【本日更新】彼方からの(甘い)便り Happy Hour from Kyoto 第4回

熱いお茶と、ちょっと甘いもんが恋しい初秋。本日更新しました。
いこさん連載「彼方からの(甘い)便り Happy Hour from Kyoto」第4回はセドリック・クラピッシュ監督「猫が行方不明」!ある街の日常の一コマを切り取ったスケッチのような可愛い映画。ある街って…?
映画とそれに合う京菓子をご紹介いただくこの連載、今回はアイディアを聞き、京菓子のビジュアルを見た時、どうして「猫が行方不明」にこの京菓子なんだろう?って不思議でした。そして、読んで爆笑!予想もつかないアレが…確かに似てる!頭の中ってほんと自由だな!
映画の記憶って不思議で、筋書きはさっぱり忘れても主人公のワンピースの柄はくっきり覚えていたり、メインの音楽より別の場面にちょっとだけ流れたメロディーを覚えていたり。確かにそういうことって、ある!「猫が行方不明」は、そんな「ちょっと気になるささやかな引っかかり」に溢れた映画でした。
なかなか観ることが難しい映画ですが、未見の方も、まずは紹介された京菓子を食べてみて、ふーん、これがその…?!(もぐもぐ)って妄想してみるところから、映画の時間はもう始まってるんだと思います。
それではどうぞ、お楽しみください…!
マーヤの教え

図書館で順番がまわってきて、今週ずっと移動中に読んでいる「マーヤの自分改造計画」という本、すこぶる面白く今年のbest3にランクインしそう。
詳しくはこちら
https://www.kinokuniya.co.jp/c/label/20170404110724.html
スクールカーストの下のほうにいるマーヤが、パパの持っていた1950年代に書かれたティーンが人気者になるためには?的how to本を忠実に実践していく。マーヤはメキシコとアメリカの国境あたりに住んでいる13歳の中学生で、これはマーヤが書いた実話。
アメリカ、スクールカースト…といえば思い出すのは映画「ロミーとミッシェルの場合」。いこさん連載ご参照(こちら)!似てるところと違うところが同時にあって面白い。マーヤも、ロミーとミッシェルと同じぐらい元気をくれているから、あの映画を好きな人にもおすすめしたい…と言っても、まだ全部読み終わっていないけれど。明日の電車で読み終わるかな。
後半に読み進むにつれ、マーヤに倣って堂々と、そして人には優しく!という気持ちが高まり、周囲の人に優しくするだけじゃなく、街で困ってる人に遭遇したらもじもじしないで率先して声をかけるもんね!と拳を固めていたところ、宅急便を送るためにファミリーマートに向かい、famiポートで操作しようとしたら女性の先客がいた。長らく格闘しているらしく、後ろに並ぶ私に気づくと、先に譲ってくれた。お礼を言って操作を終えたけれど、彼女の問題は解決していない。お友達との会話が聞こえてきて中華圏の人らしいことがわかったので、私は内なるマーヤを起動した。
ハーイ、何か困ってるっぽいけど、私に助けられることあるかな?マーヤの口調を真似するとこんな感じだけれど、ここは東京なのでそんな口調ではなく、話しかけてみたら、学生さんで、日本語検定を受ける手続きをしコンビニ支払いにしたけれど、払込票を出力するために必要な2つの番号、表示されたのをスクリーンショットしてきたけれど、どれを入力しても解決しないらしい。
スクリーンショットだけでは情報がじゅうぶんじゃないから、申込受付のメールとか届いてないかな?と聞き、探してもらって、URLにアクセスしながら操作してみると、入力するうちの1つは電話番号で、すごくわかりづらい書き方で書かれており、これはトラップ!混乱する人が多いのでは?電話番号を入力すると処理が進行し、無事に払込票が発行された!わー解決了!
何度もお礼を言われたけれど、お礼ならマーヤに言ってよ?あの子すごいよって心の中で思いつつ手を振って別れた。途中相談したレジのお兄さんまで中国人で、私を「やたら日本語の発音のいい中国人だって思ったよ!」と勘違いしたらしく、ファミリーマートに入ってから出るまで中国語しか話すことはなかった。マーヤはメキシコとアメリカの境目にいるけれど、ここだって東京だけど中国みたいな場所だったよ…マーヤ…。
自分の行動や存在で、誰かにその人なりの行動を起こさせるって至難の業だと思うけれど、13歳のマーヤはそんな女の子。最後まで彼女の革命を見届けなきゃ。
あ、日本語検定のメール、不親切だし、外国人が受検するのだから、せめて複数の言語で説明があればいいのに…と思ったけれど、あのややこしく説明不足なfamiポート操作説明を読みこなすことから、日本語検定は始まってるってことかしら、もしかして。
CAFE GARBO

いただいた原稿を読み、取り上げられている映画、観たことがあるけれど記憶が薄い。再見していろいろ確認したり、思い出したりしたいと思ったけれど、DVDも廃盤になり、レンタルでも出回っていない観るのが難しい映画なのだった。「牯嶺街少年殺人
観ることが叶わないから、シナリオを読んで映画を思い出すなんて、この時代になんて古めかしいことをしているんだろう。むしろロマンティック。貪るように映画を観始めた時、東京に比べ京都で観られる本数は限られていたし、レンタルも今ほどタイトル数はなく、観たい映画がソフト化されているとも限らなかったから、私に残された数少ない手段のひとつは、学校の図書館にある、誰も借りた気配のないピカピカの世界/日本映画シナリオ集のようなタイトルの分厚い本を借り、監督、スタッフ、俳優の名前を確認し、シナリオを読みながら頭の中で映画を上映することだった。涙ぐましい健闘っぷり、なんという飢餓状態。あの時、勝手に脳内上映した映画のいくつかは、未だに実物を観ていない。酷い妄想癖はあの時、鍛えられたようにも思う。
いつでも観たい映画がすぐ観られるって、なんて素晴らしいの。そして、なんてつまらないの。いつか観られますようにと願った時から、映画との蜜月はもう始まっている。人とだって、会えない時間が愛育てることってあるでしょう。
話を戻して。パンフレットの広告に、CAFE GARBOというのがあって。

ガルボに会える。ガルボで会える。
1920〜30年代、ハリウッドに君臨した大女優”グレタ・ガルボ”を知っていますか?その理知的な美貌と、研ぎすまされた感性は、今だに伝説として語り継がれている程。現代を生きるあなたにも、そんなガルボになってもらえるひと時をと誕生したのがCAFE GARBOです。映画の街日比谷にて、昼下がりの息ぬきをコーヒーで、映画の心地よい余韻を軽い食事などで楽しんで…。あなたも主人公になってください。
ガルボに会えるだけじゃなく、ガルボになれるんです。これは96年発行のパンフレット。インターネット普及前夜のこういう、ずいぶん大きく出たね!って大胆さを讃えたくなるコピー、素敵です。ガルボになれるってことはニノチカになってルビッチに演出もされる…うっとり…。

そんなガルボのメニューがこちら。やっぱり「伯爵夫人のババロア ¥1,000」かしら。大きく出なきゃ。
CAFE GARBOは、日比谷シャンテの1階に存在した店なんだなぁ、と知ると同時に、シャンテで映画を観ることもタイムリミットが迫っていることを思い出し、急速に寂しくなった。
牯嶺街のペンギン

台北、牯嶺街にも行ってきた。少年殺人事件があった場所ではあるけれど、ロケ地ではなく、別の場所で撮られていると思う。それでも「牯嶺街」の住所表記を見ると、写真を撮らずにいられない。

小劇場!ここがミニシアターで、夜な夜なあの映画がかかっていたらベタながら最高!だけれど、演劇の劇場。

いちいち牯嶺の文字に反応する私。牯嶺街の入り口あたりに、立派な郵便博物館があり、そのため牯嶺街は古切手、古紙幣を売る店が多い。

牯嶺街はMRTで2駅ほどの長い通りで、隅から隅まで歩きたかったけれど、この日すでに2万歩ほど歩いた後だったので、半ばのベンチで休憩し、引き返した。次に行くことがあれば歩き切りたいものです。天気が安定せず、雨が降らない隙間を縫って行ったけれど、やっぱり次は夕闇の牯嶺街を歩いてみたい。

何やらポップな壁画が描かれていて…。子供の白痴っぽい表情が怖い…。でも、見逃しませんでした。上の方に、見慣れた鳥類がいることを…。

ペンギン!卵をあたためてる…?ちょっとあなた、牯嶺街で何やってるのさ!と語りかけたくなるような呑気さで、私が歩いた証を残すように牯嶺街にペンギンがいたこと、ここに報告いたします。
牯嶺街は郵便マニアと地元の人以外は特段行くことのなさそうな静かでローカルな通りだったので、写真を撮ってる人がいたなら、きっとあの映画のファンだと思う。
http://www.bitters.co.jp/abrightersummerday/theater.html
1995

いろいろ観てはいるけれど、感想を書いていないのばかりで、書き始めたけれど、書き終わらず。代わりに、寝付けなくて昨夜、amazonビデオを探ってみて観始めたら最後まで横目で観てしまった「恋する惑星」について。
1995年って、もう20年以上前の映画なのね。ずいぶん久しぶりに見返してみると、前半の金城武パートはやや退屈で、後半のフェイ・ウォン&トニー・レオンパートは面白かった。音楽や俳優の身体性のせいかしら。普遍的に美しい…というわけではなく、95年の空気をたっぷり吸ってしっかり古びており、だがしかしそれがいい、という不思議な魅力。
今であればストーカーと呼ばれそうな行為も、そんな名前も与えられていない頃で、ちょっと頭の涼しそうな子程度のポップな人物造形。
こんなに手紙が登場する映画だったっけ。別れた恋人への伝言は手紙を託して。待ち合わせに行かない場合も手紙を託して。受け取った手紙を、勇気がないから読んだり読まなかったり。連絡がとれず待ちぼうけしたり。携帯もなく、インターネット普及前夜の95年、恋の終わりの寂しさも、はじまりの予感もぐっと身体的で、匂いが漂ってきそうな街の景色もあいまって、溌剌と、みずみずしさに胸を打たれた。
2000年頃、香港人に連れて行ってもらって、フェイ・ウォンの働いていた小さな店のあった界隈に行ったけれど、回転が早いということか、映画の面影はなかった。巨大エスカレーターは堪能した。返還後、しばらく経った頃のこと。
ロミーとミッシェルの場合

家で観た映画の記録。「ロミーとミッシェルの場合」。いこさん連載第2回がこの映画だったので懐かしくなり、ものすごく久しぶりに観た。
あらすじについては、いこさんが書いているとおり。
https://cinemastudio28.tokyo/happyhourfromkyoto_002
この映画、リアルタイムでは観ておらず、東京に引っ越した後、何度もレンタルで借りて観たことを覚えている。DVDじゃなく、レンタルVHSの時代。その頃の私の24時間ときたら、仕事(18時間)→通勤・その他(1時間半)→睡眠(4時間半)と、とにかく仕事しかしておらず、土日も平日もなく毎日その調子というのに、なんとなく金曜夜になるとルーティン以外のことをしたくなって、いそいそ映画をレンタルしに行ったり。小難しい映画を観る体力は残っていないから、何も考えず頭がほぐれる映画が良くて、アメリカの学園ものや、たわいもないロマコメを、ただでさえ少ない睡眠時間を削って観ていた。寝なさいよ、と思うのだけれど、それとこれとは別腹というもの。「ロミーとミッシェルの場合」もそんなふうに、パッケージの能天気さに惹かれて借り、なぜか心に引っかかって何度も何度も借り、気がつけばお守りのように握りしめていた映画。
今回、その頃ぶりに観てみて、前半あまりのお馬鹿なトーンに唖然とし、これをお守りのように握りしめていたなんて、あの頃の私はどれほど追い詰められていたのか…と、かつての自分をいまさら心配したのだけれど、最後まで観て納得。
途中、ロミーとミッシェルが喧嘩をする展開があり、しょうもない理由で、2人とも顔が引きつってるから本意ではないと誰の目にもわかるけれど、他者の目を気にして自分ではない誰かに成りすまそうとするロミーに対して、ミッシェルの苛立ちは「どうしてロミーではない別の誰かになろうとするわけ?ロミーはロミーだから素敵なのに。だからロミーは私の親友なのに!」という一点にブレずにあって、それこそこの映画の奥底をひたひた流れる哲学なのだね。90年代風のシャイニーな衣装に包まれた骨太な哲学!
ということを、自分は大事に思っていたのだ!と急速に思い出した。確かにこれは、働きすぎて消耗しかけていたあの時、私の胸ぐらを掴み、私を私に戻すための強力な装置として機能していた映画だったのだ。
お馬鹿でポップなだけではない「ロミーとミッシェルの場合」、知る人ぞ知る領域にある映画だけれど、いろんな人と話してみたい映画なのです。写真のミッシェルは、さくらんぼのネックレスとイヤリングが似合っていて、確かに「亀廣保」の干菓子、そのままイヤリングにしそうね!
飲食男女

GW前、台湾気分が盛り上がっていた頃に観た李安(アン・リー)の「飲食男女」。邦題は「恋する食卓」だったかな。料理上手な父親と娘たちの物語だと記憶の彼方にあって、再見すると実際そうだった。記憶以上に父親の料理は本格派で、後の流れで圓山大飯店のレストランの偉い人だと知る。東京に置き換えれば帝国ホテルの料理長のような位置づけ、という理解で合っているだろうか。
据え置きの大きな中華鍋、中華包丁、お玉で炒めものもスープも何から何まで作る合理的な台所と無駄のない手の動き、ダンスの振りつけのように美しい流れがあった。目が離せない。本格的、伝統的な中華を父親が作ってくれるのに、娘たちはもうそれぞれの人生の悲喜こもごもで慌ただしい。

冒頭数分にこの映画の魅力が濃縮されていて引き込まれる。そしてタイトルの出た瞬間のかっこよさ!李安の撮る台北は、エドワード・ヤンの台北ほどポエティックではない。どちらの台北にもどちらもの良さがある。次はどの台湾映画を観ようかな…。
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