Cinema memo : 10月
暑くて秋冬のことまでうまく頭がまわりませんが10月、フレデリック・ワイズマン『ジャクソン・ハイツ』が公開されると知って秋が楽しみに。東京では映画祭でしか上映されておらず、予定が合わなくて観られなかった。昨今のワイズマン作品はバレエや美術館など、文化村マダムの好きそうな主題のものだけが文化村で上映されている印象だったので、配給を諦めておった。
『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』というタイトルになったらしい。イメージフォーラムで公開。
http://child-film.com/jackson/
『ジャクソン・ハイツ』は2015年の映画で、その後2016年に撮られた『エクス・リブリス』は、この先東京で観る機会があるのかどうかわからぬ…と去年、山形国際ドキュメンタリー映画祭まで観に行った。いろんな事情があるのでしょうが、星の数ほど映画が封切られる東京で、ワイズマンの新作を観るのに苦心するなんて…と、ちょっと憂います。
https://www.yidff.jp/2017/ic/17ic05.html
『エクス・リブリス』、ワイズマンは果たしてどうやってこの映画を閉じるのだろう?と思っていたら、なんとも気障なエンディングが用意されていて、エンドロールを眺めながら恍惚とした映画2017年bestであった。
ナヒード
2016年なら国際映画祭コンペティションでグランプリを獲った『ナヒード』について何も書いていなかったので、薄れゆく記憶の底から断片をさらってメモ。
イラン映画、どれを観ても粒ぞろいに面白く、文化のギャップも日本暮らしの私には目新しく、アスガル・ファルハーディーを筆頭に複雑に絡まった伏線がパズルのピースを埋めるように回収されてゆく見事な脚本、イラン映画というだけで鑑賞後の満足度はある程度は保証されている…という安心感。
けれど、何年か追いかけるうちに、やがてその質の高さに食傷気味になってきた。結婚前、自由恋愛は許されても、肉体関係を持つことは許されていない女性たち。詳しくないけれど、私が映画の中で出会った女性たちはすべからくそうだった。婚約中に他の男性と歩くだけで禁忌に触れるおそれがあり、気に病んだ女性が自殺する結末に至った時は、何がいけなかったのか理解できず、ひとしきり調べてみたこともあった。
イラン映画を観た後にモヤモヤした後味が残り始めたのは、そんな女性たちの選択肢の多くはない生き方が、物語を駆動させるための道具として便利に使われているように思えたからかもしれない。箱の中の美しい小鳥を緻密に観察はしても解放はしてくれない映画たち。
『ナヒード』が印象に残っているのは、あちこちにぶつかって傷をつくる女性の姿を、揺れる気持ちを揺れるままに描写し、巧く物語に回収しなかったからかもしれない。男だ女だという主語で語るものではないかもしれないけれど、女性監督が撮ったイラン映画を観たのは初めてだったはずで、私にはずいぶん新鮮だった。
『ナヒード』
http://nara-iff.jp/2016/films/internationalcompetition/niff4952.html
9月に開催される第5回なら国際映画祭で、『ナヒード』のアイダ・パナハンデ監督が奈良で撮った映画が上映されるようです。天理市で撮影。
http://nara-iff.jp/narative/narative-2018.html
Cinema memo : 9月
Amazon Prime Day、いつか買おうと思っていたワイヤレスイヤフォン(線がないだけで格段に快適なことよ。もっと早く買えばよかった)と、『寝ても覚めても』の文庫を買った。
図書館で借りて読んでから1年経過し、よい具合に物語を忘れかけているので、映画を観てから再読しよう。
濱口監督の特集上映もタイムテーブルが発表された。
http://netemosametemo.jp/hamaguchi/
今回上映されるものは一通り観たけれど、3回目の『親密さ』を観たいなぁ。初めての濱口映画、何がおすすめ?と質問されたりするのですが、1本目は『PASSION』が良いのでは。何と言っても映画の長さが普通です。115分。気に入ったら『ハッピーアワー』 317分、『親密さ』255分に手を伸ばしてみる。そこまで観たら、濱…と目にするだけで反応する身体になっていることでしょう。
有楽町のペンギン
少し前の日記で書いた大阪名物・北極のアイスキャンデー。有楽町にある大阪百貨店(大阪のアンテナショップ)に串かつソースを買いに行ったら、ペンギン発見。来客用も兼ねて5本買ったら、ナチュラルにこんな箱に入れてくれた。嬉しい!
大阪の店舗とは違い、東京では買える味が限られている。どれがいい?って差し出すと、みんな、え、サツマイモ?って反応はするのに誰も選ばなかったサツマイモ。
ここで買えます。有楽町の三省堂書店、無印界隈。
http://www.osaka-hyakkaten.jp/
大阪の店。1店舗のみ。
この夏のお楽しみ、映画『ペンギン・ハイウェイ』は8/17(金)公開。
完成披露にケープペンギンが駆けつけたニュースは何度も読みました。
https://natalie.mu/comic/news/289515
GIRLS DON’T CRY
いただいた台湾産高級マンゴー。「銀座の茶館に台湾かき氷を食べに行く」もこの夏のTo do listに入ってます。
48グループのドキュメンタリー、前田あっちゃんが卒業する前は観ていたけれど、それ以降は観る習慣がなくなった。さして興味がない人にとってもドキュメンタリーとして秀逸だと思っていたけれど、私の観る動機も、映画好きというより、好きなアイドルが出ているから、というファン心理に支えられていたということか。
過去の東京国際映画祭で何本か観てから、タイのナワポン・タムロンラッタナリット監督のファンだけれど、しばらく東京で観る機会がなくて寂しい。監督はどんどん新作を撮っているというのに。
ナワポン監督の新作が、BNK48のドキュメンタリーだそうで、監督・被写体の掛け合わせとして最高では?! 観たいけれどこの先も観る機会のなさそうな映画2018年Best3に入りそう。
http://bnktyo.site/2018/07/20/bnk48-girlsdontcry/
マチネの終わりに
紫陽花の退色。とはいってもこれは2年前の写真で、今年はあまりの暑さに外に出る気力を失っておる。極限まで冷房の効いた室内でも、気がつくとぐっしょり汗をかいていて驚く。夏を越えられるだろうか。
『マチネの終わりに』、小説(こちら)を読み終わり、映画になりそうな物語だなぁ、と考えていたら映画化のニュース(こちら)。私の脳内キャスティングでは、
蒔野 : ディーン・フジオカ
洋子 : 中谷美紀
で、この2人の浮世離れした雰囲気がぴったり!と読み進めていたので、現実のキャスティングの俳優年齢が妄想より年上だと思ったけれど、小説でも冒頭と最後では6年の年月が流れ、6年経った後に照準を合わせるなら年齢は福山雅治&石田ゆり子でしっくりくるかもしれない。石田ゆり子、ちょっとイメージ違うけれど。
三谷早苗の配役が楽しみです。
Cinema memo : 晩夏と初秋
どこもかしこも工事中の東京、こんな写真も2020年には思い出に変わっているに違いない。
絶対にあるだろう、と思っていた『寝ても覚めても』公開に絡めた濱口竜介特集、発表された。テアトル新宿でオールナイト、キネカ大森で特集上映。
http://cinefil.tokyo/_ct/17185475
オールナイトはさすがに無理なので、キネカ大森に行くつもり。東京東側の住人としては、乗ってしまえば京浜東北線であっさり着く大森。けれど『何食わぬ顔(long version)』はオールナイトでだけかかるんだなぁ。
夜に弱い私ですが、2年前の夏、観たさが募って新文芸坐のオールナイトで『PASSION』『親密さ』を観て、『親密さ』の後半で撃沈した。けれど帰り道、池袋から朝日の中をバスに揺られ『親密さ』のラストを反芻すると、世界がちょっと違って見えた。後から別の場所でちゃんと眠らずに『親密さ』を見届けたけれど、オールナイトが似合う映画なんです。観ればわかるはず。
世界で一番美しい場所かのように、丸子橋が映っている。
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