2つめの28

年の瀬に届いた海外からの郵便。

中身は「28」!! 写真下のほう。上のは去年、パリの友人が贈ってくれたフランスの40〜50sヴィンテージ。今回届いたのは、ドイツの1960s。2年目のCinema Studio 28 Tokyo、どうぞよろしくお願いいたします。
2017/12/30、下北沢トリウッドにて五十嵐耕平監督「息を殺して」を鑑賞。「息を殺して」は、2017/12/30〜2018/1/1までの3日間が描かれる物語だから、その日を記念して。監督のトークもあり、小さな会場で親密な時間を堪能。
監視社会

シャンシャン、早く見に行きたい。早く見ないと、パンダはすぐにおっさんっぽくなってしまう。そんな焦りが植え付けられたのは、北京動物園で見たパンダが、あまりにおっさんぽかったからだと思う。大熊猫館。

ずっとこういう感じ、無脊椎動物のようにぐにゃぐにゃしていた。怠惰にもほどがある。ニュースで可愛いシャンシャンを見るたびに、子供っぽい動きでモフモフの時期はきっとあっという間に過ぎちゃうんだ…早く会いに行かないと…と心は焦るばかり。
一般公開開始に合わせて、シャンシャンの様子のライブ配信がスタートされ、師走の慌ただしさの格好の現実逃避先が1つ増えた。
http://www.ueno-panda-live.jp/ondemand.html
こういう映像をじっと見ていると、お前は見られているって気づいてないだろうけれど私は見ているぞ、という謎の背徳感が生まれ、先日フィルメックスで観た「とんぼの眼」という映画を思い出す。
http://filmex.net/2017/program/competition/fc06
中国では街のあちこちにある監視カメラの映像がネット公開され、誰でも閲覧できるようになったのだとか。そんな映像を素材として作られた映画。いよいよSFの世界が日常に、と思った。人民総シャンシャン化。
岩とガラス

これまで行った場所の中で、印象に残る場所best10に確実に入る、ヘルシンキにあるテンペリアウキオ教会。ここを目指していたわけでなく、ヘルシンキに着いたら夕方で寒く、気弱になって今日はもう宿の周りをちょっと散歩する程度の外出にしよう…ってしおしおしていたら、謎の巨大岩に遭遇し、それが教会だったという流れで出会った。有名だと知ったのは後から。

岩をくり抜き、内部が教会。ガラスから射し込む自然光。

祭壇もこんな感じ。ベルイマンの映画で寒々しい教会(「サラバンド」だったかな)が登場するのを見ると、北欧つながりの安直な連想だけれど、テンペリアウキオ教会内部のひんやりした空気を思い出す。

パイプオルガンもあります。気弱な感じで辿り着いたのに、この教会にさすがに興奮し、出口でその日の夜のパイプオルガンコンサートのチケットが売られていたので、迷わず買い、夜にまたコンサートを聴きに再訪したのだった。
そんなことを、週末、予定の過密さにムキー!という気分になり、メゾンエルメスに「エクス・マキナ」を観に行く現実逃避をしたのだけれど、ようやく観た「エクス・マキナ」は素晴らしく、一部はノルウェーの実在のホテルでロケで撮られたという事実に興味津々で調べてみたら、ヘルシンキのこの教会を思い出させる岩とガラスっぷりで興奮した。泊まってみたい…。
ホテルのサイトも完全にエクス・マキナの世界。
http://www.juvet.com/the-juvet-hotel/the-hotel/gallery
凝った建築で繰り広げられる愛の不毛、少しゴダール「軽蔑」も思い出した。「軽蔑」は建築眼福映画なので、スクリーンで観るに限る。
ドロイドたち

あまり俗世をうろついていないこの頃ながら、今日、日比谷駅の地下を歩いていたらスターウォーズのポスターが貼ってあったのでしばし凝視。考えてみれば聖地・日劇で観られるのも最後なのでは?できれば年内に、日劇で観ることとしたい。
私の楽しみといえば、ドロイドたちの活躍を観ることで、前作もひたすらBB-8が可愛いかった記憶が濃く残っており、物語を思い出せない。iPhoneケースがボロボロになったので買い換えることにして探してみたけれど、ドロイドものだと必ず3-CPOもセットでついてきてトリオ勢ぞろいというデザインばかり。3-CPOはさほど好きではない…R2-D2とBB-8は2頭身でお腹がずんぐりしてて可愛い(その可愛さポイントはペンギンと共通)。3-CPOには申し訳ないけれど彼抜きのデザインを探しに探し、R2-D2とBB-8が見つめ合っているものを執念で発見。
しばらくカードが入るレザーのケースを使っていたけれど、せっかくだからスターウォーズにウキウキしている間はドロイドケース復活させよう。
イギリスでのプレミアで王子たちにお辞儀するBB-8、今週観たあらゆる写真の中で可愛い大賞を贈りたい。
https://www.cinematoday.jp/news/N0096904
儚さ

カメラロールの写真を遡ることで、今年観た映画群を思い出そうとしたけれど、今年の映画初めは京都立誠シネマで濱口竜介監督「THE DEPTH」だったと写真が告げていて、立誠シネマももうないんだなぁとしみじみする。みなみ会館が閉館してしまうと、京都における映画的ノスタルジアがほぼ失われることとなり、私の愛の対象は、ずいぶん儚い。
立誠シネマの最後の上映企画の中に、ウルグアイ映画「映画よ、さようなら」が混じっており、あの映画は2016年bestの1本だったけれど、best5のうち4本までは日記に書いて、「映画よ、さようなら」についてだけ書き忘れていることを、忘れていない。
「映画よ、さようなら」はウルグアイのシネマテークが閉館することになり、長年勤め上げてきた男が閉館作業をし、葬り、新たな一歩を踏み出す物語。ひたすら観客に物語を見せることに黙々と従事してきた男が、その行為を失った時、映画の記憶が彼の背中をそっと押す。見せる側でも観る側でもあった男が、映画の主人公よろしく物語の中心になる。冒険映画の主人公のように、勇ましく一歩を踏み出すエネルギーを、映画が授けてくれる、という物語だった。あの映画を最後に選ぶ、立誠シネマよ。と、遠くから静かに感動しながらサイトを見ていました。
http://www.action-inc.co.jp/vida/
この映画の面白いところは、映画の中ではいかにも閉館しそうな、寂れた雰囲気が漂っているシネマテークは実在のウルグアイのシネマテークで、しかし実在のシネマテークは映写室もたくさんあって規模が大きく、プログラムも充実した賑わいのあるシネマテークであるらしい。賑わいのある場所を、寂れた場所に見立て、架空の物語の舞台にしてしまうカメラマジック。まさに映画!
しばらく連載などの更新は休眠したおりましたが、明日更新します。愛の対象の儚さについて。明日の夜、またお会いいたしましょう。
今年観た映画

初冬の資生堂パーラー、頬を指す寒さにピリッと輝くネオン。
映画祭シーズンも過ぎ、28の企画のために今年観た映画を振り返る。観た映画をメモしていないけれど(手帳を辿ればリスト化できるはず…)、近年稀にみる鑑賞本数の少なさだったはず。その理由は、映画のサイトを運営するために映画を観る時間が削られる、というなんとも言えないパラドクスがあったにせよ、限られた時間、渾身の選択の結果、選んだ1本だからこその満足度の高さもあった。
しかし、年を重ねたせいなのか何なのか、重苦しい映画って年々、受け付けなくなってくるのね。自我を静かに見つめるような映画より、よくできたフィクションに救われる瞬間がたくさんあった。と言っても、まだ12月は始まったばかり。
気がつけば「グッドタイム」を逃していた。もはや栃木と沖縄でしかかかっていない。どうすればいいの…。
http://www.finefilms.co.jp/goodtime/
ikikoro

未だ「泳ぎすぎた夜」の余韻を生きており、日に日に空気も乾燥し師走に向かう中、五十嵐耕平監督の前作「息を殺して」をどうしても観たくなり、DVDを発注した。映画単独ではソフト化されていないけれど、藝大大学院映像研究科の卒業制作だから、その年の卒業制作を集めたDVDに収められている。
こちら(2014年)
http://www.geidai.ac.jp/information/geidai_press/list/978-4-904049-46-4
どこでも品切れしているけれど、amazon中古で手頃な値段のものがあった。
アップリンクで一度だけ観た「息を殺して」が強烈だったのは、2015年の年末に観たからだと思う。日記によると2015年12月28日に観ている。「息を殺して」は年末を描く映画。2017年12月30日、まさに今年ではないか。この日に映画に登場するな工場のような場所なんかで観られたら最高だけれど、そんな上映会は企画されないかしらね。私はともかく、DVDを手に入れられたので12月30日に観るつもり。
「息を殺して」の英題が「Hold your breath like a lover」ってこと、世にも美しいと思う。
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