微かに紅葉
山形2日目。
初山形なので、映画ばかりじゃなくちょっと街歩きもしようと昨日は文翔館、今朝はバスに乗って蔵王温泉からゴンドラで山頂へ。微かに紅葉していた。好きな小説に登場する場所だから、行ってみたかった。ロケ地巡りのように。
下山して、コンペ2本。最後は今回の目玉のフレデリック・ワイズマン「エクス・リブリス」、これを観られただけで山形に来た甲斐があった。ワイズマンがコンペって、ワイズマンが応募したのかしら。コンペの他の監督たちは、いきなりの大御所登場にどんな気分なのかしら…と、つらつら考える。
https://www.yidff.jp/2017/ic/17ic05.html
ひとまずの行動メモ。
山形
山形初上陸。
隔年開催の山形国際ドキュメンタリー映画祭へ。想像以上に規模の大きな映画祭で、同じ時間帯に同時進行でどんどん映画がかかるので、何を選んでも他が気になるし、観たい映画を全部観ることなく人生は終わるんだわ…よよよ…の、映画祭の季節がやってまいりました。
https://www.yidff.jp/home.html
選べないのでコンペ中心に観ることにして、今日はコンペから2本。夜はフォーラム・ソラリスという映画館で「アウトレイジ最終章」を観た。肌寒い旅先で観るヤクザ映画の染みること染みること。
映画祭ラインナップ
去年の東京国際映画祭。ホン・サンスとエドワード・ヤンの並び。強い!
今年のラインナップ発表されました。
http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/list.php
旧作が多い。今年は30周年の節目だから、過去、映画祭で上映された映画もメモリアルっぽくかかるらしい。その分、新作の本数が圧縮された気がして、おめでたいけどちょっと残念。真っ先に「ホン サンス」で検索したけれど、上映なし。台北で観ておいて良かった!フィルメックスという可能性もまだ残ってる。タイのナワポン監督も検索したけれど上映なし。観たいよー(タイに向かって叫び)!
矢田部さんのコンペ詳細紹介ブログがチケット発売までに更新されることを願いつつ、ざっと眺めて気になるのは…
コンペから。「グレイン」は、あらすじと写真が好み!未知の監督の映画は、写真とあらすじから野生の勘で選ぶのが当たりを引きやすい傾向にある。
http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=9
「マリアンヌ」、俳優ギョーム・ガリエンヌは監督もするのね。
http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=19
アジアの未来部門、タイ映画好きなので気になる。「現れた男」
http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=45
ワールド・フォーカス、クレール・ドゥニによるジュリエット・ビノシュ!「レット・ザ・サンシャイン・イン」!
http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=119
ワールド・フォーカス、確か矢田部さんのブログで読んで、観たいと持っていた中国のアニメ。「Have a Nice Day」
http://2017.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=133
矢田部さんのブログ、この記事
http://www.cinemacafe.net/article/2017/02/18/47181.html
日本ですぐ配給されそうな有名俳優もの、有名監督ものはなるべくパス、日本映画も観たいけれど映画祭で見逃しても東京だと公開で観られるので優先順位を下げる…という例年のポリシーは今年も適用させ、今年何故か北米の映画が少ない気がするけれど、アメリカのインディーズ映画も他でなかなか見られないので、しっかりラインナップをチェックしておきたいところ。
以上、初見のざっくりメモ。
秋の季語
この涼しさはまごうことなく秋。え、もう?と驚いたけれど東京国際映画祭、あと1カ月!明日はラインナップ発表だそうです。
明日13時から、こちらのチャンネルで。思いきり仕事中だけど、観たいわー。
観られなさそうなので(後追い放送してくれるかな?)ブログの更新を待とうと思う。矢田部さん、もはや私にとって秋の季語。
ピカデリー
表参道駅を設計した人は通勤ラッシュを知らなさそうだし、新宿ピカデリーを設計した人は映画館に通う人じゃないんだろうな。どちらも動線が酷くて、なるべく近寄りたくないけれど、ピカデリーで「散歩する侵略者」を観てきた。監督と長澤まさみさんのトークつきだったので!生まさみ!
黒沢清監督は、俳優女優の好みが私と完全一致の人なので、私にとってのオールスター歌謡祭をにまにま眺めるような時間だった。
今夜、ピカデリーで見た長澤まさみ。ショートの方が美しさが際立つまさみ!
http://www.oricon.co.jp/news/2097369/full/
moonbow cinema
本日、moonbow cinema第7回上映会へ。会場は駒込La Grotte。上映後、外に出て改めてまじまじ眺めてみると外観もレトロで味のあるビルだった。
中は1階と、面積1/3ほどの小さな2階があり、天井が高い。窮屈ではないけれど穴蔵に篭っているようでもあり、今回上映された「月に囚われた男」の主人公・サムが暮らす月面基地の住居兼仕事場に自分もいるような感覚に。
2階にはピアノも!映画の上映以外に、どんなふうに活用されている場所なのか興味むくむく…。
この会場に似合う映画として選ばれたのは2009年のイギリス映画「月に囚われた男」。タイトルとビジュアルから気になっていたけれど、初見。ダンカン・ジョーンズ監督はデヴィッド・ボウイの息子さん!って、上映後のみづきさんの解説でようやく知って驚き。あんまり似てない!
月で働く男を主人公とした近未来SFだけれど、お金をたっぷり使った派手な宇宙ものとは趣がずいぶん違い、低予算っぷりが滲むシンプル質素なつくりで、映画の描くテーマも相まって物哀しさを醸し出していた。CGなど存在しない時代に知恵を絞って一生懸命近未来感を演出した古いSFが好きで(合成ばりばりがキュートなトリュフォー「華氏451」とか、どう見てもパリなのに未来都市と強引に言い放つゴダール「アルファヴィル」とか)、それに似た手触り。人工知能ガーティ(声はケヴィン・スペイシー!)は人情味のあるいいやつだったけれど、フロント部分にあるパネルに顔のマークで気分が映されるのはちょっと蛇足では…?宇宙で頑張るロボット系、表情は同じで無機質、声色や仕草で喜怒哀楽がわかる設定の方が好みだな…。
駒込、自宅から区の100円バスで行けるぐらい近場だけれど、初めて行った。富士登山翌日の筋肉痛がなければ歩いて行ける距離だった。静かで落ち着いた住宅街。映画はいつも私を見知らぬ街へ連れて行ってくれます。
今回も楽しませていただきました!次回は来年1月ごろの開催を予定しているそうです。
moonbow cinemaはこちら。
みづきさんの連載「moonbow journey」はarchivesからどうぞ!
https://cinemastudio28.tokyo/archives
海辺の生と死
「海辺の生と死」、公開は今日から。先月、完成披露上映で一足先に観た。戦時中、加計呂麻島を舞台とした、島尾敏雄・島尾ミホの出会いの物語。映画の中では朔、トエとそれぞれ名前が違う。
南の島といえば、海、空、砂浜…と海なし県・盆地育ちの私が抱くステレオタイプなイメージを裏切るように、この映画で映される加計呂麻島の風景はどこか翳りがあり、ひんやりした風が吹いていた。島唄、方言、踊りを異国見物のように眺めながらも、朔とトエが出会い熟してゆくにつれ、島の風景も人々も後退し、次第にあなたとわたし、ふたりだけの密室に変化してゆく。
トエという女性は単なる激情型というわけでもなく、俯瞰しながら演出する監督の役割と、中心で演じる女優の役割を往復しながら自分の物語を推し進める。島に暮らしながらもどこか遠くを望むような寄る辺のなさを抱え、相手役を待ち望んでいたところに朔が登場し、腕を掴んで強引に舞台に引きずりあげる。朔のほうも、繊細な文学青年っぽさと、特攻隊の隊長という強い役割の間を揺れ動く掴みどころのなさがあり、ふたりの隙間が偶然ぴたりと符号したように見えた。ふたりのその後の展開を知ってしまっているため、特異で特別なふたりの出会いの物語、と色眼鏡で観てしまうけれど、すべからく恋って、こんなふうにどうしようもなく不意に始まってしまうもののようにも思える。クライマックスの長い夜、物語を盛り上げる材料はすべて揃いましたという熱気の中、女優人生・一世一代の名演を見せる時、それは今!とばかりに芝居がかるトエの動きはトエならでは、ではあったけれど。
登壇した満島ひかりさんの「島尾ミホさんは、島生まれだけれど東京で生活していたこともあって、また島に帰ってきたり、どの場所にも居場所が見つからず、愛だけが居場所だったのかな、と思う。私自身も沖縄で生まれ東京に来て、似たようなところがある。」との言葉が耳に残った。舞台挨拶のニュースは、主演2人の噂ばかり書き立て、こんな言葉があの場所にいなかった人に伝わらないなんて、勿体ないことよ、と思ったのでメモしておく。
衣装も素晴らしく、島の自然にすんなり溶け込む天然素材の服に、ほとんどノーメイク。そんなトエが着替えてガラリと別の女になるような、それでもやっぱりトエの延長のような夜の場面が印象的。
http://www.umibenoseitoshi.net
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