映画の秋2017

本日もフィルメックス。10時から始まった「ニッポン国VS泉南石綿村」、休憩を挟みQ&Aが終わると14時半頃で、心身フラフラ……。
何か他のイベントと重なっているのか、著名ゲスト?が少ないせいなのか今年のフィルメックスは例年より空いているように思うけれど、私が観た「相愛相親」「泳ぎすぎた夜」「とんぼの眼」「ニッポン国VS泉南石綿村」、どれも良くて観客賞の投票は全部「大変良い」で投票したわ。クロージングセレモニーで原一男監督(審査委員長)がお話ししすぎ?時間を超過して、その後のキアロスタミ「24flames」は、帰国するりえこさんお見送りのため途中退出してしまったけれど、セレモニー、賞を選ぶだけではなく、コンペ9本に満遍なく審査員がコメントするのを聞けるのはレアな機会で新鮮だった。審査委員長が変わればセレモニーの進行も変わるのって、スタッフは大変でしょうが、当然といえば当然では。今年のフィルメックスは原一男監督に始まり原一男監督に終わった印象であった。
私はとにかく「泳ぎすぎた夜」がお気に入り。ダミアン・マニヴェル&五十嵐耕平監督のQ&Aまで含めて、今年最良の映画体験だったかもしれない。
山形、東京国際と経てフィルメックス、映画の秋が終わった気分。もちろん引き続きまして映画の冬が始まるんである。冬は何を観ようかな。
近未来

土曜、フィルメックスでシルヴィア・チャンの映画を観たので、最後に彼女を映画で観たのは何だったっけ?と考え、おそらくジャ・ジャンクー「山河ノスタルジア」ではなかったかしら。話は逸れるけれどジャ・ジャンクーの映画は中国語の原題は良いけれど邦題が残念なことが多いな…ノスタルジアとか、哀歌(エレジー)とか、湿っぽくて。
「山河ノスタルジア」、変な映画だな…と思ったけれど、その感想の理由は、最後のパートが2025年という中途半端に近めの未来で、ジャ・ジャンクーがまさかのSFを頑張って撮ったからかもしれない。ジャ・ジャンクーの考える2025年の生活、現在の延長線上にある、ずいぶん地に足のついた未来表現で、「やたらタブレットが大きくて透明」とか「デリバリーのバイクのデザインがちょっと未来風」とか、ゴリゴリのSF映画にありがちな、奇抜な未来に一足飛び!という高揚は皆無で、チープですらあった。
など、今日、ZOZOSUITのサイトを見て、あぁ未来って案外すぐ来るんだな、と思いつつ、あの映画を思い出したのだった。こういうの、すぐ試してみる方なのでZOZOSUIT、ろくに説明も読まず注文しておいた。楽しみだな、未来。
東京上空

2017年・秋の東京上空いらっしゃいませ。
眺めのいいテラスから、工事中の競技場も新宿のビル群も東京タワーも紅葉も遠くに富士山も見える。夜は夜でネオン煌めき、ここに人が立っているのを眺めるのは、「her」のホアキン・フェニックスを眺めるような近未来アーバン感がある。「her」、ハリウッドでもビーチでもない近未来LAが映し出されていて、あの景色好きだったなぁ。
「泳ぎすぎた夜」を引きずりながら本棚の前に立ってみると、「雪は天からの手紙 中谷宇吉郎エッセイ集」が目に入ったので、鞄に入れる。電車で読んだメールに、これから帯広に向かう、と書かれていて、寒そう…と思いながら本を開くと、最初のエッセイが「雪の十勝」だった、というシンクロ。東京の寒さにすら怯えているけれど、雪は雪で羨ましい。
変化

金曜に荷造りし、今日は荷解き。1駅分だけだけれどオフィスが移転し、内装がずいぶん変わった。
昨日、冬が始まったことと、昨夜観た映画によって、夏から続いていた南国気分(台湾前後を含む)から日本の冬に心が移動し、小さな変化が一気に重なって、今日は何も読む気にも観る気にもなれず、気分の節目をぼんやり舐めた。
雪深いところが恋しくなり、2月に行った新潟の写真を引っ張り出し眺める。
冬の初日

ひっぱりだしたウールのコートで夜、フィルメックスへ。冬服ってこんなに重かったっけ。薄物に肩が慣れてしまっておる。
昨夜のオープニング映画のことを書こうと思っていたけれど、今晩観た映画で上書きされ、心を巻き戻せない。
「泳ぎすぎた夜」、ふたりの監督の過去作も観て、メイキング往復書簡もずっと読んでいたし、予習ばっちりで膨らんだ期待をやすやすと超えてゆく映画だった。公開は来年春らしいけれど、冒頭の窓の外に降る雪から身体ごと北国の冬に連れて行かれる物語だから、今日のような、冬の初日に観られたタイミングの奇跡。映画の神様っているんですね。
え、上映、1回だけなのか!
http://filmex.net/2017/program/competition/fc09
感想は明日から。
フィルメックス

東京フィルメックス開幕。オープニングの会場は日劇SCREEN1。日劇はなくなってしまうのよね。審査委員長は原一男監督。みなさんも審査員になったつもりでみなさんの人生をもって映画を観て、最終日に審査員が選んだ映画と意見が一致したかしなかったか、競ってみませんか、と挨拶された。
こちら
http://natalie.mu/eiga/news/257324
オープニング作品はシルヴィア・チャン監督「相愛相親」。監督としても女優としても素晴らしかったけれど、今日のファッションが素敵で細部まで観察してしまった。ベロアのエレガントなパーカ、プリーツスカート、薄手のタイツにショートブーツ。トレンド要素もたくさん入ってるのに、洋服に着られた感がなくて、ピッと伸びた背筋と余分な脂肪のない身体、快活なトークや表情にもぴったりで、スタイリストが用意したものかもしれないけれど、久しぶりにパーソナリティと装いが完璧に合っている人を見てうっとりした。その人に一番似合う服を着ているのを眺めるだけで、こんなに背筋の伸びる気分になるなんて、シルヴィア…偉大…。

映画の感想は明日書く予定。日劇を出てエレベーターを待っていると、観客としてこっそり観に来ただけなのに強引なファンにサインをねだられる西島秀俊に遭遇。映画館通いする人々から散々、目撃談を聞いていたけれど初めて遭遇したので、ツチノコを見つけた時ってこんな気分かなって気分を味わった。
映画祭の初日らしい1日であった。
閉館/廃業

リレー連載「Cinema on the planet」で夏、りえこさんにご紹介いただいたL.A.のThe Silent Movie Theatre (home of The Cinefamily)、掲載して数週間後にセクハラ騒動で一時閉館、その後調査が入り、ついにオフィシャルに閉館が決まってしまったのだそう。なんと!
https://cinemastudio28.tokyo/cinemaontheplanet_004
wiki(en)によると、まったく穏やかではなかった…。上記リンクの記事中にあるyoutubeで、アンナ・カリーナ登場動画の聞き役は女優ブリー・ラーソン。彼女はCinefamilyのアドバイザリー・ボードだったのね。
In August 2017, an anonymous email was sent to Cinefamily members. The email detailed a 2014 sexual harassment allegation against Belove that resulted in a settlement and accused Shadie Elnashai, vice president of the board of directors, of “raping multiple women”.Both men subsequently resigned, and Cinefamily itself suspended all operations as of 26 August 2017. Brie Larson, a member of the Cinefamily advisory board, announced she was stepping aside from the organization for the foreseeable future.
ニュースを騒がすハリウッドのセクハラ騒動は監督、俳優にとどまらず映画館の裏側にまで。被害に遭われた方が一番お気の毒であることはもちろん、かなり長期の上映企画でフレデリック・ワイズマンの全作上映が去年始まったばかりのまま中断してしまって、熱心に通っていた観客もがっかりしていることでしょう。経営難でもなく、そんな理由というのが、遠くからでも哀しいわ。
りえこさんの記事にあるように、映画さながらのドラマティックな事態に陥りがちなこの映画館(お祓いしてもらった方が良いのでは…)、けれどこれまで何度も復活を遂げてきたことだから、次は健康的な運営でファン思いのオーナーが登場しますように。
日曜夜、「シン・ゴジラ」はおおいに楽しんだ。何度観ても面白すぎる。そして去年、蒲田の銭湯・大田黒湯温泉第二日の出湯がゴジラ湯と化した件を日曜の日記に書いたけれど、その銭湯が廃業したと教えていただきました。
取り壊し前にさよならイベントも開催中。11/18は1日のみ最後に復活するそうです。もうゴジラはいないけれど、露天が素敵だったのでお近くの方は是非。
そして銭湯のサイト、ゴジラ湯終了時のお知らせが「ゴジラ完全沈黙の為、 2016年11月8日(火)をもってゴジラ湯を終了いたします。」って書かれていて、なんとファンのツボを丁寧におさえた表現かしら…と今更ながら知りました。
生活圏内ではないし、一度しか行かなかったけれど、「シン・ゴジラ」の年に蒲田でゴジラ湯に浸かったこと、ずっと自慢していこうと思っています。
はぁ、場所って儚いな。それでも、セピアな思い出を語るより、現在進行形の愛を囁きながら暮らしていきましょう。
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