HHH

週末、篭って部屋を片付けつつ、秋に書いた原稿を書きなおした。文中に侯孝賢が登場したので久しぶりに侯孝賢のことを考えていたら、ちょうど4月8日が誕生日だったらしい。71歳。
侯孝賢、私にとって催眠効果の高い映画を撮る監督だったけれど、台北で侯孝賢の映画を観たことにより、なんとなく眠らずに最後まで観るコツを掴んだように思う。侯孝賢の街である台北で観たのがよかったのかもしれない。侯孝賢って英語表記だとHou Hsiao-Hsien(HHH)らしいけれど、中国語のピンインだとHou Xiaoxianだから、Hou Hsiao-Hsienの表記は、何が由来なんだろうな。
写真は去年、台北の夏。
日本映画テレビ技術協会

ポストに届くDVDレンタルサービスを使っていたけれど、月会費分も使っていないので3月で解約。映画をたくさん観始めたのが学生の頃だったので、映画料金を安くする方法には敏感で、いろんな映画館の会員になっていたけれど(みなみ会館や朝日シネマも!)、ここ5年ほどは日本映画テレビ協会の個人会員になることで料金問題を解決している。
入会方法。映像技術者の協会だけれど、誰でも申込みすれば会員になれる。それなりの年会費はかかるので、映画館に行く頻度との損益分岐点はあるとして、頻繁に映画館に通う人や、学生さんには特にお得と思われます。
http://www.mpte.jp/admissions/
あちこちの映画館で会員証を提示すれば特別料金(シニア料金と同一であることが多い。1,100円)で観られる。東京の、私がよく行く映画館で使えなかったのはアップリンクぐらいかな。オンライン予約では使えない等の制限はあります。
http://www.mpte.jp/members/theater/index.html
4月が会員期間のスタートなので、ご興味の方は是非。私は主に週末に映画館に行くので、映画の日やレディースデーに関係なく、いつでも料金が安いのが助かるのです。旅先や帰省途中の京都でも、加盟映画館であれば使えるのが楽しい。
携帯を忘れて家を出たけれど、行き帰り読書の捗ること甚だしく、今日の仕事では不便がなかったので、時と場合が許せば積極的に不携帯にしたいものですね!と思いました。
Cinema memo :ラッシュ

初夏のホン・サンス、公開日が発表された。公開ラッシュ。慌ただしい。
6/9 『それから』
6/16 『夜の浜辺でひとり』
6/30 『正しい日 間違えた日』
7/14 『クレアのカメラ』
2018年初夏の土曜はホン・サンス。でも、ホン・サンスとロメールは軽やかだから、1日映画館に篭って立て続けに3〜4本でも平気で観られるのよね。
『正しい日 間違えた日』は東京国際映画祭では『今は正しくあの時は間違い』と言うタイトルだった。『今は正しく…』のほうが好きだけれど。ホン・サンスとキム・ミニ出会いの1本。公開される4本はすべてキム・ミニ映画でもあるけれど、この合間にキム・ミニ以外の女優主演で『あなた自身とあなたのこと(Yourself and yours)』という映画も存在する。東京国際映画祭で観て、もう一度観たいけれど、公開されないのかな。ホン・サンス映画の大半は男性に都合が良い展開で、楽しみつつも、ケッと思うことも多いけれど(友達は夫婦で観に行って、隣で旦那さんがクスクス笑ってる気配を感じただけで、イラッとしたらしい)、『あなた自身とあなたのこと』は、女という迷宮に男がメロメロ翻弄される映画だった記憶があって、観終わった後、ホン・サンスはきっと人生が揺らいじゃうような恋をしている(知らんけど)!と思ったものよ。
『夜の浜辺でひとり』は台北で観て、キム・ミニという女優が大好きになった。ホン・サンスかつキム・ミニ無双、楽しみ。
週末読んだこの対談、今年に入ってから読んだ中でもっとも腑に落ちるものがあった。「そもそも青木さんって、北欧には興味があるんですか?そんなにないんですか?」って、みんな薄々感じていながら、誰も聞かなかったであろうことをスパッと最初に聞いているのもいい。
前篇
後篇
桜2018

昨夜の桜。谷中霊園。
週末は混むのだろうけれど、宴会禁止だからか平日夜はひっそりしている。墓地で桜を眺めることの情緒も、夜はさらに増す。
映画の中で最も好きな桜は、『ツィゴイネルワイゼン』の電話のシーン。窓の外を舞う桜吹雪がどんどん尋常じゃない量になってゆく。
谷川俊太郎展

金曜夜に観た、谷川俊太郎展について。展示、え、これだけ?と最初は少ないと思ったけれど、気がつけば時間を忘れて没入しており、ひとりの人間の過去・現在・内側・外側を、さりげなく網羅的に見せながら、生まれた言葉、言葉を生むことそのものが展示されていたとしか説明しようのない感覚が生まれた。初めて味わう種類の感慨だった。
図録は中身を確認して結局買わず、あの展示空間が期間限定のものだということが寂しい。家から5分ほどの場所に、気が向けばいつでも遊びにいける公園のように、あの展示空間が存在してほしい。好きに寝転んだり、コーヒーを飲んだりしたい。
https://www.operacity.jp/ag/exh205/j/gallery.php

谷川さん以外の言葉が並ぶこの壁、この一節は聖書のものだろうと思いながら読んでいたら実際そうだった。最下部にある「著作者より引用の許諾を得ていないことを、お詫びします。」という一文に笑った。そうか、許諾なしに引用しても、お詫びすれば良いのか…(もちろん違うだろうけど…)。きちんと段取りを踏むとして、聖書の引用って、どこに許可を求めればいいんだろう。
展示された手紙はどれも素敵で(三島や、武満徹の直筆!)、谷川さんのお父さんからの手紙がとりわけ良かった。ご両親が出会った頃から送りあっていたという手紙が本になっているらしいので(『母の恋文』)、早速読むつもり。
映画的には、市川崑と撮った古い写真が展示されていた。年表を観ると、市川崑・和田夏十と出会った年、と明記されてもいた。『東京オリンピック』だけの関係かと思っていたけれど、他の映画(『股旅』など)にも携わっていたと知る。2020年のオリンピックも、何らかの形で関わってくれるといいなぁ。
10年以上前、谷川俊太郎さんと少しだけお話する機会があり、その頃の私の関心は、言葉は頭と体の中間の曖昧な位置にあるもので、体のものでもある以上、スポーツ選手が日々鍛錬するように、ピアニストが1日休むと3日損失するといわれるように、使いこなしたいと願うならば、言葉も日々鍛錬しなければならないのではないか、という点にあったので、「谷川さんは毎日、詩を書くのですか?」という質問をしてみました。お答えは「僕はパソコンで書くので、毎日パソコンの前に座り、言葉を書いたり消したりします」とのことだった。パソコンというのが少し意外だったのと、やっぱり毎日か!と思ったことを覚えている。確か夏で、展示されていたような、洗いざらしのTシャツ姿だった。

会場に歴代のワープロ、パソコンが展示されていた。書院、iBook、VAIO。私がお話した頃は、右下のVAIOの前に日々座っていらした頃かと思う。

そして、こんなメモも貼ってあって。今週、私は包丁でさっくり指を切ってしまい(指と白菜を混同)、右手人差し指という使用頻度の高い指なので生活に支障がややあるのだけれど、PCのキーボードは支障なくタイプできるけれど、万年筆で手帳に予定を書き加えることが痛くてできない。意識していなかったけれど、手書きって想像以上に指に力がいるのだな、と思い知った。そう考えると、PCで生み出される言葉と、手書きで生み出される言葉は、そもそもの体力のかけ方がずいぶん違うのだなぁ。こんな時代に敢えて手書きにこだわる人は、「力を使って書いた」ということが、言葉を生み出すにあたって大切な人なのでは。
谷川さんとお話した日は、女友達と一緒で。「谷川さん、きっとすごくモテる人だと思う」と私がつぶやくと、友達が「ね。手とか、触りたいって感じの人だったね」と言い、きゃあきゃあ言いながら帰り道を歩いた。
谷川さんに会いに行ったような気分になる展示だった。ギャラリーを出ると、寂しさで心が覆われた。オペラシティで、明日まで。
https://www.operacity.jp/ag/exh205/
脳内キャスティング

寒の戻り。今年一番の寒さでは?春分の日なのに。
冬物のコートはすでにクリーニング済みなので、部屋着に春物のコートをひっかけただけの薄着で、坂の上の図書館へ。読み終わった本を返し、新しい本を借りる。その足であわよくば根津神社へ、と思っていたけれど、一刻も早く帰らねば風邪をひく!と身の危険を感じて帰宅。寒い寒い。
読了したのは川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』。2年ほど前に一度読み、今回は再読。冬の終わり、この夜が長く美しい季節のうちに、あの小説を読まなければ、と思い出した。主人公はクリスマスイヴ生まれの冬子さん。私は冬生まれながら夏好きだけれど、夜は断然、冬がいい。日付が変わってすぐ、0時台の生まれだからかしら。冬の真夜中生まれなのです。冬子さん、親近感。
とはいえ、家に篭って仕事をし、友達づきあいも恋愛経験も少ない冬子さんと、私の共通点は多くはない。登場人物でいえば、華やかでずけずけと率直に物を言う聖という女性のほうが性格は近い。けれど、どの女性にも私の欠片は満遍なくあって、身につまされたり応援したりしながら、静かで不器用な淡い恋の物語を読み進めた。
初読の時も考えたけれど、映画化するならどんなキャスティングが良いのかしらね。どれだけ考えても冬子さんは思い当たらず。聖は吉高由里子のイメージ。難しいのは冬子さんのお相手・三束さんのキャスティングで、50代後半、地味、どちらかというと冴えない俳優…イメージで言うと温水洋一がちらつくのだけれど、小説の中の描写からすれば遠くないけれど、物語のイメージには合わない気がして振り出しに戻る。同じこと考えた人いるかしら?と調べてみると、リリー・フランキーと書いている人がいた。リリーさんだと「いわくつき」っぽさが出すぎるのでは、と振り出しに戻り、今日のところの結論は、「オーラを消した光石研」に落ち着いた。いろんな俳優が浮かんでは消えたけれど、多くの人に「ダメだ、色っぽすぎる」と思ったので、俳優さんって色気があってほんますごいネー、と頭の涼しい子のような感慨を抱くと同時に、光石研の汎用性の高さよ。売れっ子なはずやで。
好きな物語が映画化されることには、いろんな気持ちを抱くけれど、『すべて真夜中の恋人たち』が映画化されたなら、どんな監督でも、光石研じゃなくても、きっと観に行くことでしょう。
寒くて外に出られなかったけれど、頭の中はなかなか忙しかった春分の日。
遠くの海辺

お会いしたことのない人とやりとりしていて、現在の私の生活を説明するため、長い間、山手線の内側に住んでいて、仕事も映画も買い物もほとんど内側で済んでしまい、円の外に出ることが滅多にない。 狭いところをぐるぐるしているだけ。お正月に関西から戻ってから、2月も、3月も円の外に出る予定がないのです。と書いたけれど、4月、遠くの海辺に行くことになった。何をどう準備していいのかわからなくて、奄美に行くわけではないけれど、昨夏観た映画「海辺の生と死」を記憶の底から手繰り寄せ、復習なのか予習なのかわからない反芻をしている。
http://www.umibenoseitoshi.net/
原作の文庫、まだ読んでいないから、行き帰りのフェリーで読もうかな。船酔いするかしら。
ここのところ遠くに行くことは、遠くの映画祭や遠くの映画館に行くこととイコールだったから、映画に関係のない旅は久しぶり。絶対にPCは持っていかないぞ、そんな野暮なことは。と決意を固めているところ。
【about】
Mariko
Owner of Cinema Studio 28 Tokyo
・old blog
・memorandom
【search】
【archives】
【recent 28 posts】
- 1900s (3)
- 1910s (5)
- 1920s (10)
- 1930s (26)
- 1940s (18)
- 1950s (23)
- 1960s (58)
- 1970s (14)
- 1980s (40)
- 1990s (46)
- 2000s (37)
- 2010s (240)
- 2020s (28)
- Art (30)
- Beijing (6)
- Best Movies (5)
- Book (47)
- Cinema (2)
- Cinema award (17)
- Cinema book (58)
- Cinema event (99)
- Cinema goods (15)
- Cinema history (2)
- Cinema memo (127)
- Cinema Radio 28 (8)
- Cinema Studio 28 Tokyo (92)
- Cinema tote (1)
- Cinema Tote Project (1)
- Cinema trip (43)
- cinemaortokjyo (2)
- cinemaortokyo (100)
- Drama (3)
- Fashion (40)
- Food (65)
- France (15)
- Golden Penguiin Award (11)
- Hakodate (6)
- Hokkaido (3)
- HongKong (3)
- iPhone diary (1)
- journa (1)
- Journal (248)
- Kamakura (1)
- Kobe (1)
- Kyoto (18)
- Macau (2)
- memorandom (4)
- Movie theater (212)
- Music (43)
- Nara (15)
- Netflix (3)
- Osaka (2)
- Paris (13)
- Penguin (16)
- Sapporo (3)
- Singapore (1)
- Taiwan (47)
- TIFF (24)
- Tokyo (358)
- Tokyo Filmex (14)
- Weekly28 (10)
- Yakushima (3)
- Yamagata (11)
- YIDFF (6)
- Yokohama (5)
- Youtube (1)
