【本日更新】Cinema on the planet 005 松山旅行記後編 市内観光
本日更新しました。
映画にまつわる場所を巡るリレー連載「Cinema on the planet」第5回はグラフィックデザイナー・川畑あずささんの松山旅行記。前編・伊丹十三記念館に続き、後編は市内観光。
松山、海あり山あり城あり温泉あり、路面電車もあって、なるほど多くの映画の舞台になるのも納得の魅力的な街なのですね。松山で撮られた映画は他にもあるけれど、あずささんが思い入れのある映画のチョイスにも個性が光ります。
映画に出てきたお店でご飯を食べて、ロケ地を巡り、地元の人に混じってミニシアターで映画を観たり。映画は時々、見知らぬ街に私たちを連れて行ってくれるなぁ!と、しみじみするユニークな旅行記です。
美味しそうな食べ物も満載で、行きたい場所リストに加えくたなること間違いなしの後編、どうぞ楽しみください。
こちらから!
前編はこちら
https://cinemastudio28.tokyo/cinemaontheplanet_005_part1
Cinema Studio 28 Tokyo map、じわじわ充実。マーキングみたい。
Cinema Studio 28 Tokyo map(google map)
【本日更新】Cinema on the planet 005 松山旅行記・前編 伊丹十三記念館
残暑お見舞い申し上げます。本日更新しました。
「映画にまつわる場所」を巡るリレー連載Cinema on the planet第5回は、グラフィックデザイナー川畑あずささんの松山旅行記。前編は伊丹十三記念館をたっぷりご案内いただきます。
映画をきっかけに知り、エッセイを読み、マルチな活動に触れ、会いたい気持ちが高まって、ついについにはるばる会いに行った大好きな”おじさん”!あずささんのワクワク、ドキドキが伝わってくる大充実の内容です。記念館の素晴らしい建築も”イタミスト”の中村好文さんによるもの。「好き」のエネルギーって改めて、強くて尊いのですね。伊丹作品を総復習して、私も早く行かなきゃ。世界中の伊丹ファンにもこの記事片手に松山に向かってもらえたら嬉しいなぁ。
取材にご協力いただきました伊丹十三記念館の皆さまに御礼申し上げます。
*企画展は2017年5月時点のもの。収蔵庫ツアーは毎年、開館記念日の頃に開催されます。写真は許可を得て撮影していますので、これから訪問される方はご注意くださいね。最新情報は記念館サイトをチェック!
それではどうぞ、お楽しみください!
memo : 映画祭
メールのやり取りで一昨年の秋、小津安二郎記念・蓼科高原映画祭に行ったことを思い出し、急速に高まる旅気分。
長時間労働は悪!の風潮盛り上がる昨今、仕事きっちりしていればじゃんじゃん休みなさい、え?夏休みで台湾行ってきたばかりですけど?、それはそれこれはこれ、有給もとりなさいモードになってきておる。良いこと!映画の秋、行ったことのない映画祭に行きたいナー!
小津安二郎記念・蓼科高原映画祭は、松竹がしっかり協賛して回を重ねている、運営もしっかりした映画祭だった。ゆかりのゲストを招いて小津映画の上映を行うほか、新しい日本映画もかかり、映画館のない(おそらく)蓼科界隈で、地元の人にとってはスクリーンで映画を観られる貴重な機会でもあるのかな。
ボランティアと思われる方がたくさん運営に参加していて、市民ホールや映画館の前がちょっとしたお祭りっぽく盛り上がっており、コーヒー、ポップコーン、名産の寒天のお菓子、田楽、おでん…等、じゃんじゃん軽食が、いかがですか?どうぞ!と無料でいただけるのが暖かくて最高。寒天のお菓子が美味しくて、帰りに茅野駅でかんてんぱぱ製品、買って帰ったもの。そして数メートル先で、おでんを食べるゲストの司葉子さんを眺めながら上映を待つのんびりしたムードも魅力的だった。
現在の関心は、山形国際ドキュメンタリー映画祭に行けるかな?ということ。サイトをチェックしていたら、フィルムライブラリーで過去の応募作品が観られたりもするらしく、素晴らしい。
http://www.yidff.jp/library/library.html
それから、映画祭サイトのリンクページ、国内外の映画祭が開催時期別にまとめてあって、助かる!と思ったのでメモ。(私が今年行った台北電影節は載ってないけれど…)
http://www.yidff.jp/links/links.html
世界で唯一の活字屋「日星鑄字行」
台北でお買い物しに行った場所。活字屋さん「日星鑄字行」。活版印刷の活字を現在も作り続ける台湾で唯一の活字屋。そして繁体字の活字を製造するのは、世界広しといえども唯一、ここだけらしい。
中国語を話す・学んだ人にはお馴染みだけれど、中国語の表記には大きく2種類あり、簡体字は大陸で使われているもの。筆記の簡略化を目的に開発された文字という理解なのだけれど合ってるのかな。日本の漢字より省略されていて、私はこちらに慣れており、何かしら自分用にメモする時、画数が少ないので簡体字でメモすることも多し。そして繁体字は中国語的にもクラシックな文字で、画数が多く、香港や台湾で使われている。
「日星鑄字行」は繁体字を製造する唯一の活字屋ということに加え、台湾ならではの特徴と言いましょうか、日本統治時代の名残か、日本語のひらがな、カタカナの活字も製造しており、それらを組み合わせて印鑑を作ることもできる。私も欲しいし、活字好きな人の多い私の周りの人々へのお土産としてもいいかも?と、google mapに連れて行ってもらう。MRT中山駅ほど近くの路地にある。
入り口の注意事項(引っ掛けて活字の配置を乱す恐れがあるので、荷物は棚に置く…等)を読み、荷物を預け、中に入ると、この光景。
活字だらけ!活字が詰まったこの棚が1階にぎっしり、奥に活字を製造する機械も。地下にも活字棚があるらしい。気が遠くなるような活字の量…。
印鑑を作るための組み合わせ見本。活字のサイズがいろいろあり、組み合わせて作ることができる。書体も楷書、明朝、ゴシックの3種類だったかな。メモがあったので作りたい印鑑のレイアウトを書き、棚を見つめながらイメトレ。漢字、ひらがな、カタカナだけではなく干支の動物や、星、ハートマーク、アルファベットもあり、組み合わせは無限大。
メモを持って真剣に見ていたので、こいつは本気っぽいと思われたのか、店員さんが声をかけてくれた。こういうのを作りたいんですけど…と相談し、書体は楷書で、と伝えると、滑らかな動きで活字探しを手伝ってくれる。こんなに活字があるのに、どこに何があるか覚えてるなんて…!と驚いて、何がどこにあるのか覚えてるのですか?と質問すると、覚えられないわよ!でも、日本にも辞書があって辞書を引くルールがあるでしょ?ここの活字は台湾の辞書のルールで並んでいるから、辞書を引くことができれば探し出せるのよ!と教えていただく。
プレゼントする用の活字は、ひらがなが含まれており、店員さんに、ひらがなは私より日本人のあなたが選ぶ方がいいわ!と言われ、ドキドキしながらピックアップ。何が難しいって、左右反転してるから合ってるのかどうか想像しながら選ぶしかない。相談しようにも店員さんは台湾の方だからこの分野は私の方が正解を知ってるんだわ…。「ず」を選ぶ必要があって、濁音の活字が がぎぐげご しか目に入らなかったので、「この傍に2つ点があるの、これ以外にありますか?これがあるかないかじゃ大違いなので、ないと困ります!」と一緒に探してもらう。「ず」は無事に見つかり、もはや店員さんとのコンビネーションもばっちりで、和気藹々と活字チョイス完了。
自分用には「Cinema Studio 28 Tokyo」を、せっかくなので繁体字表記にしてみたくて「電影(Cinema )工作室(Studio)二十八(28)東京(Tokyo)」の印鑑を作ることにし、繁体字の活字がここでしか買えないのであれば、数字の二十八も二じゃなくて弐にするなど、クラシカルな表記を選びたくて、でもどう説明すれば伝わるのか不明だったので、二の横にメモで「難写的」(書くの難しいやつ)って書いておいたら、店員さんに、この「難写的」って何?って聞かれ、台湾で今でも使われているのかわからないけれど、旧漢字というか、画数の多い漢字で書く数字を探したいと説明したら、「二十八」でセットだと思うので、二だけじゃなく二十八全体を難しい文字にした方が良い、と的確なアドバイスをいただく。素晴らしい!それでいきましょう!二十八の難しいバージョン、どういう漢字か思い浮かばないけれど、わかりますか?と聞いたら、店員さんも書けないけれど、文字を見ればそれが数字ということはわかる、と言われたのでお任せして選んでもらった。
そして出来上がったのが、こちら!
わー!これで二十八だなんて誰もわからないけれど、台湾っぽくて嬉しい!繁体字!ある程度の読み・書き・喋りはできるけれど、馴染み深い中国語は簡体字なので、繁体字は私にとってもエキゾチックで、漢字という文字そのものの魅力に溢れたかっこいい文字、という印象です。
活字を選び終わり、お会計のマダムに渡し、印鑑にするものは活字を組み合わせてガチッと印鑑ケースに入れてもらう。いろんな色の朱肉から欲しいものを選び、お買い物終了。欲しいものちゃんと買えてうれしかったです、ありがとうございました!と店員さんに伝えると、あなた…やるわね!との言葉をいただきました。やるわね、いただきました(ガッツポーズ)!
このピンクのトップスの方がこの度大変お世話になった店員さんです。
お店は営業時間であれば個人客でも入れ、お買い物可能。日本語を話す人はおそらくいないと思うけれど、こういうものを作りたい、とメモで書けば一緒に探してもらえるはず。
お店の紹介はこちら(日本語)
http://www.taipeinavi.com/shop/479/
台北でのお買い物は、この印鑑と最終日に買った本1冊。28関係の手紙を書く時など、ばしばし押していく所存。
牯嶺街のペンギン
台北、牯嶺街にも行ってきた。少年殺人事件があった場所ではあるけれど、ロケ地ではなく、別の場所で撮られていると思う。それでも「牯嶺街」の住所表記を見ると、写真を撮らずにいられない。
小劇場!ここがミニシアターで、夜な夜なあの映画がかかっていたらベタながら最高!だけれど、演劇の劇場。
いちいち牯嶺の文字に反応する私。牯嶺街の入り口あたりに、立派な郵便博物館があり、そのため牯嶺街は古切手、古紙幣を売る店が多い。
牯嶺街はMRTで2駅ほどの長い通りで、隅から隅まで歩きたかったけれど、この日すでに2万歩ほど歩いた後だったので、半ばのベンチで休憩し、引き返した。次に行くことがあれば歩き切りたいものです。天気が安定せず、雨が降らない隙間を縫って行ったけれど、やっぱり次は夕闇の牯嶺街を歩いてみたい。
何やらポップな壁画が描かれていて…。子供の白痴っぽい表情が怖い…。でも、見逃しませんでした。上の方に、見慣れた鳥類がいることを…。
ペンギン!卵をあたためてる…?ちょっとあなた、牯嶺街で何やってるのさ!と語りかけたくなるような呑気さで、私が歩いた証を残すように牯嶺街にペンギンがいたこと、ここに報告いたします。
牯嶺街は郵便マニアと地元の人以外は特段行くことのなさそうな静かでローカルな通りだったので、写真を撮ってる人がいたなら、きっとあの映画のファンだと思う。
http://www.bitters.co.jp/abrightersummerday/theater.html
旅と映画
この時期特有の、ということだろうけれど、台北は急に天気が変わり、折りたたみ傘必携だったけれど、晴れ・曇りの間になるべくあちこち動くことを心がけたら、昨日で台北といえば!台北っぽい!ことを全部終え、今日はのんびり過ごした。台北は2度目で、故宮博物院も夜市も以前行ってるので今回はパス。あくまで映画がメイン。
朝から南港という駅まで行った。遠かった…。駅前にある巨大ショッピングモールに入るシネコンでかかっている、ホン・サンス「夜の海辺で一人」を観るため。日本でも公開が決まったと聞くけれど、いつ観られるかは不明なので、せっかく予定が合うならば…と。どうやって探しても台北でかかっているのはその映画館のみで、台北のはずれにあってはるばる出向かなければならない。ベルリンで受賞の話題性もあるし、映画祭でかかってもおかしくないのに…と思いながらMRTに揺られ、どこ…?という駅で降り、不思議なショッピングモールの中を抜けて。ホン・サンス愛を確かめられているみたい。
そうやって観た「夜の海辺で一人」は、わざわざここまで来て、韓国映画&中国語字幕という環境でも観て、良かった…としみじみする素晴らしさだった。一人の女性の彷徨の物語だから、旅先で観るのにぴったりの映画でもあった。
旅に非日常を求める人もいるけれど、マイペースな私は、普段どおりのことをしたがるほうで、映画を観て、書店に入り、喫茶店などで軽めの食事をする…という日常はどこでも変わらない。それでも旅先で観る映画は染みるのは、生活の場所じゃない分、孤独が何割増しだから、なのかも。
…と、この日記は、部屋のバルコニーから書いてるのだけれど、さっきから視界左上が明るいぞ?と見上げてみたら、月の存在感。今日は満月、しかも山羊座の満月(私は山羊座)。素敵な満月を、台北で見られて幸せです。
台北は雨
朝から移動し、午後、台北に到着。桃園空港でSIMを購入、入れ替えて(使ってるiPhone、SIMフリーなのです。とってもおすすめ)天気予報を改めて観ると、雷雨だった。台湾のSuicaのようなICカードも手に入れ、MRTで台北駅に向かう。途中、雨足の強い時間があった。
台北駅に到着し、外に出てみると、重い曇り空だけれど、雨は降っていない。目の前の風景がこんなで、重い空と重厚感ある建築…帝都っぽさに溢れている。魔都って言葉も似合いそう。ともかく、様々な映画が生まれそうな風景だった。見えているのは、北門郵便局。
ほら!映画のセットみたい。あの黒い塔の高いところに、悪いやつが棲んでるの…。
など妄想を掻き立てられる建物ばかりで、大変よろしいわ、曇り空も悪くない。荷物は少なめ派なのでそのまま西門まで歩き、中山堂へ。ここがメイン会場になっている台北電影節(映画祭)で映画を観るのが今回のミッション。日本からチケットを買えなくて(台湾の「ぴあ」のようなサイトで買えるらしいけれど、買うには台湾の携帯番号が必要。日本から買う方法はないのかな?と映画祭事務局に問い合わせてみたら、今のところないとの返事がきた)、ドキドキしながら明日のチケット買えますか?と聞いてみたら、前の方でもいいですか?と言われ、いいです!と答えたら、日本の券売システムに似た埋まった席と空席が色分けされている図を見せられ、列と席を選ぶことができた。いつも前方で観ているのでむしろ良かった。買えた!
ホッとして西門からMRTでホテルへ。最寄りの駅に着き、外に出ようとしたら、出口に人が溜まってる…。?と思えば、ものすごい雨の音。地元の人も歩くのを躊躇する土砂降りの雨…。
こうやって待ってるってことは、現地の人は、通り雨だと思ってるのかしら…?と、しばらく一緒に待ってみたけれど、あがる気配がないので、意を決して歩く。それほど遠くはなくて助かった。
考えてみれば、台北に来るとき、いつも雨が降っている。何日も続く。だから私は、晴れた台北を映画の中でしか見たことがない。今回は見られるかな、と思ったら、天気予報はずっと雨。ホテルの受付でも慰められ、明日は天気良くなりますよ、と言ってもらったけれど、明日の予報も雨。日本ではそんなことないのに、台北限定雨女らしい。
蔡明亮「Hole(洞)」。映画の最初から最後まで雨が降ってジメジメしていて、私の中の台北に最も近いのは、あの映画だと思う。
晩安、台北!
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