週末

この週末は『ファントム・スレッド』、久々に公開日に新作を観た。to do listを書き出して、コツコツ消していくことに歓びを感じるタイプなので、公開日に観るの、自分の中の観るべきリストが速攻で消せて気持ち良いな。
衣装が美しく、ダニエル・デイ・ルイスがこの1本で俳優業を引退すると宣言、オートクチュールの仕立屋の物語、という程度にしか前知識がなかった。事前情報もそれぐらいしかなかったのではないかと思うけれど、観終わってみると、想像を超えた着地に驚き、そしてうっとりした。
もう少し寝かせてから感想を書きます。写真はシネスイッチ銀座入り口のディスプレイ。
シネスイッチ銀座の立派なところは、金曜がレディースデーで、950円で観られること。新作がかかる劇場でこれは破格値だと思う。オンライン予約できないところが不便だけれど、6日前から窓口でチケットが買える。
http://www.cineswitch.com/index.htm
渇望


鹿児島空港、イームズのシェルチェア。使い込まれているところが良かった。椅子は道具。
もろもろの事情でむこう数ヶ月、先の予定を立てることが難しく、旅に出られなさそうなことが確定しつつある。台南も富士山リベンジもこの夏はおあずけか。目先の映画と、仕事をぐいぐい進捗させることを楽しみに(やけくそ)。
映画メモ。小津4K特集のビジュアルが素敵。原稿のために『秋日和』を再見するつもりだったけれど、ラインナップに入っていない。それ以外の小津を今は渇望してないから、チラシだけもらってこようかなぁ。
http://cinemakadokawa.jp/ozu4k-115/
空腹状態での食事が美味しいように、映画も観たいと渇望している時に観るのが一番美味しいと思う。ので、最近は特集上映も、今はその気分じゃない…と思えば見送り傾向。
ファーゴ

日曜の朝、早稲田松竹で。アメリカの田舎での犯罪を描くカントリー・マーダーケース特集、フランシス・マクドーマンド主演2本立て。最近めっきり早稲田松竹づいており、この日記も週刊早稲田松竹ニュースめいている…。
1本目は『ファーゴ』。1996年、コーエン兄弟。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2018/threebillboards.html
公開時に観たような観ていないような。冒頭、THIS IS A TRUE STORYと字幕が出るので実話だと思い込んでいたけれど、字幕も演出の一部で、『ファーゴ』はフィクションってようやく知った。それからファーゴは地名だけれど、ファーゴとその周辺で起こる物語で、むしろブレーナードという地名のほうがよく出てくる。コーエン兄弟が『ブレーナード』より『ファーゴ』のほうが面白そうな映画に思えるから、と決めたらしく、確かに覚えやすいし口にしやすい。wikipediaにより明かされる公開22年目の真実!自分の身に降りかからない限り、何が真実で何が嘘かなんて、わりとどうでもいいよな、と思ってるけれど、今これをやってしまうと、実話でもないのにおふざけが過ぎる!って言われたりするのかしらん。
『ファーゴ』は、ファーゴとその周辺(主にブレーナード)での、狂言誘拐だったはずがマヌケな主犯者、暴走する犯罪請負人により予期せずどんどん人が死んでゆく顛末と、事件を追う女性警察署長マージの物語。犯罪請負人の一人をスティーブ・ブシェミが演じており、「犯人の特徴は?」の問いかけに、やたら「顔が変」と言われ続け爆笑。犯罪を描くけれど、基本はコメディ。
そして年を重ねて観ると、マージを演じるフランシス・マクドーマンドの魅力が炸裂している。事件絡みでテレビに出ただけで夜中に電話かけてくる学生時代の同級生なんて、マージじゃなきゃ会わないけれど、マージは会って話を聞く女なんである。登場人物の誰もが、平穏な顔の下にうっすら狂気を抱えており、田舎の街特有の閉塞感も漂うけれど、マージが治安を守る以上、ファーゴとその周辺は安泰、と思わせる母性。マージが妊婦、という設定は母性の醸成に繋がるのかしらん。売春婦たちの事情聴取時のマージの相槌!会話のトーンの合わない人にどうしても相槌しなきゃいけない時に真似したい!マージが淡々と守る穏やかな家庭の様子が時折挿入されることで、最後の車中の台詞がぐっと生きてくる。
フランシス・マクドーマンド!盛り上がり、wikiを読み、軽く画像検索し、最近のメットガラでの装いの写真にたどり着き、ますます好きが加速。フォーマルな場でもメイクが薄いことまで魅力になるなんて、滅多にいないタイプの女優。
日比谷

行動と静止のバランスを著しく欠いた数ヶ月を過ごし、ようやく本調子に戻ってきた。まるで東京には早稲田松竹しか映画館がないような映画鑑賞行動をとっておったが、久しぶりに日比谷へ。と言っても、東京ミッドタウン日比谷の中のTOHOシネマズにはまだ足を踏み入れておらず、シャンテへ。
地下からシャンテへ抜けようとしたら、以前、ゴジラ像のあった合歓の広場の床面に設置されていた映画スターの手形は地下の壁面に移動していた。ドラちゃんも足元に見下ろしていたけれど、目線より高い位置に。トム・クルーズの横、偉大なる映画スター。
合歓の広場にあったゴジラ像はどこに?と思えば、TOHOシネマズ日比谷に移設され、シャンテ前の広場(日比谷ゴジラスクエアという名前になったらしい)には新・ゴジラ像が設置されたのだとか。新・ゴジラ像、待ち合わせに良いかもしれない。
https://eiga.com/news/20180322/9/
まだまだ新・日比谷の全貌を把握しておらず、困惑する日々は続きそう。
逃した映画を追いかけているうちに、新しい映画がどんどん封切られ、時間が足りない。ついでにシネスイッチ銀座まで歩き、今週土曜公開の『ファントム・スレッド』も早速、予約してきた。
Friday Night Movies

金曜夕方、仕事をさささっと終わらせて早稲田松竹へ駆け込み。
平日に、合計5時間座り続けて映画を観るのはなかなかハードだったけれど、『ブレードランナー』新旧2本立てでかけてくれて心から感謝。世代的なものもあって、私は80年代の映画をほとんど観ていない。『ブレードランナー ファイナル・カット』を観たら、もうこれ1本で帰ってもいいのでは?レベルで満足し、続編を観るのが怖くなったけれど、『ブレードランナー2049』は、そんな杞憂を吹っ飛ばす映画だった。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2018/bladerunner.html
今年はあまり映画を観ていないけれど、今のところ2018年、最上の映画体験だったと思う。
Cinema memo : 早稲田松竹

GWに行った早稲田松竹、これからのラインナップも目白押しな感じ。今年に入ってからあまり映画館に行けていないので、ありがたきことです。
見逃した『スリー・ビルボード』、せっかくなら『ファーゴ』も久々に観たいと思っておった。ありがたや。5/19〜25。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2018/threebillboards.html
その後、2週間に渡るホドロフスキー祭も贅沢。
http://www.wasedashochiku.co.jp/lineup/2018/jodorowsky2018.html
好きな映画館を好きな理由はそれぞれあるとして、立地やプログラミングも大事だけれど、前方で観る族としては、前方で観た時のスクリーンの距離こそ最重要事項。早稲田松竹、最前列で観てもスクリーンとの距離がしっかりあるから疲れなくて、その点だけで私の中の好感度うなぎのぼり。先日書いた日本映画テレビ技術協会の割引(こちら)もしっかり対象なので、2本立て900円で観ています。
女神の見えざる手

GW、早稲田松竹で『ドリーム』の併映は『女神の見えざる手』。原題は『Miss Sloane』だったと思うと、こちらの邦題はなかなか成功しているように思う。ポスターなどビジュアルだけでは正直、惹かれる要素は少ないものの、どこかの映画館で予告篇を観たら面白そうな映画!と俄然興味が湧いたので、Miss Sloaneは静止画より動画のほうが魅力的に見えるタイプの女性なのかも。
ジェシカ・チャスティン、『ゼロ・ダーク・サーティー』といい、仕事するのに男も女もあるかい!的役柄に今、世界一ハマる女優では。『プラダを着た悪魔』のような可愛子ちゃんのお仕事ものじゃなくて、もっとシリアスで周囲に曲者ばかり従えるタイプの職業の。サンローランのスーツと11cmハイヒールで完璧に武装して働き方改革なんてどこ吹く風とばかりに昼も夜も削って働くのがまた似合う。
ジェシカ・チャスティンだけで観る理由としてじゅうぶんだけれど、観終わってみると、脚本家って誰なんだろうってリサーチしたくなる感じ。ジョナサン・ペレラ?知らないし、wikiにも出てこないと思えば、この映画が初脚本なのだとか!サイトのProduction noteが興味深く、
もともとイギリスの弁護士だったジョナサン・ペレラが、初めて描いた映画の脚本。それが『女神の見えざる手』である。弁護士を辞め、韓国の小学校で英語を教えていたペレラは、映画学校などには通わず、手に入った脚本を片っ端から読んだという。「120ページの脚本であれば、前半60ページを読みどう物語を終わらせるべきか自分で考えて続きを書く。そして夜中に後半の60ページを読んで比較する。そうやって勉強した」と彼は振り返る。
ペレラが『女神の見えざる手』の着想を得たのは、BBCのニュースで、不正行為で逮捕された男性ロビイストのインタビューだった。「ロビイストの仕事は政治と諜報活動が合わさったものだ。彼らがどうやって影響力を行使するのか。合法ぎりぎりのラインで、どんなストーリーが生まれるのかに興味があふれた」とペレラ。
書き上げた脚本はフィルムネーション・エンターテインメントに送られ、同社の共同社長、ベン・ブラウニングを驚嘆させる。「スリラー、ドラマ、政治の要素があり、強烈なヒロインを通して政治の知られざる舞台裏をスピーディに描いている。脚本が届いてから1年で映画が完成した。私が知る限り、こんな例はハリウッドで初めてだ」とブラウニングが語るように、脚本家のサクセス・ストーリーが実現したのだ。
前半だけ読んで後半を自分で書く、こんな脚本の勉強方法があるのか…!ジョナサン・ペレラが考案して黙々と実行したのだろうか。こんな努力ができるだけで、すでに才能あったとも言える。ロビイストという耳慣れない職業について、映画の冒頭では説明されすぎず、ミス・スローンの特殊な性格を強調するばかりで、ロビイストという職業を理解しないと物語を追いかけられないはずなのに大丈夫だろうかと一瞬不安になったけれど、展開に引き込まれているうちにロビイストについても、ミス・スローンがその中でも手段を選ばない強引さがあるにせよ、とりわけ有能という点についても、すっかり理解できていた。ジョナサン・ペレラ!
最後の法廷シーンが圧巻で、ミス・スローンにとって隠しておきたい私生活の秘密を共有すべき相手が登場した時の、遅かれ早かれ暴かれることだから、という肝の据わったセリフが好きだった。ロビイスト活動の一環として仕込んだことが思わぬ顛末を招く反面、信じられないはずの人物が案外信じられたり、ミス・スローンの能力をもってしてコントロールできること、できないこと、それらがミス・スローンにもたらす明暗。あぁ、面白かったな。ジョナサン・ペレラ(立ち上がって拍手)!
興奮してGW中に会った人々に、映画とジョナサン・ペレラの脚本学習方法を暑苦しく語った私であった。
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