和食さとを経営してる会社なのね。驚き。
https://sato-res.com/meotozenzai/history/
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