令和
この下の平成最後の投稿を書いて以降ふたたび出かけ、バスに乗り、打ち合わせし、またバスに乗って戻り、なんだか年末気分が押し寄せたので蕎麦を食べ、各所とやりとりしているうちに元号が変わった。
昨秋から行ったことのない場所に行きたい欲が高まり、連休後半は、ずいぶん前にチケットと宿を手配していたマカオに行ってきた。未踏の地。ギャンブルにさっぱり興味のない私が、マカオで何をするの?っていろんな人に聞かれたけれど、これまで訪れた香港、ヨーロッパの街、ラスベガス…の要素がありつつ、どの場所にも似ていないオリジナルな魅力がマカオにはあり、またすぐにでも行きたいなぁ!って考えている。
マカオでもっとも有名な史跡は聖ポール天主堂跡で誰もが異議なしと思われ、その脇のカラフルな細い路地にある映画館で時間が合ったから観た映画が、令和1本目の映画となった。写真はその路地。左のピンクの建物に映画館がある。中央にちらりと見えているのが聖ポール天主堂跡です。ひさびさにリレー連載Cinema on the planetに旅行記をまとめようかな、と考えています。
4月30日
平成もいよいよ最終日。昨夜、NHKで平成の紅白歌合戦を振り返る番組を観ながら部屋を片付けていたせいか、イレギュラーな時期に年末が訪れたみたいで、蕎麦食べるべき?と考えたりした。
何にしようかな?と考えていた平成最後の映画は、TOHOシネマズ日比谷で『キングダム』を観ることに。今、頭の中がごちゃごちゃしているので、映画まで頭を使うものを選ぶと息抜きにならなくて。パッと豪華で、何も考えなくても良さそうなやつ、と選んだけれど、期待通りの映画で大満足。
敵とか味方とか、勇気とか中華統一!など以前に、吉沢亮や長澤まさみを前にすると、この完璧に美しい生命体を汚し殺すなんぞ人類の損失…ならば我こそが死ぬ!と率先して我が身を差し出してしまいそう。変な鳥が登場して???と目を奪われていると中から登場したのが橋本環奈ちゃんだった時のやったね、大当たり!的高揚もあり、大きな画面で美しい人々の顔をじっくり観て現実逃避、って映画の一番ベーシックな楽しみ方ではないかしらん。
28をあちこちの街で読んでくださっているみなさま、平成、お疲れ様でした。来るべき新時代も引き続き、映画を観ておしゃべりするなどして、楽しく過ごしましょうね。
東京上空いらっしゃいませ
新元号が発表された頃、いよいよ平成が終わる、もう思い残すことはないけれど願いを言えるならば『東京上空いらっしゃいませ』を4月のうちに観たいなぁと、そんな願いがどこかに届いたのか4月半ばに目黒シネマで上映されることを知り、すべてを放り投げて観に行った。
指先でタッチするだけで映画がまるごと手の中の小さな画面に届く昨今、バチバチ音の鳴る、映画館でしか観られない映画があるなんて、不便さはロマンですねという種類の事案。
死んだ後に改めて生を体験する物語だからか、去年の手術の全身麻酔でささやかな臨死体験を経た目で観てみると、退院し数日ぶりに外に出た瞬間、街じゅうが困っちゃうぐらい可愛く、浮かれてセブンイレブンで普段食べないかぼちゃプリンを退院祝いに買っちゃうぐらい、この可愛らしい世界よ!という気分になったことを、主人公・ユウの溌剌とした仕草に重ねて思い出した。
去年から、決めることの潔さもスピードもぐっと増したのは、死ぬってこんな感じ、とイメージできた気がしたからから、生きてるうちに決めることなんて何も怖くなくなったからなのだろう。映画の最後、ユウの去り際が清々しくきっぱりとしていることが、これまで少し腑に落ちなかったけれど、あれは「一度死んだから」なんだろうなぁ、と今回はストンと理解した。何事も体験。
何度も観たせいか今回は、話の筋が通らないところが随所にあるなぁ、などあちこち粗も見つけはしたけれど、些少な粗なんぞ秒で吹き飛ばす、暴力的にチャーミングな映画だった。チャーミングの暴風雨。もっとよくできた完璧な映画はたくさんあるのだろうけれど、『東京上空いらっしゃいませ』は間違いなく、私にとって平成で一番チャーミングな映画だった。
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