早朝
早朝!と言っても8時台。躑躅の季節は激混みの根津神社も早朝なら地元民のもの…と思えば、早起きの観光客もちらほら。まだしばらく咲いているから、もっと早い時間に再訪しようかな。
森鴎外旧居が、水無月ホテル鴎外荘という上野寄りの旅館の敷地内にあったけれど、旅館が廃業してしまった。行き場をなくした森鴎外旧居は、根津神社に移築されるらしい。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/207353
躑躅
桜の開花が遅かったせいか、桜が散って躑躅が咲くまでの間隔が大幅短縮されて、今がいつなのか調子が狂う。
『悪は存在しない』、公開してすぐに観る予定だけれど、何度チェックしても東京で2館だけなのが信じられない。あの『ドライブ・マイ・カー』の濱口監督の最新作が?2館のみ?せめて前売りでも買うかな、とチェックしたけれど前売り情報もなくて驚き。
けれどWebで読んだインタビューを読んですこし納得。このくだりとか。
『ドライブ・マイ・カー』で「第94回アカデミー賞」国際長編映画賞を受賞した直後は、一気にいろいろなお話をいただいたのですが、自分がやるべきか判断がつかなくてまごまごしているうちにずいぶん落ち着きました。
自分自身の映画作りの基準を保ってきているから、これまで映画を作ってくることができたと思っています。そういう基準を変えずに映画作りができるパートナーかどうか、ということの判断は、短期間ではつけることができません。
あとは、その企画や映画自体がおもしろくなりそうだという確信が得られなければやらないとも思います。「アカデミー賞受賞監督」としての自分に持ちかけられるような話は、その翌年には別の人でいいわけです。自分とマッチしていない、自分の能力ではおもしろくすることが難しい、と思うものも多いです。その作品をおもしろくできなければ、自分にとっても、作品にとっても不幸なことです。
https://article.auone.jp/detail/1/3/6/7_6_r_20240418_1713404091636307
現時点の私の濱口作品BESTは『PASSION』だけれど、読んでいると監督は少しずつ進化したり変化したりしながら、何もブレてもないんだな、と思った。最新作、楽しみです。
鳩
『虎に翼』に主人公の学友として登場する華族令嬢・涼子様は東京の洋館暮らしで、鳩山会館で撮影されている。
こちらは2022年秋に撮ったもの。当時コロナ禍で東京は今となっては信じられないほど閑散としており、文京区が区民向けに区の管理する文化施設を無料開放した時期だった。運動不足だったこともあり、自宅から長めの散歩を経て、勾配のきつい坂の上にある鳩山会館を訪れた。秋晴れ!
1924年建築の洋館で、代々政治家を輩出している鳩山家の住居として使われた後、公開された。
https://www.hatoyamakaikan.com/
和柄のステンドグラス。鳩モチーフがあちこちに施され、鳥好きは嬉しい。「友愛」という文字もあちこちにあり、あの言葉は鳩山家代々が大切にしていた言葉だったのだな、と知った。
建物が狭いのが意外だった。薔薇の咲く庭のほうが広い。面積の限られた東京都心では広い庭を持つことこそ贅沢、ということか。
しかし2階にあった大広間!ルビッチ映画が撮れそう。こんな部屋があるのが自宅が住居でもあり社交の場でもある華麗なる一族という感じ。
1階に降り、庭に面したサンルームが素敵。家具類も古いものだろうけれど綺麗にメンテナンスされていた。椅子の高さも低く、幅も狭いのが当時の日本人の体格に合わせた日本製の高級家具という印象。
サンルームの床のモザイクタイル!こういうラタンの椅子欲しいかも?と思って時々眺めている写真。
サンルームでくつろぐ鳩山家の男性。手にカメラを持っている。
愛用の食器は大倉陶園。鳩山会館、全体的なセンスが「例えば食器は大倉陶園で揃えていそうな人たち」と説明すれば、ニュアンスが通じる人にはお分かりいただけるだろう。洋館ではあるけれど、中身は大正〜昭和前半の東京の富裕層が好みそうな設え。日本橋三越の外商が出入りし、帝国ホテル地下のショッピングアーケードを楽しめそうな人々が暮らすお家…というイメージ。
1階つきあたりにあるひっそりした小部屋は、各国の要人から贈られた品々が展示され、私はその部屋が一番面白かったけれど、撮影不可だった。貴重な小説の初版本など、各国の特徴がある品を至近距離で眺められる。鳩山家の男たちが外交時に交換したものだろうけれど、こういう品は国が保管するのはなく、当時の首相・大臣が私物として保管するのだな、と思った。
庭の一角が薔薇園になっている。薔薇も英国のロイヤルファミリーの名前のものや、ハリウッドスターや、ヴェルサイユのばらのキャラクターの名前の品種が並んでおり、各国のセレブリティを招いた時に薔薇の説明をするだけで話が弾みそう、という視点で選定されているのだろう。
古い映画好きの人にもムードがあって楽しめると思う。薔薇の季節、東京観光にいらした時は是非!
新名所
所用あり、東京の新名所?麻布台ヒルズへ。今のところ日本で一番高いビルがこちら。帰り際は夜で、上の階にいたので東京タワーの上のほうと同じ高さだった。東京に暮らして長いけれど、真横からの位置で東京タワーを観るのは初めて。
展望フロアがあったけれど、今週から一般公開が終わったらしい。観光客らしき人が足止めをくらっていた。
ロビーにあったオラファー・エリアソンのアート。《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》(2023)だそうです。
近所
近代美術館で観た高梨豊の写真。1975年の本郷。「パンダパン」「うさぎや」「キリンレモン」と動物づくし。近所の昔の写真。上野が近いので、なにかとパンダを推しがちなの、昔からみたい。
朝ドラ『虎に翼』、脚本家は吉田恵里香さんで、NHKドラマ『恋せぬふたり』が面白くて毎週観ていた。
https://www.nhk.jp/p/ts/VWNP71QQPV/
高橋一生・岸井ゆきの主演でアロマンティック・アセクシャルの男女を描く物語だった。近所の昔の写真を観ていて思い出したのが『恋せぬふたり』で高橋一生が住んでいる古民家は近所(谷中)で、たびたびドラマや映画に登場する。
この場所。昭和初期に宮大工がつくった家。
http://studio-prestige.co.jp/nedu.html
で、ある時この家が売りに出され…驚いたことに…値段が6億3400万円!!広さ、都心の土地の高さ、建物代もあるのだろうけれど、いい感じの古民家…6億!常々思う、東京は地面を持ってる人こそ王者であると。
まだレンタルスタジオとして運営されている?様子からみると、売買を諦めたのか、売れていないのか。
余韻
桜が散ったと思えば一気に夏みたい!窓を明けて書いてます。夜風そよそよ。今年は桜の名所には近づかず、移動しながら道端の桜をたくさん観たの本当に良かった。桜コレクション2024。神保町、小学館の前の桜。
湯島天満宮の麓にある、小さな公園の桜。願わくば来年は、桜のついでに甘味処で食べたりしたい。
チェックしていた美術展を見逃したけれど、何か会期が終わる頃って、次に始まる時期でもある(ポジティブ)。
4月末から始まる都美の「デ・キリコ展」は逃さず観たいです。
インタビュー
先日また行った根津の老舗街中華のオトメ。街中華のイメージと乖離した内装が好きで、特にこの照明と、天井に映る光と影が良い。ずいぶん前に一度だけ行ったプラハの駅がこんな雰囲気だった記憶がある。
『虎に翼』の主題歌「「さよーならまたいつか!」をつくった米津玄師のインタビュー、読み応えがあった。
https://natalie.mu/music/pp/yonezukenshi26
特にこの箇所。「神聖視するのも卑下するのも根っこは一緒な気がする」のバランス感覚よ。
女性の地位向上については、自分が男性であるがゆえにより慎重に見つめなければならないというか、自分の身ぶり手ぶりがそこになんらかの不利益をもたらすようなものでありたくはないと思うんですね。なので、どういう形であればそれが可能になるのかを考えたときに浮かんできた「がんばる君へエールを」という方法だと、逆に女性を神聖視するような形になるんじゃないかと思った。自分の性質上、対象をある種のミューズのように扱う形になりそうな気がしたんですよね。でもそれは、結局“裏返し”でしかない。神聖視するのも卑下するのも根っこは一緒な気がする。なので、少なくとも自分にとって客観的になるのはおよそ不可能で。あくまで私事として、主観的に曲を作らざるを得ないと思ったんですよね。違う属性のものと自分を同一視するのも、それはそれで暴力的だとは思うんですけど、どちらかを選ぶと言われたら主観的なほうを選ぶしかない。そこは腹をくくってやるしかないなと思ってこういう曲になりました。
自分の好きな映画の傾向として、女性の一代記を描いたものが好きで、いつかそれをちゃんとシリーズで、連載で書きたいと漠然と思っているけれど、米津さんの言う「自分の身ぶり手ぶりがそこになんらかの不利益をもたらすようなものでありたくはない」という気持ちは同性であっても同感で、できれば他の人と意見交換しながら形にしてみたいな、と最近、あくまで頭の中だけで練っています。
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