Cinema Radio 28/第2回更新しました ゲスト:中本陽子さん(ピアニスト)

音声配信 Cinema Radio 28、本日更新しました。
第2回は中学時代からの同級生で現在フランス・パリ在住のピアニストの友人がゲストに来てくれました。前回から会話のトーンが変わって驚かれるかもしれませんが、途中から関西弁になります。古くからの友人同士の映画にまつわるおしゃべり、どうぞお楽しみください。
■Cinema Radio 28とは?
WebマガジンCinema Studio 28 Tokyo主宰・辻本マリコが毎回ゲストを招き、「映画にまつわる28の質問」からゲストに数問選んでいただき、映画にまつわる人生の記憶や思い出、好みや妄想についてお話しを聞いていきます。
■第2回ゲスト
中本陽子さん(ピアニスト)
https://www.instagram.com/yoko_nakapf/
ありがとう、京都みなみ会館/パリ在住ピアニストたまちゃん/パリ同時多発テロの夜とその後/うちらなんであんな映画観たん?/黒澤映画とコーカサス地方の音楽/映画史上初の映画音楽を演奏/真夜中のNHKドラマ/シーモア先生、人生の教え/遠くへの旅、内面の旅
以下、右下の▶︎をクリックで聴けます。
京都みなみ会館はこちら
https://kyoto-minamikaikan.jp/
■聴きかた
◎このサイトから聴く
最新の放送回から順にアーカイブしています。▶︎をクリックで聴けます。
https://cinemastudio28.tokyo/cinemaradio28
◎stand.fmで聴く
<Webから>
stand.fm/Cinema Radio 28チャンネルより放送回の▶︎をクリックで聴けます。
https://stand.fm/channels/627530b7fd1be6fc4649d435
<アプリから>
アプリストア(AppStore / Google Play)よりアプリを無料ダウンロード、Cinema Radio 28を検索してください。
海外からもアプリ利用・聴取可能です。
■Music
オープニング・エンディングの音楽はジャズベーシスト・川本悠自さん演奏のMoon Riverです。Youtubeで是非どうぞ(Youtubeはこちら)

【お知らせ】柳下美恵のピアノ&シネマ2023


お知らせです!
4/29〜5/12の2週間に渡り、横浜シネマジャック&ベティで開催される『柳下美恵のピアノ&シネマ 2023』、4プログラム9作品の中のDプログラム(バスター・キートン『キートンの即席百人芸』、エルンスト・ルビッチ『花嫁人形』)の5/2(火)上映後のトークに登壇させていただきます。
映画について人前で話すことに慣れていないけれど、なにしろ!最愛の!エルンスト・ルビッチ!のためなら!という気持ちです。
どんな人生を生きる人でも、自分がのびのびといられて、自分も気づかなかった魅力を引き出してくれる相手との出会いは貴重なもの。監督エルンスト・ルビッチ&主演オッシ・オズヴァルダの組み合わせは、わぁ!ふたりが出会えて良かった!とウキウキする多幸感に溢れています。とりわけ『花嫁人形』は100年後の観客すらニッコニコにさせる会心の一撃。冒頭からあまりのオシャレさとキュートさに打ちのめされることでしょう。
素敵なチラシは28のデザイナー・川畑あずささんによるもの。Dプログラム、ルビッチの名前の下に自分の名前があるのを見て、きゃあああああ推しの名前の下に私が….なんと尊い…と高揚しました。
そんなわけでGW、横浜で!詳細はこちらです。
https://www.jackandbetty.net/cinema/detail/3150/
Weekly28/Cine-Piano/兎

週末、サイレント映画ピアニスト柳下美恵さんの上映会に伺いました。
会場は川崎市アートセンター アルテリオ小劇場。新百合ヶ丘駅から徒歩数分。川崎市に足を踏み入れるの、ずいぶん久しぶり…。こちらのイベント。午後のオトナの部。
https://kawasaki-ac.jp/th/theater/detail.php?id=000481

しっかり傾斜のある座席で、スクリーンも大きく、鑑賞しやすい会場でありがたい。

最初はアリス・ギイ監督の短編作品集。アリス・ギイはゴーモン社のタイピスト・社長秘書として働くうち、リュミエール兄弟のシネマトグラフ上映を社長と観て、私ならもっと面白いものを撮れる!と主張。かくして世界初の女性監督が誕生!というユニークな経歴の人で、フランス・アメリカで活躍し生涯で撮った映画の数なんと1000本…。数分程度の超短編も多く含まれているそうだけれど、それにしても、なパワフルさ。
今回観た中では『ビュット=ショーモン撮影所でフォノセーヌを撮るアリス・ギイ』(1907年/2分)は、この時代の映画で、私は初めて観る「メイキング動画」で、こんな映像が現存しているなんて、と新鮮な驚き。撮影風景の絵画のようなエレガントさも素晴らしく、映画最初期のクラシカルさが好きなのだけれど、時代の風俗や服装がフィクションに反映されるのだから、撮る側の人たちも映画の中身同様にクラシカルなのだよな、と当たり前のことを再確認した。
そして『フェミニズムの結果』(1906年/8分)。フェミニズムの活動・主張の結果として、女性が男性的な役割を獲得し、男性が女性の役割を担う様子が描かれており、ちょうど今、NHKドラマ版を観ていることもあって、男女反転した大奥を描くよしながふみ版『大奥』の1900年代・フランス庶民バージョンのような映画で驚いた。権威的に振る舞う女性たちがカフェで談笑し、女性を支える役割の男性が育児や家事にいそしむ描写や、ジャケットとスカートのセットアップ、帽子までは女性の装いとして不自然ではないけれど、そこにネクタイとステッキを加えることで「男性的な役割を獲得した女性」を衣装で表現しているのが興味深い。
アリス・ギイ、世界初の女性監督という物珍しさに加えて、その立ち位置を存分に活用した批評性もしっかりあって面白い。なんというか、さすがリュミエールを観て、私ならもっと面白いの作れるけど!ってばんばん行動に移していくような本人のキャラクターがしっかり作品に滲み出ている。
後半は待望のエルンスト・ルビッチ『花嫁人形』(1919年)。何度も観ている映画だけれど、演奏つきで観るのは初めて。今回は柳下さんのピアノに加え、フルート、ヴァイオリンも加えたトリオ演奏での上映で、トリオならではの音の厚みや、声も使った(ニワトリの声!)演奏で、ただでさえ楽しい『花嫁人形』が、さらに楽しいものになっていた。
『花嫁人形』、ルビッチのドイツ時代のミューズとも言えるオッシ・オスヴァルダが主演で、久しぶりにオッシにスクリーンで再会できた喜びで胸がいっぱいになったけれど、改めてまじまじと観ると、その表情や間合い、なんと素晴らしい喜劇人であることよ。ルビッチとの相性はもちろん、オッシであれば吉本新喜劇であっても、現代のコントであってもすんなり馴染みそうなコメディ基礎体力の高さ。作られてから1世紀以上経つのに、上映中ずっと笑いが溢れていて、笑いにも流行があるけれど、これほど普遍的な笑いもあるのだな。
ルビッチとオッシのコンビでは『男になったら』も大好きなので、ルビッチの『男になったら』と、アリス・ギイ『フェミニズムの結果』の併映も観てみたい。男性/女性監督それぞれが描く女性が男性に・男性の役割になったら、の物語、見比べると面白そう。
<最近のこと>

コロナ禍の年始の過ごし方として、なけなしのお正月気分を味わうために楽しみにしていた東京国立博物館での恒例イベント「博物館で初もうで」。今年は会期ギリギリに駆け込みました。
https://www.tnm.jp/modules/r_event/index.php?controller=past_dtl&cid=5&id=10799
ドヤ顔っぽい表情の伊万里焼の兎を楽しみに行き、実物のドヤ感も可愛かったのだけれど、びっくりしたのはこちらのうさ耳の兜!

江戸時代・17世紀のもので「左右には兎の耳を模した脇立を付け、背面には𩊱の上端を波形にしています。兎は動きが素早く多産であることから、戦国武将にも好まれました」のキャプションがついていたけれど、戦場でこんな可愛い兜を身に着けた武将を見たら、戦闘意欲が減退して、まぁ…仲良くしようや?って停戦気分になってしまいそう。
お引越し

ものの見事に映画の春、映画の夏を逃し、いよいよ夏も最終日。今年の8月は引越しに明け暮れた。
8月の引越しはあまりよろしくないと何かで読んだので少し調べてもみたけれど、シンプルに夏をなめてはいけない、暑すぎ注意!ということでは。猛暑の中、普段より活動量はどうしても増え、動いた分しっかり休むことも慌ただしさゆえ難しく、とにかく暑さと疲労で8月の記憶が薄い。もしまた引越しすることがあるとして、絶対に夏は避けねば、という学びを得た。
長らく暮らした、ヌーヴェルヴァーグが撮れそうな日本らしからぬ内装の部屋で最後、フレッド・アステアのレコードをかけて別れを告げた。
たくさんの人が遊びにきてくれたし、このサイトもこの部屋に篭って作ったものよよよ…なんてしんみりしちゃうけれど、隣の町に引っ越しただけです。
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この部屋で最後の音楽 #お引越し #fredasteire ????
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Trouble in paradise

寒いところに行った疲れがどっと出て、連休ほとんど外に出なかった。借りていた『極楽特急』のDVDを観る。久々のマイダーリン!ガストン・モネスク様!あいかわらずエレガント。ハーバート・マーシャルの身のこなしの美しさよ。
『極楽特急』を観るたび、オープニングの曲、メロディも歌詞も完璧でうっとりする。目下、自分の葬儀で流してほしいから遺言に書いておかなくちゃソング第1位である。
夏の日の歌

土曜の東京は風がつめたくて、ずっと外にいたら凍えてしまったけれど、新しい季節のために軽やかな素材のワンピースを手に入れたら、次の季節は春と信じられ、その次は大好きな夏と思い至るとSpotifyを立ち上げ『夏の日の歌』を聴いた。
広場でのお祭りで赤いスパンコールのドレスを着た双子姉妹が歌い踊るこのシャンソンは、歌詞も素晴らしい(こちら)。踊るような気分でiPhoneを眺めていると、ミシェル・ルグランの訃報が流れてきて驚く。
生で聴くチャンスを逃し続けてしまった。機会はたくさんあったはず。会いたい誰かにはさっさと会いに行かなければ。これから先もずっと人生に寄り添ってくれるであろう素敵な音楽をありがとうございました。
RIVER

空気は冷たいけれど、光に春が混じりはじめている。など思いながら皇居のお濠あたりを歩いていると、イヤフォンからtofubeats『RIVER』が流れてきた。
Spotifyによると2018年、私がよく聴いた曲ランキング第3位は『RIVER』らしいけれど、映画『寝ても覚めても』の主題歌に決まった、と公開前に情報が流れてきた後、映画を楽しみに確かに何度も聴いたけれど、映画を観てからはあまり聴いていない。
『寝ても覚めても』の本編が終わり暗転した後、すぐに『RIVER』が流れてくると、私による私のための私だけの余韻に私の気の済むまで浸っていたいのに、隣にいるシュッとしたメガネ男子(架空)が観たばかりの映画の主旨・戦略・要点・自論を理路整然と語り始めてしまって興ざめするような、ちょっと黙っててくれないかなぁって気分になりませんか。って誰に話しかけてるのかわからないけれど、私は少しそんな気分になった。
こちらのインタビューを教えてもらって読んでみたところ、
https://www.pola.co.jp/we/digital/tofubeats01/
ああ、「国語の問題は文章の中に絶対答えが書いてあるねんから、絶対100点とれるんや」思想で作られた主題歌に、「それはあなたの答えであって、私のではない」って抵抗したくなるよね、と少し腑に落ちた。
しかし年明けにテアトル新宿で3度目の『寝ても覚めても』を観ると、これまでより『RIVER』への抵抗が薄れていたのは、それまでヒロイン・朝子さんの気持ちで観ていたけれど、3度目ともなると俯瞰で物語を捉えるようになって、朝子の行動も周囲の反応も、♪きっと目に映るすべてのことはメッセージ〜♪って思えたからかもしれない。同じ映画を何度観るのは楽しいこと。自分も変化するから。
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