4月30日

平成もいよいよ最終日。昨夜、NHKで平成の紅白歌合戦を振り返る番組を観ながら部屋を片付けていたせいか、イレギュラーな時期に年末が訪れたみたいで、蕎麦食べるべき?と考えたりした。

何にしようかな?と考えていた平成最後の映画は、TOHOシネマズ日比谷で『キングダム』を観ることに。今、頭の中がごちゃごちゃしているので、映画まで頭を使うものを選ぶと息抜きにならなくて。パッと豪華で、何も考えなくても良さそうなやつ、と選んだけれど、期待通りの映画で大満足。

敵とか味方とか、勇気とか中華統一!など以前に、吉沢亮や長澤まさみを前にすると、この完璧に美しい生命体を汚し殺すなんぞ人類の損失…ならば我こそが死ぬ!と率先して我が身を差し出してしまいそう。変な鳥が登場して???と目を奪われていると中から登場したのが橋本環奈ちゃんだった時のやったね、大当たり!的高揚もあり、大きな画面で美しい人々の顔をじっくり観て現実逃避、って映画の一番ベーシックな楽しみ方ではないかしらん。
28をあちこちの街で読んでくださっているみなさま、平成、お疲れ様でした。来るべき新時代も引き続き、映画を観ておしゃべりするなどして、楽しく過ごしましょうね。
カウントダウン

東京、警備の緊張感も高まりいよいよカウントダウンのムード。平成最後の映画は何にしよう…このままだとメゾンエルメスで観たものの、半分眠ってしまった『ザ・マーズドリーマーズ』になっちゃう。
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-studio/archives/904391/
火星への移住を夢見る人々のドキュメンタリー。
エンジニア、作家、科学者、学生など、様々なバックグラウンドを持ちながら、赤い惑星へ入植することを疑わないアメリカの人々を中心に、彼らの率直な意見を聞き出していく。
天文学者や地質学者、宇宙生物学者などの専門家たちをはじめ、米国火星協会や、ユタ州にあるモハーヴェ砂漠での模擬実験基地を取材し、火星へ行くことの必要性や可能性を探ると同時に、地球の歴史や未来についても示唆を与える野心的作品。
つまらなくはなかったけれど、疲れがどっと噴出してしまい後半ほとんど覚えていない。「火星に行くこと・移住すること」を求める理由が学術的探究心による研究者たちより、「歴史に名前を残したい」以外の理由がなさそうなシンプルな若者のほうが記憶に残った。聞き手(=カメラ)がどれだけ理由を掘り下げんと奮闘しても、本当にそれ以外の理由がなさそうだったけれど、こんな混じり気のないピュアな欲望こそが人類を宇宙に向かわせ、月面着陸もさせたのかもしれないな、と思うとなんだか敬虔な気持ちも芽生えた。
来るべき新時代が終わる頃には、火星、あなたもう行った?私、来週行くんだけど。って台湾や韓国ぐらいのカジュアルな旅行地になっているのかも。なっていないなんて、誰が断言できるのか。未来ってそういうものなのだから。
平成の終わり、私は蓄積疲労甚だしく、もっとパッと豪勢で、何も考えなくても良い映画を観るべし、という気分になっていることをメモしておく。
Notre Dame

ノートルダム大聖堂の火災、朝起きて知ってとてもショックだったけれど、仕事が立て込んでいたので誰ともその話をせず、時折、指先で遠くの人々とやりとりしてショックな気持ちを発散した。パリの友人は広場で賛美歌を歌う人々の動画を送ってくれた。母から悲しすぎる、とメールが届いてシンプルな文面に不思議と癒された。ショックな気持ちを何と表現すればいいのかわからなかったけれど、悲しい、だけでいいんだな、と。
1年にも満たない短い期間だったけれど、パリ左岸に暮らしていたことがあり、朝、Pont Marieを自転車や徒歩で右岸に渡る時、ノートルダムが見えるのが好きだった。写真は当時、ここからの景色が好きだな、と撮ったもの。正面より裏側のほうが日常の景色として馴染みがある。
富士山が映っている映画ってどれ?と問われて、すぐパッと答えられないように(すべての松竹映画とそれから…)、ノートルダムはあまりに多くの映画に映り込んでいるけれど、咄嗟に『ビフォア・サンセット』を思い出したのは、船に乗った二人とノートルダムの裏側が映る場面があるからかもしれない。修復され、ふたたび蘇ることを願っています。友人に託すなどの確かな方法で、寄附もしたい。
東京上空

先週、朝食を作る余裕なく家を出てオフィス地下で調達。デスクで食べようと思ったら普段いない同僚がいて、あれ、早い?って言ったら、こないだ早朝花見したいねって言ってたやつ、これからやりません?って提案され、テラスに出て、ファミリーマートのサンドウィッチとコーヒー総額300円少しとともに堪能した視界がこちらです。
東京が絵みたいで嘘くさい、あの世ってこんなかしら、実は私死んだのかな、ってもぐもぐ考えるにつれ、もう平成に未練なんてないと思っていたけれど、平成のうちにもう一度あの映画観たかったなぁ、でもそんな都合よく映画館にかからないか、って思った映画が明日からかかるとさっき知った。
『東京上空いらっしゃいませ』、目黒シネマで。生きることと死ぬことについての映画です。混むかなぁ。
http://www.okura-movie.co.jp/meguro_cinema/now_showing.html
4月

新元号は4月1日、早朝から働いていた某所の舞台袖で、名前も知らない某所スタッフの方からスマートフォンの画面を見せていただいて知った。ふうん、とすぐに仕事気分に戻ったけれど、令和、やわらかい響きの新元号でじわじわ気分が高揚した。万葉集に由来がある、というのも万葉集に登場する山や地名が身近に現存する中で育った奈良人には誇らしいです。
慌ただしく世間の情報から隔離された気分でいると、新元号の発表時期も、桜の開花予想も、能動的に情報を取りに行けず、近くの誰かから伝え聞く形になり、このままでは桜の満開も、散り際もすべて風の噂に伝え聞き、現物を見ないまま終わりそう、とよく晴れた金曜日、強引に半休を取得し千鳥ヶ淵を抜け、竹橋の近代美術館へ行った。

近代美術館の常設、東京で一番好きかもしれない。常設はいつも空いているのも良い。「美術館の春まつり」という催しで、日本画の展示室が春爛漫であった。
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/springfest2019/
船田玉樹《花の夕》は以前、「日本画の前衛」という、ここ10年ほど東京で観た展示の中でもっとも好きだった企画展の目玉だったと思うけれど、その時ぶりに再会。
http://archive.momat.go.jp/Honkan/Avantgarde_of_Nihonga/index.html#outline
けれども今回は、速水御舟に心を奪われた。別の展示室にあった「ひよこ」など!ひよこー!!もふもふしたい…
http://search.artmuseums.go.jp/gazou.php?id=2203&edaban=1
3月から不慣れなことに緊張しながら対応する日々、ずっと考えて計算して連絡して名刺交換してということが週末の時間を占拠していたので、楽しみながらひとつひとつ進めるとしても、そろそろ心が死ぬ…と思っていたところ、桜とひよこで回復。ありがとう、ひよこ。
映画館に通うじゅうぶんな時間がとれないまま四半期が過ぎたけれど、1月〜3月に観た中では、
『バーニング』
『孤狼の血』
が、観終わった後の興奮度において、同率首位といったところ。
そろそろ28の編集や、映画館通いにも徐々に復帰できそうです。
香り

しかしまぁ、慌ただしい春である。自分でも何が起こっているのかいまいち把握できていないけれど、ひと段落つく頃には視界もずいぶん変わっているのではないか。
そんな中、友人から小包が届いた。年末の誕生日の贈り物としてリクエストしていた香水。セルジュ・ルタンスの香水はひとつひとつ詩のようなストーリーがついており、香りを確かめずに、ストーリーだけで私に似合いそうな1本を選んでほしい、と伝えていた。
贈ってくれた友人はパリに暮らしており、パレ・ロワイヤルにあるセルジュ・ルタンス本店まで出向き、やっぱり香りを確かめて選んでくれたらしい。もちろんストーリーも確認しながら、私が自分では選ばなさそうな香り、そして最近の私の轟々とした変化に似合いそうな香りを選んだとのこと。そして香りを選ぶという行為が友人にはとても刺激的な体験だったそうで、むしろ御礼を言いたい気分、とのことだった。私は嗅覚が弱く、あまり香りを識別できない。自分からどんな香りがするのかわからない、というのはなかなかの恐怖である。だからかどうか香水に却って興味があり、けれど選ぶ自信がないので極めて親しい人に似合うものを選んでもらう。何でも自分で決める私が、唯一他者に決めてもらうもの、というのも面白い。
自分がつけている香水を声高に打ち明けるのは無粋のように思うので、何を選んでもらったかは秘密だけれど、例えば、しばらく前に目にしたプラド美術館に佇むジェレミー・アイアンズのような人に似合いそうだと思った。美術作品を眺めるジェレミー・アイアンズ自身も美術作品のようだった。シンプルな装いだけれど、生きてきた年月の重なりが独特の迫力を生んでいる。
もしくはオリヴェイラ映画に時折登場する、何で生計を立てているのかはわからないけれど、どうやら地元では名士であるらしい人々の大きな邸宅のサロンで親しい人だけ集めて開催される音楽会のような場所にも似合いそう。
そんな妄想をしたけれど、果たして私に似合うかはわからない。親しい人が選んでくれたから、つけてみようと思う。多湿な日本においては秋冬に似合いそうで、冬生まれにはぴったりなのかもしれない。
麻酔あれこれ

中野に向かう道すがら、路地で見つけた住宅のシャッター。これは…在りし日のワールド・トレード・センターでは。この住宅、911前からあるのでしょうが、この写真をシャッターに使うセンスとは一体。
私にとって面白い会話とは、その時々で興味を抱きながらも、ふわっとした疑問も多いトピックについて、その世界に詳しい人が教えてくれるという種類のもので、去年の手術以来、麻酔への興味は尽きず、ふわっとした疑問も日々募るばかり、麻酔医とお話してみたいけれど、私の社交範囲においてはさすがにお会いしませんね。
「せん妄」にまつわるこのニュース、
https://www.asahi.com/articles/ASM2N4RX3M2NUTIL01R.html
私は目覚めた時、人生最高の眠りから目覚めてしまった、今すぐにでもあの眠りに戻りたいという気分だったのだけれど、麻酔から目覚める時に淫夢を見がち、それは女性に多い傾向だと全身麻酔を2度経験した友人が言っていたのを思い出した。
それから『名探偵コナン』に登場する麻酔銃描写について麻酔科医に聞いてみた、というこの記事が最高に興味深かった。『麻酔科医ハナ』という漫画があることを知った、それは読んでみたい。
https://fuminners.jp/journal/entertainment/16146/
公開中の『女王陛下のお気に入り』が面白かったので、ヨルゴス・ランティモス監督の過去の映画も最高だったことをじわじわ思い出したついでに、『聖なる鹿殺し』の夫妻はどちらも医者で、全身麻酔プレイというブラックな笑いが仕込まれていたことを思い出した。ヨルゴス・ランティモス映画のいずれにも言えることだけれど、よく思いつくなぁ、そんな設定。
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